’80年代アイドル特集の第4弾は、大場久美子さん! ……と読んで違和感を覚えた方は、たぶんアラフィフ以上w 歌手デビューが’77年でドラマ『コメットさん』の大ヒットが’78年、そして女優業への専念を発表されたのが’79年ですから、正確に言えば大場久美子さんは’80年代じゃなくて’70年代のアイドル。
けど、まぁいいじゃないですかw 御本人も認めておられたのでハッキリ書くけど、あんなに音痴な方のレコードが飛ぶように売れたんだから、これほどアイドルらしいアイドルも他にいなかったワケで、今回のラインナップから外せませんでした。
私は石野真子さん推しだから久美子さんには萌えなかったけど、親友のHが当時萌え萌えだったもんで、気になる存在だったし『コメットさん』もよく観てました。
で、Hと私が共に推してたテレビ番組が『太陽にほえろ!』で、真子さんは出てられないのに久美子さんが出られたもんで、何だか負けたような気になったもんですw
以前に世良公則さんとの共演があった縁によるキャスティングらしく、久美子さんは後にやはり世良さんメインの第577話『探偵ゲーム』にも違う役でゲスト出演されてます。
刑事ドラマは他に『特捜最前線』#436 (2時間スペシャル) や『さすらい刑事旅情編 II 』#10、『ララバイ刑事’93』#10、『はぐれ刑事純情派VII』#03、そして『SP/警視庁警備部警護課第四係』#01 等にもゲスト出演。シレッと歌手復帰もされたし、心理カウンセラーも務めてられるけど、堅実に女優業を歩まれてる印象です。
☆第535話『ボギーのいちばん長い日』
(1982.12.10.OA/脚本=小川 英&大川俊道/監督=山本迪夫)
’82年は殉職者3名 (いくらなんでも死にすぎ!)、転職者1名、新加入者3名とまさに激動だった七曲署捜査一係。
それでようやく落ち着きつつあった12月当時のメンバーは、ボス(石原裕次郎)、山さん(露口 茂)、ドック(神田正輝)、ジプシー(三田村邦彦)、ボギー(世良公則)、ラガー(渡辺 徹)、そして着任したばかりのトシさん(地井武男)。
ドック、ラガー、ジプシーは女性誌やアイドル誌で「ミワカン(三田村・渡辺・神田)トリオ」と呼ばれ、さらにボギー=世良さんも加わると「かわせみカルテット」なんて命名され、すっかりアイドル扱い。
ちょっと前から庶務係のナーコ(友 直子)が出なくなり、翌年春にロッキー夫人の令子さん(長谷直美)がマミー刑事になるまで女性レギュラー皆無の状態が続いて、男性視聴者にはやや居心地悪い時期だったかも知れません。
実際、私はファン引退を本気で考えてたけど、世良さんのボギー刑事があまりに魅力的だったお陰で踏みとどまりました。(本格的にファン離れが進んだのは、ボギー殉職→マイコン登場のタイミングでしょうw)
さて今回、ストーリーは言っちゃ悪いけど「ザッツ’80年代!」な他愛ないもんなので、サラッと進めます。
ボギーがドックと2人で張り込み中、覆面パトカーにベンツが追突して来ます。運転してた若い女=堀川真梨(大場久美子)は悪びれもせず「交差点から5メートル以内に停めてるそっちが悪い!」と言い張るんだけど、相手が刑事と判った途端に姿をくらませちゃう。
七曲署に着任してからすでに4回も減俸処分を食らってる問題児=ボギーは、これ以上給料を減らされないよう「刑事らしい刑事になる!」と誓ったばかり。
で、ちゃんと測ってみたら真梨が言った通り、交差点から5メートル以内に覆面車を停めてたこと(つまり道交法違反)が判り、刑事らしく謝罪して車の修理費を弁償すべく、彼女の行方を探します。
そしたらベンツの持ち主が真梨ではなく、矢野(中井啓輔)という弁護士だったもんだから驚いた! それで矢野に事情を聞きに行ったら、ベンツは「知り合いに貸した」の一点張りで何だか様子がおかしい。
さらによく調べたら、どうやら真梨は高級車ばかり狙う窃盗の常習犯らしい! そう、真梨が盗んだ矢野のベンツには、警察に知られちゃいけない危険なブツ(今回の場合は覚醒剤)が隠されてた。よくあるパターンです。
で、孤児院で育った真梨は、弟と2人で町の小さな自動車修理工場で長年お世話になっており、経営難に苦しむ工場長(奥村公延)に何とか恩返しすべく、覚醒剤をネタに矢野弁護士から大金をユスり取ろうとしてる。これもよくあるパターン。
だけど矢野の後ろには当然ヤクザどもが絡んでおり、工場長が殺され、弟も拉致されて最悪の事態に。
弟を救うため、問題の覚醒剤を持って取引に向かう真梨に、ボギーが食らいつきます。
「やめて! たった1人の弟よ。誰にも邪魔なんかさせない!」
「誰が邪魔するって言った!? クビになっても構わん! 今お前たちを守れるのは、世界中で俺1人なんだ!」
刑事らしい刑事になるって誓ったばかりなのに、弱者を見ると放っておけず、ついルールを無視して暴走しちゃうボギー。そこが彼の魅力なんだけど、そんな性格が災いして後に命を落とすことになっちゃいます。
しかし今回はそんな重要な回じゃないのでw、非常にアッサリした銃撃戦でライトに解決しちゃいます。
せっかくのボギー編なんだから、もっとアクション描写に力を入れて欲しかったけど、これも女性視聴者の嗜好を意識した結果なのかも知れません。
それと、後に『ベイシティ刑事』や『クライムハンター』等で相当なガンマニアであることがバレちゃう世良さんも、この時期はまだボギーのキャラに「射撃が大のニガテ」なんて設定したりして、興味ないフリをしてましたからw
いや、もしかすると当時は本当に興味なかったけど、共演者のドック=神田正輝さんに感化されてオートマ拳銃のトリコになっちゃったのかも?
いずれにせよ、下手くそを装いつつも、やっぱり拳銃がサマになり、いくら三枚目を演じても絵になっちゃう世良さんなのでした。
「ボギーさん、やったね!」
もちろん弟は無事に救出され、さんざんボギーと喧嘩してきた真梨もすっかりゴキゲン。長年お世話になった工場長が死んじゃったことはケロッと忘れてますw ザッツ’80年代!
さて、またもや暴走しちゃったボギーだけど、’80年代だけにボスも寛容になりました。
「まぁ、時と場合によるからな」
「じゃあ、今回はお咎め無しの、減俸も無し!?」
「しょうがねえだろ。減俸5回なんてデカ、この一係から出せるか」
「えっ? 今まで3回じゃなかったですか?」
「4回だ! アタマ痛えよ」
ああ、他愛ないw 数少ないかも知れない若い読者さん、これが’80年代です! 良くも悪くも! いや、悪くはないか。みんながノホホンと暮らせた、平和で、希望がある世の中でした。
だって、音痴を自認するアイドル歌手が堂々とテレビ番組で唄い、ヒットを飛ばしてたんだから。誹謗中傷なんて誰もしないし、むしろみんな楽しんでたし。
人間、余裕があれば優しくなれる。やっぱり、いい時代でした。それに尽きます。
2 コメント
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- Unknown (ムーミン)
- 2022-02-23 00:10:41
- 大場久美子さんは可愛くて演技もうまいのに歌はどうしょうもなく下手でしたね。吉沢秋絵と変わらないくらい下手です。最近BSの歌番組で歌っているのを見ましたが、やっぱりひどかったです。天は二物を与えませんでした。真子ちゃんは演技力もあったけど歌も割と上手かったですね。さて大場久美子さんの足の裏はしっかり見れましたが、倉田まり子さんの貴重な足の裏はつま先が切れていました。うーん惜しいですね。
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- Unknown (harrison2018)
- 2022-02-23 00:19:37
- 私がトリミングしたワケじゃないんだけど、なんかすみませんw 足の裏と言っても爪先がポイントなんですね。
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