ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『警視庁殺人課』最終回

2022-09-19 17:10:04 | 刑事ドラマ'80年代

昭和の刑事ドラマがお好きな方なら、観たこと無くてもきっとご存知のはず。今や伝説となった『警視庁殺人課』最終回です。

なぜこれが伝説になったのか、ご存知ない方に驚いて頂くため、今その理由は書かないでおきます。最後まで読んで頂ければ解ります。

前編=第25話が1981年9月28日、後編=第26話が10月19日の放映。前後編なのに期首スペシャル番組を挟んで2週も間が空いてる!っていう事実に、当時の人気の無さが伺えちゃいます。

だからこそ許されたのかも知れない、ヤケのやんパチのラストエピソード! 脚本=中島貞夫&掛札昌裕、監督=竹本弘一という布陣です。




幼稚園児たちを乗せた送迎バスが、拳銃と手榴弾を所持する男2人組にジャックされた!

そんな卑劣なことする極悪人は、石橋蓮司と市川好郎に決まってます!



ヤツらの要求は、警視庁殺人課により既に逮捕されてる、銀行強盗仲間の辻萬長と大西徹也を釈放すること。



さすがは最終回、敵の顔ぶれも豪華です。そして彼らを操る首謀者は、辻萬長の愛人にして大西徹也の姉である、左時枝!



ふだんは幸薄い被害者の役が多い左さんだけど、なかなかどうして悪役もキマってます。ご本人もきっとノリノリだった事でしょう。



殺人課主任の「ミスター」こと五代警部(菅原文太)は強行策を志願しますが、人質の安全を最優先したい田丸刑事部長(鶴田浩二)に牽制されます。

なにしろ、ジャックされたバスに幼稚園児たちと一緒に乗ってる引率者=森山先生の父親は、レギュラーキャストに名を連ねながらこれまで一度も本編に登場しなかった、ディック・ミネ氏なのです。



しかも森山先生は、妊娠8ヶ月の身重だった! おいっ!?



さらにそのバスの運転手は心臓病を患ってて、いつ発作を起こすか判らない! おいおいっ!?



おまけに、バスのエアコンが故障中なのに飲料水も用意されておらず、炎天下のなか全員熱中症になりかけてる! お〜ういっ!!!



さすがは東映作品!としか言いようないムチャな状況下、一刻も早くバスを止めないと大変なことになっちゃう!

さすがに田丸部長も強行策に傾くんだけど、リスクを恐れる警察上層部が断固許してくれません。

強盗一味を全員逮捕できなかったことに責任を感じてるミスターは、クビを覚悟で部下たちに言います。

「殺人課の存続を賭けて、俺たちの手でバスを止める!」



さて、ここからが伝説の始まり。まず、バリケードを張ってバスを止めようとしたベテランの「ビショップ」こと額田警部補(中谷一郎)が、そのままバスに跳ね飛ばされ、あえなく殉職。



跳ねられて宙をとぶビショップの髪の毛が、急に伸びた気がするのはもちろん錯覚です。

それで怒ったミスターが愛車ポルシェ356をかっ飛ばし、強引にバスを止めようとするも、石橋蓮司に撃たれて崖下へと転落!



ポルシェが急に国産車と入れ替わったように見えるのも、きっと錯覚です。当たり前です。

で、運転してたミスターの生死が不明のまま前編が終了し、ハラハラしながら観た次回予告に、元気いっぱいで活躍するミスターが映ってるように見えたのも錯覚なんです。

そして後編。心臓病のドライバーがついに発作を起こし、産気づいた森山先生と園児たちを乗せたまま暴走するバスを止めるため、肉体派の「チャンス」こと村木刑事(関根大学)がJAC仕込みのスタントで乗り込んだ!



言うまでもなく、銃を持って待ち構えてた石橋蓮司と市川好郎の凶弾を浴び、最期にキメ台詞も言えないままチャンスも即死!

こうして2人の刑事を犠牲にしてもなお、動こうとしない警察上層部に見切りをつけた田丸部長は、独断で左時枝と交渉し、人質交換の約束を取り付けます。

そこにタイミング良く、我らがミスターが帰って来た! ビショップはバスにちょっと跳ねられただけで死んだのに、主役は車ごと崖下に転落してもカスリ傷。これぞ芸能界の序列システム! 誠意って、なにかね?



かくして伝説はクライマックスを迎えます。ぽっくり逝ったオジサンに代わる運転手としてミスターが、妊婦や園児たちに替わる人質の1人として「エンジェル」こと眉村刑事(一色彩子)が、決死の覚悟でバスに乗り込むのでした。



そして「秀才」こと虎間刑事(三田村邦彦)が機動隊の猛者たちを従え、輸送トラックからバス内に突入し、ハリウッド映画『スピード』よりも10年早い人質奪還作戦を決行!



当然ながら車内は修羅場と化し、エンジェルが市川好郎の卑猥な弾丸を浴び、おっぱいを見せずに絶命!



さらに秀才が、第1話で撃ち殺したはずの蓮司と再び対決、ほぼ相撃ちとなって絶命!(実は蘇生してジプシー刑事になった説もあり)



最後はもちろん、ラスボスの左時枝と我らがミスターの一騎討ち!



秀才が遺したコルト・ガバメントでバスを横転させるも、ミスターは何発もの銃弾を浴び、もはや主役の意地だけで立ってる状態。ライフルで左時枝にトドメをさした田丸部長と向き合います。



「五代。人質は全員、無事に救出したぞ」



「そうですか……よかったです」



「部長……少し疲れました……ひと眠りさせて下さい」

「…………」



サブタイトルは『警視庁殺人課 全員殉職!』。それが伝説となった理由。確かに、空前絶後でしょう。

これぞノンストップ・アクション!と呼べる内容で、『スピード』のみならず『ローグ・ワン(スター・ウォーズ外伝)』なんかも連想させられます。元ネタは日本映画『新幹線大爆破』あたりでしょうか?

とにかく最後は華々しくやろうや!っていう菅原文太さんのご提案だったそうで、まさしくその通り、派手に散ったあとには何も残らない内容w アクションドラマなんだから、それで良いのだと思います。

キメキメのスーツやポルシェが文太さんには似合わない!って声も多いけど、『トラック野郎』や『仁義なき戦い』のシリーズをほとんど観てない私からすれば、それほど違和感はありません。

私にとって石原裕次郎さんは永遠に七曲署のボスだし、勝新太郎さんはガッツ警視、杉良太郎さんは加納主任。そして菅原文太さんはあくまで、ニューヨークかぶれの警部ミスターなんです。



そんなワケで最後のセクシーショットは、やっぱりこの人。エンジェル役の一色彩子(采子)さん!

おっぱいサービスはシリーズ序盤のみだったけど、本当に心から感謝してます。ご本人は間違いなく不本意だったでしょうけどw、こうして丸40年経った今でも視聴者から感謝されるなんて、どんな名演技をしたって有り得ないですよ!

女優デビューがこの『警視庁殺人課』のレギュラーで、刑事ドラマは他に『私鉄沿線97分署』『迷宮課刑事おみやさん』『誇りの報酬』『あぶない刑事』『あきれた刑事』『ベイシティ刑事』『ジャングル』『刑事貴族3』『はぐれ刑事純情派』『はみだし刑事情熱系』『刑事追う!』『相棒』etc…と多数ゲスト出演。まさに刑事ドラマの申し子と呼べる女優さんです。


 

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『太陽にほえろ!』#462

2022-09-14 22:22:11 | 刑事ドラマ'80年代

ゴリさん(竜 雷太)に、ボインぼよよ〜ん!な新恋人がデキちゃいます。演じるのは、前年放映の『走れ!熱血刑事』でもボインぼよよ〜ん!だった、水沢アキさん。

フェロモン満開の水沢さんが堅物プロデューサー=岡田晋吉さんの好みだとはとても思えず、もしかしたら竜雷太さんのご指名だったのかも知れません。



☆第462話『あなたにその声が聞こえるか』

(1981.6.19.OA/脚本=小川 英&尾西兼一/監督=竹林 進)

ストーリーは至ってシンプル。殺害されたと思われる男性の白骨遺体が河原で発見され、その頭蓋骨から生前の顔を復元すべく、ゴリさんは法医学の権威である戸田教授(草薙幸二郎)を訪ねます。

そこで教授に紹介されたのが、耳が不自由でボインがぼよよんな助手=麻生晴子さん(水沢アキ)。



ゴリさんの眼がランランと輝きますw

その美貌とボインもさることながら、科捜研のマリコさんにも負けない、法医学に懸ける晴子さんのまっすぐな情熱にこそ、ゴリさんはノックアウトされた模様。

戸田教授も太鼓判を押す彼女になら、安心してカービング(復元作業)を任せられそうです。



ところが! 数日後にゴリさんが経過を尋ねに行くと、晴子さんの様子がおかしい。ゴリさんと眼を合わせようとしないし、何より、初めて逢ったときに感じたまっすぐな情熱がすっかり消えている!

しかも、晴子さんが復元した顔と、刑事たちがモンタージュ技術で予測した顔とがあまりにかけ離れてる!



晴子さんにいったい何があったのか? それを知る為に……そう、決してお近づきになってお乳をモミモミする為じゃなく、あくまで捜査の為に、ゴリさんは手話を猛特訓するのでした。



アパートを訪ねて来たゴリさんに手話で挨拶されて、晴子さんは嬉しそう。相手がスコッチ(沖 雅也)かドック(神田正輝)ならもっと嬉しかったかも知れませんw



すっかり晴子さんのハートをつかんだゴリさんは、単刀直入に想いを伝えます。



「早速ですが、おっぱいを」



「揉ませて、頂けませんか?」



「帰れぇーーっ!!」



もちろん、ゴリさんは諦めません。ゴリさんのゴリは、ゴリ押しのゴリなんです。



「それでは、せめて……」



「片乳だけでも」



「揉ませて、ください」



「しねえぇーーっ!!」

……というのは実は冗談で、晴子さんは、あの頭蓋骨の主である男性を殺したヤクザたちに、違う顔をつくれと脅されてたのでした。そうしないと、晴子さんが親しくしてる近所の子供たちが殺されてしまう!

言わば人質をとられた状態で、晴子さんは命令に従うしかなかった。誇りにしてたカービングで、でたらめな顔を作ってしまった晴子さんは、もう法医学の仕事を辞めると言い出します。

「辞めちゃいけない、こんな事で! 誰かに脅されたくらいで誇りを失っちゃいけない!」



「誰に脅されたか言って下さい。僕は、あなたを、守ります!」



「石塚さん……」

ゴリさん、二枚目ですなあ!w つくづくスタッフに愛されてるというか、岡田プロデューサーからエコ贔屓されてるw だから茶化したくなるんです!

で、警察の動きを察知したヤクザたちは、件の頭蓋骨もろとも晴子さんを抹殺しようとします。助けに来たものの手が届かないゴリさんに、晴子さんは手話でメッセージを送るのでした。



タクシーを拾って逃げた晴子さんをヤクザたちは執拗に追い、いよいよ廃屋へと追い詰めます。



絶体絶命の晴子さん! そのとき、彼女の脳裏に浮かんだのは「お乳を揉ませてください」じゃなくて、「あなたを守ります」と手話を交えて約束してくれた、あの人の声!



勿論、もうあかん!殺られる!っていうギリギリのタイミングを見計らって、颯爽と駆けつけたゴリさんがヤクザたちをフルボッコ。惚れないワケがありません。



「声が、聴こえました! 石塚さんの声が! あなたを守る、助けに行くという声が!」



「じゃあ、お乳を」

 

 

「揉んでいいんですね?」




「はい。いっぱい、揉んでください!」



茶化してすみませんw だってやっぱり、カッコ良すぎる。美味しすぎるんですよ!

これからはいつでもどこでも好きなだけ、晴子さんのおっぱいを揉み放題なんだから、そりゃこんな風に浮かれちゃうワケです。 ↓



もちろん人でなし番組ナンバーワンの『太陽にほえろ!』が、タダでそんな美味しい想いをさせるワケがありません。

「あなたの声が聴こえた!」っていうセリフは、1年後の「ゴリさん殉職編」でもう一度、晴子さんが口にすることになります。

今回のは抽象的な意味だったけど、殉職編の場合、撃たれて虫の息となったゴリさんの「最期の言葉」を聴こうとする、晴子さんの必死な想いが聴覚障害を乗り越えて「本当に声が聴こえた!」っていう奇跡を起こします。

それを想定した上での伏線なのかどうか分からないけど、リアルタイムで観たときは「ちょっとクサいなぁ」程度にしか思わなかった件のセリフが、今はとっても含蓄あるように感じてグッと来ちゃいます。

なお、このエピソードは国際障害者年にちなんで、ワイプ画面で手話通訳が入るという、当時の(今でも?)刑事ドラマとしては画期的な手法で放送されました。ほんと生真面目な番組です。

それをさんざん茶化してホントすみませんw セクシーショットはもちろん、水沢アキさんのボインぼよよ〜ん!です。


 

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『太陽にほえろ!』#460

2022-09-12 18:45:10 | 刑事ドラマ'80年代

前回(#459)からいよいよボス(石原裕次郎)が不在となり、スコッチ(沖 雅也)も先んじて戦線離脱。番組始まって以来のスクランブル体制となった七曲署捜査一係の陣頭指揮は、ナンバー2の山さん(露口 茂)、そして西山署長(平田昭彦)が務めます。



第460話『スニーカーよ、どこへゆく』

(1981.6.5.OA/脚本=尾西兼一&小川 英/監督=山本迪夫)

ガソリンスタンドの店主が暴行され、死亡。かねてから被害者と折合いが悪かった、元非行少年の店員=佐藤浩(中西良太)に容疑がかかります。

で、刑事として成長著しいスニーカー(山下真司)がいち早く浩を見つけ、尋問しようとしたら彼が逃げたもんで、緊急逮捕します。



しかし決定的な証拠はなく、警察嫌いの浩はのらりくらりと山さんの追及をかわし、スニーカーを苛立たせます。

確たる根拠もなく浩を犯人と決めつけることに、先輩のドック(神田正輝)やローキー(木之元 亮)は疑問を挟むんだけど、スニーカーは聞く耳を持ちません。



そんなスニーカーが退勤後の帰り道、駅前で署名活動する若者たちと出くわします。彼らは、警察の高圧的な取調べにより自白を強要された、とある殺人容疑者の無実を訴えてるのでした。

で、スニーカーにも署名を求めてくるんだけど、相手が刑事だと知った途端に眼つきが変わっちゃう。彼らにとって「権力の犬」たる警察官は、たとえその事件とは無関係でも憎い、誰より信用ならぬ敵なのでした。



そんな眼で見られたことにスニーカーはショックを受け、ふと、浩を問答無用で逮捕した自分自身を振り返ります。

駅前で貰ったビラには「取調べた刑事たちにとって、そのときの被告は殺人鬼でしかなく、同じ人間ではなかった」と書かれてる。果たしてオレは、浩を同じ人間として見てただろうか?



スニーカーは、浩とチョメチョメ関係だった圭子(平野真理)に会いに行きます。

「佐藤浩が犯人であってもなくても、あいつの事をもっとよく知っておきたいんだ」

真摯にそう訴えるスニーカーに、圭子は浩とチョメチョメするようになったキッカケを打ち明けます。

かつて、色々あって自暴自棄になってた圭子は、走って来た大型トラックに飛び込もうとしたけど、たまたま自転車で通りかかった見知らぬ青年が、身体を張って助けてくれた。それが浩。

競輪選手を目指してた浩は、そのときに足を負傷し、夢を断念する羽目になったのに、いっさい圭子を責めないどころか、彼女にこう言って励ました。

「人生、大事にしろよな」



「オレが尊敬してる先輩刑事も、昔そう言った。人生、大事にしろって……」

そう、かつて荒れてたスニーカーが刑事になろうと決めたのは、殉職した田口刑事=ボン(宮内 淳)に言われた、その一言がキッカケでした。



「あの人……浩を逮捕したかな……」

人を騙すくらいなら騙された方がマシと言う、ボンみたいな刑事になりたかった筈なのに、今のスニーカーは……



「オレはカッとなった……ただカッとなって、権力を振るったんだ」

まぁ、ボンもかなり短気だったから実は一緒かも知れないけどw、それは知らぬが仏。とにかく今の自分に絶望したスニーカーは、刑事を辞める決意を固めます。



これで3度目。同じような壁にぶち当たっても、先輩刑事たちはそんなすぐには辞めなかった筈。この辺の描写にも時代の変化を感じます。

で、鎧であると同時に鎖でもあった国家権力を捨て、解放されたスニーカーは、こっそり浩を釈放して行動を共にするのでした。



「なんのマネだよ、オレは釈放されたんだろ?」

「釈放はオレの独断だ。厳密に言うとお前は脱走したことになる」

「はあっ?」

「それにオレは脱走幇助。オレたちは共犯なんだ」

浩が犯人じゃないなら、あの時なぜ逃げたのか? なぜ無実を晴らそうとしないのか? 彼が送検される前にそれを確かめたいスニーカーだけど、勝手に脱走犯にされた本人はたまったもんじゃありませんw



どうせ何かの罠だろう、芝居だろうと、浩はスニーカーを信じません。学校や職場でさんざん悪事の濡れ衣を着せられて来たトラウマで、権力を持った人間には「虫酸が走る」と彼は言う。

「オレもそう思った。自分に虫酸が走ったんだ」

ボンと出逢い、人間的で素晴らしい仕事だと思って刑事になったスニーカー。

「だけど2年経って気がついてみたら、容疑者追っかけて手錠をぶち込むのに無我夢中で……もうそれしか無くなってた」

「…………」

「結局、デカはオレの柄じゃなかったんだよな。もう人を追っかけ回すことも無いと思うとホッとするよ」



「……本気なのかよ? オレが本当に犯人だったらどうすんだよ?」

スニーカーは、浩のチョメチョメパートナーから話を聞いたことを打ち明けます。

「お前は彼女に生きることを教えた。自分の一生の夢を犠牲にしてな。そんなヤツが人を殺すワケがないんだよ」

「そんな浪花節を信じるっつーの?」

「確かに浪花節かも知れん。だがオレはそう信じた。信じたかったんだ」

「はっ、青春感動路線かよ。1人でやってろ、バカ」



さすがは後に熱血教師役でブレイクするスニーカー。1つの林檎を2人で噛り合ったり、見つけて追ってくる先輩刑事から一緒に逃げたりして、まさに青春ドラマの手法で浩の心を開かせ、ついに真相を聞き出します。

浩には、修(中村好男)という学生時代からの親友がいて、お互いどんな時でも味方になると誓い合ってた。

で、今回の事件で殺されたGSの店主が、浩を一方的に解雇して退職金も払わなかったことを知り、修はひどく憤慨していた。

浩が逃げたのも無実を主張しなかったのも、修が犯人かも知れないと直感したから。案の定、浩との密会場所に現れた修は「殺す気はなかったんだ」と犯行を認めます。



「修! 自首するんだ!」

そう叫んで現れたスニーカーを見て、警察に「売られた」と誤解した修は、浩にナイフを向けます。

「解らないのか、修! お前を庇おうとした浩の気持ちが、お前には解らないのかっ!?」



命懸けで浩を守り、身体ごと修にぶつかって行くスニーカーを見て、泣き虫先生の誕生を予感せずにいられない浩なのでした。



修が逮捕され、事件は解決したものの、拘留中の容疑者を脱走させたスニーカーの罪は、リアルに考えれば懲戒免職に値するでしょう。

それをスーパースターのオーラだけで食い止めてくれるボスが不在で、西山署長もどう処理してよいやら困り顔。何よりスニーカー本人が自分のやったことを許せてない。

そんな時、無罪放免となった浩が一係室を訪ねて来て、スニーカーに言います。



「刑事、辞めないでくんねえか?」

「…………」

「辞めんなよ。……頼む」

「……ムリ言うなよ。オレにはもう、人を逮捕するのが商売のデカって仕事は……」

そんな会話を、あのいぶし銀のマダムキラーが立ち聞きしてないワケがありません。

「それなら辞めろ。だがな、みんなが嫌がってたら、そのツラい仕事をいったい誰がやるんだ?」



かつてボンが辞表を出したときも、ボスがオーラを撒き散らしながら「辞めたいならオレは止めん」とゲキを飛ばしました。知らず知らず、尊敬する先輩刑事の轍を踏みながら、一歩一歩、着実に成長するスニーカーなのでした。



実に『太陽にほえろ!』らしい一編で、中西良太さん(ハマり役!)の好演も相まって見応えある作品になりました。

#442『引金に指はかけない』の片桐竜次さん、#447『侵入者』の志賀勝さんに続いて、今回もマッドポリスのメンバーが良い仕事をしてくれました。

加えて今回は、ゴリさん(竜 雷太)から聞き込みを受ける工場員役で、デビュー前の渡辺徹さんがテスト出演!



実に自然な演技で、ラガー刑事になってからよりも上手い!w

ラガーのオーバーアクションは、やたら「まっすぐな芝居」にこだわる『太陽〜』演出陣の注文を、徹さんが素直に聞きすぎた結果であることがよく分かりますw

この時から本格デビューまでの間に徹さんは緊張しすぎて、ガリガリに痩せて登場しちゃうもんだから、よけいに後の肥満ぶりが際立つんですよね。イイ人なんですよホントにw



そして今回のセクシーショットは、圭子役でゲスト出演された平野真理さん(のちに香野麻里と改名)。以前レビューした#445『人質を返せ!』に続く2度目のご登場につき、今回プロフィールは割愛します。


 

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「驚愕! 顔パンツ社会」

2022-09-10 22:10:05 | 日記

すっかりマスク生活に馴染んだ今の子供たち、特に女の子は、マスクがイヤどころか「外したくない」らしいですね。素顔を見られるのが恥ずかしいから。

そんな子供たちを我々オトナが非難できるワケがありません。人をまずルックスで値踏みするような価値観を、さんざん植え付けて来たのは我々なんだから。



昨夜観た『探偵!ナイトスクープ』に、若いお母さんから「娘にマスクを外させて欲しい」っていう、コロナ時代ならではの依頼が来てました。

我々世代はもう、驚愕することばかりです。依頼者の娘さん=仮称Aさん(中学一年生)は家の中以外じゃ頑なにマスクを外さないもんで、顔が上半分だけ日焼けしてツートンカラーになってる!(スキー焼けの逆バージョンですね)

さらに驚くべきことに、交際中のカレシにも素顔を見せたことがないと言う!

そのカレシ=仮称Bくんは、マスク姿のAさんに「一目惚れ」して告白してくれたそうで、だから余計に素顔を見せたくないとAさんは言う。幻滅されるのが怖いから。

おまけに、AさんもBくんの素顔を見たことが無い! つまり2人は、お互いの素顔を知らないまま交際してる! Bくんもまた幻滅されるのが怖いワケです。

本人たちの身になって考えれば、人生でいちばん外見を気にする年頃でしょうから、そういう事もあるかも知れません。いや、既にこれが普通になってると認識した方がいいのかも?



で、番組のクライマックス。公園でAさんとBくんがマスクを外し、本当に恥ずかしそうに、初めてお互いの素顔を見せる。

なんだか知らないけど私は泣いちゃいましたよw 過去に例がない種類の感動です。いや、『シラノ・ド・ベルジュラック』とか『街の灯』に通じるものはあるかも?

その結果、2人がどうなったかはネタバレになるんで書かないけど、もし本当に幻滅しちゃったら悲劇ですよね。ルックスなんて気にならないほど惚れ合ってるなら良いけど……

ま、どのみち恋なんて、いずれ必ず冷めますけどねw しょせん大事なのは顔でも性格でもない、マネーですよマネー!w



眼が見えない人どうしのカップルが成立するなら、ずっとマスクしたままの恋愛も有り得るはず。チョメチョメだって出来なくはないし、セックスレスのカップルも増えて行くだろうし。

コロナを境に恋愛の形が変わっちゃうなんて、まるでSFみたいだけど、現実に結婚や出産が当たり前じゃなくなりつつあるし、価値観は変わっていくもの。

マスク恋愛やバーチャルセックスなんかもきっと、そのうち当たり前になるんでしょう。それを「ニセモノだ!」なんて批判するのは、早く結婚しろだの、子供はまだかだの言う「うざい」人たちと同じこと。そうはなりたくないもんです。


 

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「生きたい!」

2022-09-09 23:23:33 | 日記

父がまた入院しました。こないだ終末期の老人を描いた映画をレビューしたばかりなもんで、びびりました。

『西部警察』の初回レビューをアップした翌日に渡哲也さんが亡くなったりとか、このブログでは度々そういうことが起こるんですよね。

そうでなくても、父は1年以上前から重度の心不全で「いつ亡くなってもおかしくない」って主治医の先生に言われてますから、容態が悪化したと聞くたびに「いよいよか」って、毎回身構えちゃう。

で、介護施設の医療担当者が毎回聞いて来るんですよ。救急車呼びますか?それとも看取りますか?って。



こうして入退院を繰り返して、そのたび老人にはハードであろう検査を受けて、無理に生かせるのも可哀想かも?って思いがあるから、私も迷うんですよ。

本人にとってどっちがラクなのか、私には判らない。ずっとそばで見てる施設の人か、お医者さんに決めて欲しいって正直思う。けど、あの人たちは責任が持てないから、家族に決めさせなきゃいけない事情も解る。

認知症の母にも、正月しか帰って来ない兄にも、そんなことは決められないし、決めさせたくない。だから私しかいないワケです。

そりゃ「入院させて下さい」って言うほか無いですよ。放置しましょうなんて言えるワケがない!



しかし、前述の通り「いつ亡くなってもおかしくない」父なのに、治療すれば復活するんですよね。主治医の先生も「驚異的な生命力だ」って、いつも驚いておられる。

もう歩けないし字も読めない、自分で食事も出来ない、まともなコミュニケーションも出来ない。生き甲斐なんてとっくに失ってる筈なのに、その「生きる意欲」は一体どこから湧いて来るんだろう?

もしかしたら、認知症がどんどん進んで考える機能を失ったお陰で、もはや「つらい」とか「しんどい」とかいう概念が無くて「生きたい」っていう本能的な欲求だけが残ってる?

よく言われる「赤ちゃんに還る」っていうのはそういうことかも? だとしたら、本人にとっては今が一番幸せなのかも知れません。

死後の世界と同じですよね。自分がそうならないと知りようが無い。

とりあえず、本人が生きようとしてる限り、それを止めることは私には出来ません。出来るワケがない!


 

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