ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『さらば あぶない刑事』

2024-05-29 21:45:13 | 日本映画

今週末に『帰ってきた あぶない刑事』を観に行きます。5月19日の記事『M10 大下勇次モデル』に届いた「驕りと怯え」さんからのコメント=さっそく観に行かれての熱すぎる感想を読んで、居ても立っても居られなくなりました。

件の記事に「諸事情あって劇場へ出かけるのは難しい」と書いたのは、平日は仕事でヘトヘトだから当然ムリだし、土日は認知症の母が家にいて放っておくワケにいかないから。映画館がすぐ近くにあれば何とかなるけど、なにせ田舎暮らしなもんで映画1本観に行くだけでも半日がかり。

だけど、裏技がある。母には申し訳ないけど、介護施設でのショートステイを今週だけ延長してもらえば、土日は自由に動ける。当然2日分の料金が上乗せされるリスクも伴うけど、たまには私だってガス抜きがしたい!

そんなワケで、今回はプロローグ。旧ブログ(変態事務局に封印されました)にて2016年2月にアップした、前作『さらば あぶない刑事』の感想記事を(少しばかり修正と注釈を加えて)以下に再掲載します。





やっと観に行けました。公開から1ヵ月近く経っても上映中なのは、けっこうヒットしてる証拠ですよね。

最近のシネコンは客の入りが少ないとすぐ打ち切りますから、地味だけど良質……みたいな作品がクチコミでヒットすることは、まず有り得ない。宣伝面で有利なTV局映画の一人勝ちで、内容の良し悪しは関係ないワケです。破滅です。

この『さらば あぶない刑事』も典型的なTV局映画で、主要キャストの皆さんが過去に無い露出度でプロモーションに励んでおられたので、ヒットして当たり前と言えば当たり前。

だけど、今回はギャグを抑えてハードボイルドな作風に回帰してるって言うし、鷹山(舘ひろし)&大下(柴田恭兵)の定年退職直前の3日間を描いたストーリーってのも面白そうで、内容面にも期待が持てました。

やっぱり自分が若い頃に楽しんだドラマの(今度こそ)完結編だし、映画秘宝のムック「にっぽんの刑事スーパーファイル」発売にも背中を押されました。

思えば、私が愛した「刑事アクション」というジャンルの、日本においてこれが最後の作品になるワケです。いや、日本だけじゃなくて、ハリウッドでもポリスアクション物はかなり減ったように思います。

『さらば あぶない刑事』イコール「さらば 愛しき刑事アクション」。本当の意味での刑事ドラマは、これで完全に絶滅しました。

そういう意味でも感慨深いし、年齢を重ねた鷹山&大下は、実に味わい深くなってます。この映画、良かったですよ! 期待以上でした。観に行った甲斐がありました。



まだ公開中(2016年2月当時)ですからストーリーには触れないでおきますが、とにかく既に還暦を越えてる舘さん&恭兵さんの、昔と変わらない切れ味鋭いアクションを見ただけで、なんだか胸が熱くなるワケです。正直言って涙が出ました。



そして、敵役の吉川晃司さんがまた素晴らしかった。実にハードで凶悪で格好良くて、作品世界をピシッと引き締めてくれました。面白いアクション映画の絶対条件です。



鷹山の恋人を演じた菜々緒さんも良かった。いくつ歳が離れてるのか知らないけどw、あの若さで、あの舘ひろしの相手役がサマになるんだから相当なもんです。

課長になった透(仲村トオル)も歳を重ね、ボケ役にも深みが出て来たし、最大の問題児である薫(浅野温子)も、今回はシリアスな展開の中で程良い息抜きの役割を果たしてくれたように思います。



我々もあの怪演に慣らされちゃったし、今や大ベテラン女優となった温子さんが相変わらずの狂騒ぶりを見せてくれるのには、むしろホッとしたりもして。

「あぶデカらしくない」とも言えるシリアスな展開の中でただ1人、いつも通りの薫なんですよね。今さらシリアスに(というか普通の人間に)戻ろうとしてもムリだし。

ここまで全てを好意的に受け止め、素直に楽しめるようになったのは、私自身が歳を取ったせいもあるかも知れません。お馴染みのキャストが年齢を重ねた姿に共鳴しちゃうんですよね。

そして『あぶデカ』の長い歴史の裏側に、自分自身が歩んで来た年月の記憶があるワケです。



何しろ、同じキャストで丸30年ですよ! 『太陽にほえろ!』や『西部警察』がいくら復活したところで、メンバーを変えちゃったら全くの別物。何の感慨もありません。

同じキャストで(ブランクはあれど)丸30年っていうのは、ほとんど奇跡です。ちょっと他に例が無いんじゃないですか?

そんなワケで『さらば あぶない刑事』、私は存分に楽しめました。楽しんだし、刑事アクションというジャンルとの惜別に今、ちょっと感傷的な気分も味わってます。



☆2024年5月の追記。

そのあと小栗旬くんが頑張って『BORDER』と『CRISIS』で刑事アクションドラマの進化型を見せてくれたから、決して「絶滅」したワケじゃなさそうだけど、一世を風靡したと言えるのは『あぶない刑事』がやっぱり最後でしょう。

8年ぶりの復活に関しては「驚かなかった」とM10の記事に書きましたが、この『さらば〜』の記事を読み返すと感傷に浸ってる自分がちょっと恥ずかしいですねw

ちなみに『さらば〜』は鷹山&大下がニュージーランドで探偵事務所を開設して幕を下ろしました。つまり正確には、透が予告編で言ってる通り新作で帰ってくるのは“あぶない探偵”です。


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2 コメント

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Unknown (ムーミン)
2024-05-30 18:01:14
私は実はあぶデカはテレビシリーズは最初見ていなくて、たまたま劇場版を見てその面白さを知りました。
太陽好きの私はその軽さに嫌悪感がありました。劇場版を見て、食わず嫌いだった、もっと早く見ておくべきだったと後悔しました。あぶデカは何も考えずに楽しめる本当にエンターテインメントだと思います。あぶデカの劇場版は割と見ていて、「まだまだあぶない刑事」までは見ました。原沙知絵の悪女ぶりが格好よく、水川あさみがキュートでした。「さらば あぶない刑事」は未見です。「帰ってきたあぶない刑事」はヒットしているみたいなので、見てみたいですね。
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Unknown (harrison2018)
2024-05-30 19:40:38
私は逆に最初のTVシリーズにはハマったけど劇場版(2作目は好きだけど)で冷めて行っちゃったクチで、『踊る大捜査線』もまったく同じパターンでした。で、その『踊る〜』も今年復活するんだとか。

しかし原点回帰を果たした『さらば あぶない刑事』はとても良かった! もし『帰ってきた〜』を観に行かれるなら、必ず予習として『さらば』は観ておいて頂きたいです。
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