ああ、バカバカしいw 観れば観るほどアホらしいw
けど、それをスター俳優さんたちが大真面目に演じてくれる楽しさは、昨今のテレビ番組じゃ決して味わえないもの。相変わらずツッコミどころ満載だけど、だからこそ癒やされるんですよね。
さあ一体、どんな風にバカバカしくてツッコミどころ満載なのか、サブタイトルを読んで頂ければすぐに分かりますw
☆第319話『香港カラテ 対 北京原人』
(1981.7.18.OA/脚本=高久 進/監督=山口和彦)
なぜ「北京原人」だったのか?と近年のインタビューで訊ねられて、脚本担当の高久進さんは「ネタが尽きたんだよ!」と答えておられましたw
お話は、第二次世界大戦中に行方不明となった「北京原人の化石」の一部が発見され、骨董品コレクターに売れば数十億の値がつくって事で、香港ギャングたちが血眼になって手に入れようとする。その争奪戦に日本人観光客が巻き込まれ、Gメンが救出に向かうというもの。
要するにそれまで麻薬や宝石でやってた話を「北京原人の化石」に置き換えただけ。誰も北京原人と闘ったりはしませんw
’81年といえば冒険活劇『レイダース/失われたアーク』が公開された年ですから、その影響もあったかも知れません。が、あの映画のアーク(聖櫃)みたいに神秘的な力があるワケじゃなく、ホントただの化石ですから、やってることは100%いつも通りの『Gメン’75』香港カラテシリーズです。
だから、いつも通りヤン・スエ(あるいはヤンシー)さんがメリメリメリ!と悪役で登場、もちろん最後には殺されます。この番組でいったい何回死んだか数え切れませんw
もう1人、リー・ホイサンって人も香港ギャングの幹部としてご登場! とにかくこのお二人、すぐ裸になりたがります。
で、争奪戦に巻き込まれたのは女性Gメン賀川刑事(范 文雀)の弟=大介(下塚 誠)。広州を旅行中にバッグをすり替えられ、北京原人の化石をそうとは知らずに密輸し、警察とギャングの両方から追われ、拘束され、拷問されと散々な眼に遭います。
そして大介からSOSを受けた姉の賀川刑事が、田口刑事(千葉 裕)&マリコ寺岡刑事(セーラ)と3人で香港へと駆けつけます。
もちろん、地元の指揮官である周警部(河合絃司)が非協力的でGメンと対立するのもお約束。
何だかんだあって、香港ギャングが賀川刑事に、警察が押収した大介のバッグすなわち「北京原人の化石」と大介の身柄の交換取引を持ち掛けて来ます。
確かに、これが麻薬や宝石だと何の変哲もないストーリーなのに「北京原人」ってワードが1つ入っただけで面白そうに感じてしまう! これぞマジック!(錯覚!)
だけど周警部が化石を金庫にしまいこみ、意地でも出してくれないもんだから、仕方なくGメンたちは手ぶらの丸腰で、香港ギャングの強者たちと対峙する羽目になります。
そこで待ち構えるは、筋肉がいちいち唸るヤン・スエと、ちょっとイケメン風の謎めいた空手使い=レイモンド・タング! 敵組織にこういうヤツがいれば、ほぼ間違いなく潜入捜査官ですw
千葉裕さんも范文雀さんも頑張って雑魚ども相手に立ち回りを見せてくれますが、やっぱり此処はカンフーの本場、見劣りは否めません。
あっという間に追い詰められたGメン、絶体絶命! と、その時! 謎の僧侶がさっそうと現れた!
「コジキ坊主に用は無い。失せろ!」
「そっちに用は無くてもこっちには有るんだ!」
「あっ! 雲の上を飛ぶドラゴン!!」
マリコ刑事は知っていた! 格好良いのか悪いのかイマイチ判んないその僧侶は、前回の香港カラテ編で大活躍し、アクション監督まで務めた「ブルース・リャン」扮する元・香港警察の凄腕捜査官=張雲竜! 日本語に訳すと雲の上を飛ぶドラゴン! 長い!
「よーし、ここで脱いでやる!」
「待て! まだ乳首は出すな!」
「俺の名はタイガーのように勇猛な将軍だ!」
訳すと長い! どうせ潜入捜査官に決まってるイケメン風の彼の名は、葉虎将!
「オレが相手になってやるぞ、雲の上を飛ぶドラゴン!」
「望むところだ、タイガーのように勇猛な将軍!」
全然知らん香港のオッサンどうし、どっちが勝とうが負けようが正直どーでもいいけど、次回につづく。
マリコ寺岡刑事役のセーラ(セーラ・ロウレル)さんは、当時20歳ぐらい。アメリカ人と日本人のハーフで、ファッションモデルとして12歳からご活躍。’79年に深夜番組『11PM』のカバーガールを務めて注目され、この『Gメン’75』のレギュラーに抜擢されました。
刑事ドラマは他に『鉄道公安官』#27と『西部警察 PART II』#13へのゲスト出演あり。'87年に結婚&引退されたけど2009年にタレント復帰。ところがその直後に見つかった癌で、’11年に他界されました。合掌。
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