









2016年の秋シーズン、NHKの土曜夜10時「土曜ドラマ」枠で全7話が放映されたミステリードラマ。好評につき2018年春に続編となる単発スペシャルも放映されてます。
2013年にウクライナで制作&放映された大ヒットドラマのリメイクで、世界各国でリメイクが進む中、この日本バージョンが一番乗りなんだそうです。
なんと、人並み外れた嗅覚で殺人事件を捜査するという、画期的なアイデアの刑事ドラマ!……と言いたいところだけどw、とっくの昔に多部未華子主演『デカワンコ』という傑作が我国には存在します。
ただ、アバンギャルドなコメディでありつつ『太陽にほえろ!』はじめ昭和の刑事ドラマへのオマージュだった『デカワンコ』とは雰囲気が違い、こちらはハードボイルドな探偵小説のテイスト。コミカルなんだけどスタイリッシュで、登場する車はオシャレだし、ロケーションも音楽も渋くてカッコいい!
阿部 寛さん扮する主人公=華岡信一郎は、刑事でも探偵でもなく、特殊な重要犯罪の捜査に限って駆り出されるコンサルタント。
その嗅覚は『デカワンコ』の花森一子をも凌駕し、匂いの細かい成分まで嗅ぎ分け、匂い主の性別や年齢、生活習慣、感情までも全て言い当てちゃう。
もちろん変人でw、そんな華岡に振り回される中年独身マザコン刑事=小向達郎に扮するのが、香川照之さん。がっつり組むのは今回が初めてという、このコンビの掛け合いが最大の見所になるかと思います。
ほか、耳鼻咽喉科の女医に井川 遥、華岡の別れた元妻に板谷由夏、娘に水谷果穂、小向の母に吉行和子、小向が所属する警視庁特別捜査支援室の室長に野間口 徹、同僚刑事に竹森千人、馬場 徹、高橋メアリージュン、といったレギュラーキャスト陣。スペシャル版には元FBIのプロファイラーとして波瑠さんも捜査に加わります。
さすがNHKドラマだけあってハイクオリティーだし、お金もかかってます。
嗅覚に限らず「特殊能力を持った刑事(あるいは探偵、医者)」は日本のTVドラマ界に溢れ返っており新鮮味は無いんだけど、このハードボイルドな世界観に浸るだけでも充分楽しめます。涙の押し売りも無く心地好いです。
アクション描写にも力が入ってて、時に銃撃戦も見られます。S&W M19の2.5インチ・スクエアバットという、香川さんの使用拳銃も何気にマニアック。
もちろん偏屈男をやらせたら日本一の阿部寛さんが遺憾なく発揮する偏屈ぶり、それに振り回される「結婚できない男」香川照之さんとの凸凹コンビ等、笑いどころもしっかり押さえてくれてます。
謎解きに興味なくても掛け合いだけで楽しめるキャラクタードラマとして、これはオススメ。セクシーショットは偏屈男をも惑わす本作のマドンナ=井川遥さんです。
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