
2014年に公開された、坂本浩一監督によるガールズ・アクション映画です。
とある廃校で夜な夜な行われる女性だけの非合法格闘技イベント「ガールズ・ブラッド」に集う女性格闘家たちに、芳賀優里亜、多田あさみ、水崎綾女、小池里奈といった若手女優やグラビアアイドル達が扮してます。
そう聞くと、へっぴり腰のしょぼいキャットファイトを想像しちゃうんだけど、なかなかどうして本格的な格闘技ムービーになってます。
ガールズ・ブラッドのメンバー達はそれぞれ、性同一性障害やら夫のDV、母親の虐待などの問題を抱え、社会から弾き出された負け犬たち。そんな彼女らが、格闘技という生き甲斐と居場所を見つけて再生していくストーリー。
ガールズ・ブラッドという荒唐無稽な設定に、そんなシリアスな人間ドラマが入ってバランスが取れるの?って思ったら、案の定かなりバランス悪かったですw
又、それを演じるのが決して芝居が上手とは言えない若手女優さん達ですから、ちょっと陳腐に感じた部分も少なくありません。
けれども、このテの映画はアクションシーンこそが肝であって、ドラマ部分がいくら良くてもアクションがショボかったら何の意味もありません。
その点『赤×ピンク』は、やるべき事をちゃんとやってくれてます。主役の女の子たちは勿論、スタントチームの人達、そして監督はじめ撮影スタッフ達がかなり本気で、情熱をこめてアクションを撮ってるのが画面からヒシヒシ伝わって来ます。
そりゃあハリウッドや香港のアクション映画とは比べようも無いでしょうけど、日本の単館ムービー=低予算=超タイトなスケジュール(たぶん10日あるか無いか)の中、これだけのクオリティーでアクションを撮るのはメチャクチャ大変だった事と思います。
格闘アクションを撮るには入念なリハーサルと安全対策が必要だし、なかなか1発OKとは行かないだろうし、カット割りが細かくなるからカメラや照明の移動=セッティングの修正にも時間を取られ、丸1日かけて撮った場面が編集したら3分にも満たなかったりする。
それをたった10日間とかで(ドラマ部分も含めて全部)撮影しなきゃならない、ジャパニーズ低予算映画界の地獄たるや!(ハリウッドや香港は半年とか1年とか普通にかけて撮るワケです)
そんな撮影環境でこれだけのクオリティーのアクションを撮るには、スタッフみんな一睡もしないで10日間を過ごすしか無かった事でしょう。
かつて私が参加したアクション映画の現場でも、スタッフが現場で立ったまま眠ってましたからねw 今時こんな過酷な労働環境、世界中を見渡しても無いんじゃないでしょうか?
それを思うと、多少のアラはあっても文句つける気にはなれないです。格闘技ファンの人から見れば、まだまだ甘いのかも知れませんが……
もちろん、そんな贔屓目だけで素晴らしいと言ってるワケじゃありません。この映画にはアクション以外にも……ていうか、アクション以上に目を見張るべき見せ場があるんです! 私が本作のDVDをレンタルしたのは、ハッキリ言ってそっちがメインですw
このブログの常連読者さんなら、次回の記事でどんな画像がアップされるか、もうお分かりですよね?w
(つづく)
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