ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

「2020年夏ドラマ」―1 

2020-07-25 23:32:09 | TVドラマ全般






  
☆『半沢直樹』2―#01(TBS系列・日曜夜9時枠)

ご存じ池井戸潤さんの企業エンターテイメント小説をドラマ化した「日曜劇場」2013年の大ヒット作、その続編です。

銀行やその関連企業を舞台に、顔芸が得意な権力者たちが私利私欲を肥やそうと悪いことばかり企み、それを邪魔する半沢直樹(堺 雅人)に罠を仕掛け、顔芸を競いながら極限まで追い詰め、最後に「倍返し」されてまた顔芸を披露する。そのパターンを延々と繰り返すドラマですw

7年前(もうそんなに経った!?)に前作が放映された時、私はけっこうハマったんだけど、その大ヒットを受けて同じ池井戸原作ドラマや二番煎じの勧善懲悪ドラマが「日曜劇場」に限らず各局で乱作され、あっという間に飽きてしまいました。同じパターンの繰り返しなんだから当然と言えば当然のこと。

だから今回の続編にはさして期待してなかったんだけど、なぜか『半沢直樹』だけはやっぱり面白いんですよねw

私はビジネスに全く興味が無いもんで、登場人物たちが何をやって何を騒いでるのかよく分かんないのに、それでもなぜか引き込まれちゃう。同じような事やってる『ルーズヴェルト・ゲーム』だの『下町ロケット』だのは全く面白いと思わなかったのに、なぜ?

一番の理由は主人公を演じる堺雅人さんのハマリっぷりと、切れ味鋭すぎる演技の魅力だろうとは思うけど、それだけじゃなさそうです。

『半沢直樹』って、なんとなく北野武監督の映画『アウトレイジ』に似てるんですよね。私は極道の類いが大嫌いなのでヤクザ映画はほとんど観ないのに、なぜか『アウトレイジ』だけは楽しめちゃう。

両方に共通するのは、男たちがどいつもこいつも本能を剥き出しにして戦ってるのが滑稽に見える点と、それをキャストの皆さんが実に楽しそうに演じておられる点。

そして何より、主人公がどんな悪党よりも狡猾で情け容赦の無い男であることが、他の類似ドラマとは違ってるように思います。

つまり、乾いてるんですよね。視聴者を泣かせて数字を稼ごうなんて下心が、無くはないんだろうけど普段の「日曜劇場」ほど露骨じゃない。

主人公が我慢に我慢を重ねた末に怒りを爆発させ、啖呵を切るまでは同じなんだけど、そこで『ルーズヴェルト~』や『下町~』は綺麗事で固めた演説を始めちゃうからダメなんです。ただでさえベタな話なのに、その上「お涙頂戴」で来られたらもう私は耐えられない。その点『半沢直樹』はスカッとさせることのみに全力投球だから臭みがない。

要するにワルの魅力。他の番組の主人公たちは中途半端に優しいから面白くない。これは堺雅人さんのもう1つの当たり役=『リーガルハイ』の古美門研介にも言えることで、もしかしたら堺さんご自身の意向がかなり反映されてるのかも知れません。

堺さんのほか、香川照之、及川光博、片岡愛之助、北大路欣也、上戸彩といった続投組に、市川猿之助、古田新太、賀来賢人、今田美桜といった新メンバーが加わったレギュラーキャスト陣。

たぶん毎週は観ないと思いますが、観ればそれなりに楽しめる作品にはなりそうです。

☆『アンサング・シンデレラ/病院薬剤師の処方箋』#01(フジテレビ系列・木曜夜10時枠)

石原さとみ、西野七瀬、桜井ユキ、金澤美穂、真矢みき、田中圭etC…が扮する総合病院の薬剤師たちにスポットを当てた医療ドラマ。荒井ママレさんの人気コミックを映像化した作品です。

確かに薬剤師さんのお仕事に関しては知らないことが多く、その点では興味深いんだけど、石原さとみさん扮するヒロインが何をやるかと言えば、医者よりも早く鋭く患者の異変に気づき、的確な治療を促し、危うく死ぬところだった患者を見事に救っていくという、それじゃ医者が主役のドラマと何も変わらんやん!っていうw、わざわざ薬剤師を主役にした意味がいまいち分かんないドラマになっちゃってます。

頭の堅いベテラン医師に妨害されたりするのもウンザリするほど見飽きた光景で、それでも全てを解決しちゃうスーパーウーマン石原さんは、薬剤師の仮面を被ったただのドクターXやん!ってw、私は思っちゃいました。

ただ、泣かせるのは巧いですね。まんまと泣かされました。最近の医療ドラマの泣かせテクニックには本当に眼を見張るものがあります。でも私は泣くためにドラマを観るワケじゃないので、1話だけで充分です。


☆『ディア・ペイシェント』#01(NHK・金曜夜10時枠)

南杏子さんによる長編推理小説を映像化したNHK「ドラマ10」の新作です。

昨今増え続けるクレーマー患者たちに悩む女性医師が、先輩医師や同僚とともに、患者たちと真摯に向き合い寄り添おうと努力する中で、人と人との絆を見つけ出してゆく物語。(公式HPより抜粋)

主人公の医師に貫地谷しほり、先輩医師に内田有紀、同僚医師に浅香航大、妹に高梨臨、母に朝加真由美、父に伊武雅刀、モンスターペイシェントに田中哲司らが扮するほか、升毅、石黒賢、平田満、浜野謙太、永井大といったキャスト陣が脇を固めます。我らがゴリさん=竜雷太さんも「問題患者」として登場されるそうですw

ドラマ10らしい真摯な姿勢と高いクオリティーで、経営維持のために多くの患者を効率良くサバきたい病院と、一人一人の患者とじっくり向き合いたい医師、そんなのお構いなしに身勝手なクレームを繰り返すモンスターペイシェント達と、現代の病院が抱える深刻な問題がリアルに描かれてます。

ゆえにタッチが暗いです。重いです。貫地谷さん扮するヒロインは是非とも応援したいんだけど、この暗さと重さについて行く自信が私にはありません。

しかも原作は「推理小説」ですから、田中哲司さん扮するかなりヤバそうな患者が、恐らく犯罪まがいのことを繰り返してヒロインをさんざん苦しめるんでしょう。

以前にも書いたとおり、私がドラマを観るのは風呂上がりから就寝までのリラックスタイムにほぼ限定されてるので、出来れば楽しい作品が観たいんです。そもそも医療ドラマというジャンル自体にウンザリなので、ごめんなさいm(__)m
 


コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『私の家政夫ナギサさん』#02... | トップ | 『Gメン'75』#227 »

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (キアヌ)
2020-07-26 13:47:40
半沢直樹、7年前なんですね!

私自身の考え方がすごく変わったことを、このパート2で知ることができました。
 
ナギサさんも404もすごく楽しめますが、半沢直樹は見方が変わってしまいました。
 
大企業や組織の凄みや安心安定感、旨味を感じなくなってました。

いまでも銀行は旨味の多い職業かもなのですが、半沢さんほどの人財なら、

独立してコンサルやったほうが人助けになるし儲かるのでは?とか思ってしまいますww
 
見ていてすごく楽しめますが、バトルフィールドが大企業とういのがもう少し昔話、みたいに感じてしまいます。

中国をはじめ、いろんなことでいろんな国にぶち抜かれた日本になってしまったので、こういった大企業ものは今後は時代劇として楽しもうと思います!
 

7年で時代が変わったんだなとあらためて思いました。







返信する
Unknown (harrison2018)
2020-07-26 15:14:23
なるほど、半沢さんほどの人があんなに酷い目に遭いながら組織にしがみついてるのは、今やリアルじゃなくなったワケですね。

勧善懲悪のワンパターンが『水戸黄門』みたいだとよく言われるけど、ビジネスの描かれ方ももはやファンタジーの時代劇、そう割り切って楽しめば良いのかも知れません。

それにしても『デカワンコ』が震災の年ですから来年で10周年! 時の流れがほんと早いです。
返信する
Unknown (ムーミン)
2020-07-26 15:52:00
半沢直樹は前回も評判につられて途中から視聴しましたが、確かに面白かったです。ただあの暑苦しさは基本的に苦手でまだ今回見るかどうかはわかりません。「アンサングシンデレラ」は少し期待しましたが、突っ込みどころ満載でしたね。薬剤師をやたら下に見る無能な医師が不愉快で薬剤師の指摘で患者を救ったり、蘇生処置を行ったり、仕事そっちのけで行方不明になった患者を探し回ったり迷惑でしかないですね。このスーパー薬剤師一人の能力で回っている病院って怖くてかかりたくないですね。糖尿病のふたりの少女のその後を描いたのは良かったですが、主人公にあまり共感できないので次回からは視聴しないでしょうね。
返信する
Unknown (harrison2018)
2020-07-26 18:17:40
医療ドラマもマンネリの極致を通り越してますから、薬剤師を主役にして何とか目先を変えようとしたんでしょうけど、いかんせん無理がありますね。

ただ、多くの女性視聴者は泣きたくてドラマを観るみたいですから、設定はどうでもいいのかも知れません。我々には関係ない番組って事ですね。
返信する

コメントを投稿