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『警視庁殺人課』#01

2018-11-23 11:23:09 | 刑事ドラマ'80年代









 
☆第1話『復讐のバラード』

(1981.4.13.OA/脚本=掛札昌裕/監督=中島貞夫)

警視庁に新設された「殺人課」が、密かに発注してた改造拳銃三挺を、普通の乗用車で輸送中に襲撃され、奪われちゃいます。

↑問題点があまりに多過ぎて、どこからツッコんで良いやら分かんない事件ですw

その直後に殺人事件が発生、使用された拳銃は殺人課が密造した拳銃と断定されます。

「シィイーッツ !!」

ニューヨーク市警でアメリカ流の捜査を学んだ、殺人課リーダーの「ミスター」こと五代警部(菅原文太)は怒りに燃えます。

怒る前に反省すべき点が山ほどあるしw、発音が良過ぎるせいかシット!がセックス!にしか聞こえないんだけどw、誰も彼を責めようとはしません。理由は、ミスターだからです。

拳銃を奪われた張本人である「秀才」こと虎間刑事(三田村邦彦)はさすがに落ち込みますが、ミスターは全く動じません。

「ヘイ秀才、気軽にやれよ。大リーガー見てみろ、エラーした後にケロッとして大ファインプレーして見せるじゃねえか。HA HA HA HA HA!」

野球でエラーしても人は死にませんから、問題の深刻さが比較にならないワケだけど、ミスターにそう言われると秀才もケロッと笑顔になっちゃいますw 理由は、ミスターだからです。

捜査の結果、警備会社に勤める田中一郎という男(石橋蓮司)に容疑が絞られます。

そして、その田中の就職時に保証人を買って出たのが、元刑事でミスターの同僚だった関口英一(千葉真一)である事実も判明。ミスターは数年ぶりに関口と再会します。

現在は小さな自動車整備工場を営む関口は、先輩のミスターを慕っていたようで、再会を喜びます。

かつては優秀な刑事で、殊に射撃はミスターを上回る腕前を誇る関口が、なぜ刑事を辞めたのか? その理由を問うミスターに、関口は煮え切らない態度で話を逸らします。

「そう言えば、可奈子さんには申し訳ない事してしまってるんですよ。ボーナス貰ったらギターをプレゼントするって約束してたんです。ボーナス前に警察辞めちまったもんですから……」

可奈子とは、ミスターと二人暮らしの妹=五代可奈子(里見奈保=後の鶴田さやか)のこと。足が不自由で車椅子生活を送っており、ミスターの渡米期間は関口が何かと面倒を見ていたようです。

「あの約束、憶えててくれたのね」

ミスターからギターの件を聞いて嬉しそうな可奈子は、もしかすると関口のことが好きだったのかも知れません。

さて、事件の方は急展開。色々あって田中一郎を追い詰めた秀才が、やむなく田中を射殺します。

そして「田中一郎」は偽名であった事が判明します。まさか「田中一郎」なんていう、如何にも偽名くさい偽名を犯罪者が使うとは誰も思いませんから、その裏をかいてつけた偽名なんでしょうw

彼の本名は、関口健二。そう、ミスターと同僚だった関口英一の弟なのでした。

偽名を使ったのも、拳銃を奪った目的も、彼ら兄弟の父親を自殺に追い込んだ者たちに復讐するため。

父親が自殺した理由は会社経営の悪化だけど、実は言葉巧みに騙して大金を支払わせた人間たちがいる。

上越新幹線の開通に伴い、所有する土地の莫大な値上がりが予想され、それを狙った組織ぐるみの詐欺に、父親は引っ掛かったのでした。

2人目の犠牲者が出て、死んだ健二以外にも犯人がいることが明白になり、ミスターの表情が曇ります。

そう、主犯は元刑事の関口であり、もう1人の弟=和夫(大葉健二)も共犯者だった。法では裁き切れない父親の仇を討つ為に、関口は警察を辞めたワケです。

健二に続いて和夫も秀才に射殺され、独り残った関口は、ミスターの目前で最後のターゲットを仕留め、無人の球場へと逃げ込みます。

「関口! 復讐は終わったんだ! お前とは撃ち合いしたくねえ!」

しかし関口は、ミスターに銃口を向けます。

「殺人課の拳銃で事を起こせば、最後はあなたが出て来てくれると信じてました」

そう言って微笑み、関口は引金を引きますが、次の瞬間、ミスターの必殺44マグナム弾を食らい、スタンドの座席上を5メートル以上も転がり落ちます。さすがはジャパン・アクションクラブ総師!

息絶えた関口を見下ろし、ミスターは呟きます。

「外したな。外さなきゃお前の方が速かったぞ……」

どうやら関口は、わざと的を外してミスターに撃たれた。復讐を終えたらミスターに射殺されることを、最初から望んでたようです。

復讐は完遂されましたが、関口三兄弟は全員、殺人課の刑事に射殺された事になります。警視庁殺人課とは、殺人事件を捜査する課ではありません。人を殺す課だから殺人課なのです。(うそw)

虚しさを噛み締めながら自宅マンションに帰ったミスターを、新品のギターを抱えた可奈子が嬉しそうに出迎えます。

「ねぇ、見て! 関口さんが送ってくれたの」

「そうか」

「関口さん、いつ遊びに来てくれるの?」

「…………」

ミスターは何も答えず、グラスにウイスキーを注ぎ、テラスの窓から夜の街を眺めるのでした。(おわり)

小林亜星 作曲によるエンディング主題歌『眠れ都会よ』を唄うのは勿論、菅原文太さん。

命中精度と殺傷能力を高めた特殊拳銃を、警視庁が密造&密輸し、それを催涙スプレー1つで簡単に奪われちゃう発端を除けば、ごくありがちなストーリー。

なれど、菅原文太とサニー千葉の対決となると、やっぱさすがに見応えがあります。あれだけのオーラを持ったスターって、今はいませんから。

しかも千葉さんの弟が石橋蓮司と大葉健二、警視庁の本部長が鶴田浩二、捜査一課長が梅宮辰夫と、脇を固める面子が濃すぎますw

お蔭で肝心の殺人課メンバーたちが印象に残らないんだけど、まだ初々しい三田村邦彦さんの熱血刑事ぶりや、本作がデビュー作となる一色彩子さんの、ストーリー上は全く必然性が無い、まさに「サービスショット」としか言いようが無い、おっぱい出しヌードは必見です。

何より、44マグナムをぶっ放す文太さんが毎週見られるんだから、ホントつくづく良い時代でした。(乳首)
 

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