ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『キャリア/掟破りの警察署長』2016

2019-11-19 00:00:06 | 刑事ドラマ HISTORY







 
2016年の秋シーズン、フジテレビ系列の日曜夜9時枠で全10話が放映された、フジテレビ&共同テレビの制作による警察ドラマ。

東京・北町警察署に署長として赴任したばかりのキャリア警視正=遠山金志郎(玉木 宏)が、自ら町に出て庶民のピンチを救う、刑事ドラマ版『遠山の金さん』といった趣。

そんな署長と対立するノンキャリアのベテラン刑事に高嶋政宏、新米刑事に瀧本美織、その同僚に白州迅、平山祐介、勝矢、副署長に柳沢慎吾、キャリア警視監に近藤正臣etc…と、地味ながらも堅実なレギュラーキャスト陣。

警察署長を主人公にしたドラマは過去にもあるし、人情系の捜査ドラマゆえ、展開はほぼ先読み出来ます。私が求める目新しさ、サプライズは期待出来ないし、おかしな部分も少なくないんだけど、好感度の高さと安定感で、観ると癒されるドラマになってます。

イジメやDV、ストーカー被害など、庶民がSOSを発信しても警察がなかなか応えられない現実を憂い、どんどん現場に出て小さな声を拾おうとする主人公のキャラクターが、玉木宏さんの飄々とした佇まいにピッタリで、とても魅力的です。

そんな署長をサポートする新米刑事役の瀧本美織さん。ハツラツとしながら爽やかな色気も漂わせて、ずっと観ていたくなる吸引力があります。朝ドラ『てっぱん』の時は何も感じなかったのにw

そして高嶋政宏さんの極端な武骨さがまた、物腰柔らかな玉木さんと実に対照的で面白い。

刑事ドラマはやっぱり、謎解きよりもキャラクター(そしてキャスティング)が肝心。安易に話題性を狙う事なく、ちゃんとしたものを創ろうとする姿勢が本作には感じられます。

ただ、小さな出来事が大きな事件と繋がってることを示す展開が、ちょっと初回は強引すぎましたw

で、これはけっこう致命的な弱点かも知れないのが……

飄々として腰の低い玉木さんが初めて、署長という身分を悪人たちに明かすクライマックス。桜吹雪の入れ墨、あるいは黄門様の印籠よろしく、玉木さんが警察バッジ(桜の代紋)を振りかざし「この桜に誓って悪事は見逃しません!」って、クサい台詞を決めるw

さすがに「ははあーっ!」って、相手がひれ伏すまではいかないんだけど、初回では犯人のボンボン学生とその父親(町の権力者)が、「ええっ? しょ、署長ぉーっ!?」ってw、腰を抜かさんばかりに驚き、観念してました。

これを言っちゃあ、お終いなんだけど……所轄署の署長に、それほどの威厳があるんでしょうか?w 『踊る大捜査線』で言えば、初代が北村総一朗さんで二代目がユースケ・サンタマリア君ですよ?w

それ以前に『太陽にほえろ!』の時代から、所轄の署長と言えば本庁の言いなりで、そのくせ部下にはガミガミと口うるさいだけの、どちらかと言えば小者として描かれて来ました。

現実は違うのかも知れないけど、我々視聴者にはそういうイメージが定着してますから、めちゃくちゃ違和感があるんですよね。だからこれ、企画として根本的に失敗してるような気がしてなりません。

でも、そういうチグハグさがチャーミングだったりもする。挑戦しなければ失敗もしないワケで、何もかも無難に定型通りに収めようとする、例えば裏番組の日曜劇場なんかよりよっぽど魅力的です。

皆さんにオススメするのはやめときますがw、私個人としては応援したい番組です。
 

コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ムーミン)
2019-11-19 19:22:03
私はこれ好きで見てました。いいと思ったんですが、あまり評判になりませんでしたね。玉木宏と瀧本美織名コンビでしたよ。テレ朝でありそうな人情ものでしたね。
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Unknown (harrison2018)
2019-11-19 21:43:47
決して悪くないのに、やっぱり署長という肩書きに悪人がひれ伏しちゃう設定にムリがあり過ぎたんだろうと思いますw 玉木さんも瀧本さんもホント良かったですよね。
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