2023年冬シーズン、フジテレビ系列の月曜夜10時枠でスタートした、関西テレビ制作による連続ドラマ。SMAP解散後初となる草彅剛くん主演ドラマで『銭の戦争』『嘘の戦争』に続く「戦争シリーズ」第3弾!
OBも含むジャニーズの中で、二宮和也くんと並んで私が一番好きなアクターが草彅くん。このシリーズも観てました。
どこが好きって、「静かに燃える男」をこれほどカッコよく演じられる人って(ジャニーズに限らず)今そんなにいないと思うワケです。
今回、草彅くんは国会議員(それも与党大臣)のすこぶる有能な秘書で、普段はこんな穏やかな顔をしてるけど……
愛する息子が何者かに歩道橋から突き落とされ、意識不明の重態となり、それを与党大臣から「事故だった事にしろ」と圧力をかけられ、脅されて、こんな顔になっちゃいます。
「あいつらに、教えてやる……踏みつけられたら、どれだけ痛いか! 教えてやるっ!!」
その大臣もまた上から圧力をかけられてる、ってことは相当なBIG BOSSがバックに潜んでる。けれど草彅くんはひるまない。
「弱いヤツには、弱いなりの戦い方がある!」
最初の敵となった内閣府特命担当大臣に、本田博太郎。その腰巾着の政策秘書に、田口浩正。
強い味方になりそうな二世代議士に、小澤征悦。
敵にも味方にもなりそうな厚生労働大臣に、片平なぎさ。
恐らく最大の障壁となるであろう与党幹事長に、岸部一徳。
この人が演じるからにはラスボスになりかねない、天下の総理大臣=高橋克典!
草彅くんの手足になって動いてくれる秘書仲間に、すっかり大人っぽくなった小野花梨!
その相棒となる秘書見習いに、杉野遥亮。
議員スキャンダルが欲しくてたまらない雑誌記者に、宮澤エマ。
そして誰より近しい味方となる草彅くんの妻に、井川遥!
大筋の展開は誰にでも読めます。どんなに巨大な敵が待ち受けようと、最後は必ず草彅くんが勝つ。100%ハッピーエンドに決まってます。
あえて、そう読めるように創られてるんですよね。視聴者が安心して観てられるように。『半沢直樹』や『ドクターX』を例に挙げるまでもなく、今、視聴率を稼ぐにはそれが一番なんです。ドキドキハラハラはもう要らない!
……って、新書『映画を早送りで観る人たち』に書いてありましたw つまり今の若い人たちは、主人公がピンチになったり痛い目に遭ったりするストーリーが大嫌い。勝つ場面しか観たくないワケです。
だからこの『罠の戦争』第1話も、振り返れば草彅くん自身は痛い目に遭ってない。重傷を負ったのは息子だし、大臣を罠にかけた実行犯は花梨ちゃんやエマちゃんだったりする。
若者ウケするライトノベルズなんかも、男の主人公は動かないで美少女戦士に戦わせるパターンが主流なんだそうですw 主人公(つまり読者自身)は司令を送るだけで、いっさい痛い思いをしない。
いやいや、自分が痛い目に遭ってどん底から這い上がり、特訓して苦戦して最後にやっと勝利してこそカタルシスが得られるんちゃうの?って、皆さん思いますよね? それはもう時代遅れなんですw
今の若い子らは、先にファスト映画やネタバレサイトで結末を見て、自分にとって快適なストーリーであることを確認してから本編を観る。特訓シーンとかあろうもんなら全部早送りですよ!
そんな時代を如実に反映したドラマになりそうな『罠の戦争』です。
けど、よくよく考えれば『水戸黄門』だって『サザエさん』だって、そして我らが『太陽にほえろ!』だって、国民的人気を得たのはどれも毎回ハッピーエンドが約束された作品ばかり。
安心して観てられるか、気分よく観終えられるかの方が、面白いかどうかより大事なんですよね、昔から。それがより極端になったと言うか、せっかちに結果を求めるようになっただけで。
仕事で疲れて帰った夜に観るのは、確かにそんなドラマの方がいい。一介の秘書が政府の大物たちをやっつける話なんだから、そりゃ痛快に決まってます。
我々の感性は衰え、頭がどんどん悪くなっちゃうかも知れないけどw、そこは本(大人向けの)を読むなりして補えばいい。テレビはあくまで娯楽、見世物で良いんじゃないでしょうか?
2023年冬シーズン、日本テレビ系列の土曜夜10時「土曜ドラマ」枠でスタートした、日テレ&AX-ON制作によるオリジナル脚本のサスペンスドラマ。
鬼の面を被った謎の武装集団によって占拠された大病院で、休職中の刑事が人質を救うため犯人に立ち向かう、ご存知『ダイ・ハード』の令和日本バージョン。と言っても『ダイ・ハード』ってもう35年前の映画なんですね! おいちょ待てよっ!?
しかし、ターゲットは我々じゃない。とにかく若い世代に「だけ」アピールしたいテレビ業界の必死さが、この武装集団のビジュアルにもよく表れてます。
もし私が若い世代なら、かえってガキっぽく感じて萎えそうだけど、何でもかんでも「ゲーム感覚」にしないとウケないっていう、創り手側の思い込みですよね。案の定、リーダー格が「さあ、鬼ごっこを始めましょう」とか言ってたし。ダサっ!😩
だから、シチュエーションは『ダイ・ハード』そっくりでも、本質は全然違うと私は見ました。
『ダイ・ハード』はそもそもアクション映画ですからね! つまり悪党どもを片っ端からぶっ殺すヒーローの話なんです。秀逸な設定と緻密な脚本が高評価を得たけど、それもこれも悪党どもに気持ちよく死んでもらう為のお膳立て。だから殺さなきゃ意味がない。極論でも何でもなく、大前提だと私は思ってます。
現在の地上波テレビでやる以上、主人公が犯人を片っ端からぶっ殺すことは有り得ない。どうせ政府か警察上層部が糸を引く「意外な真相」とか「身内に潜む裏切者」を視聴者に予想させる「謎解きゲーム」がメインになるに決まってます。
1クール引っ張るにはそういう要素も必要だろうけど、そうして引っ張った末に「はい、謎が解けました」で終わっちゃうドラマの、一体どこを楽しめばいいのか私には解らない。
言うまでもなく、暴力や殺人を肯定するつもりは全くありません。だけど人間(特に男性)の奥底にはそういう欲求が必ず潜んでる。それを疑似体験で発散させるのがアクション物の役割であり『ダイ・ハード』はその典型なんです。それを真似する以上、犯人は全員殺さなきゃいけない。主人公の手によって!
↑なのに、神奈川県警捜査一課強行犯係の警部補である主人公=武蔵三郎(櫻井 翔)は、1年前の事件で犯人を死なせちゃったトラウマにより心を病み、休職中で妻子とも別居中という設定。よりによって!w
どっかで吹っ切れて、犯人をバンバンぶっ殺してトラウマ克服!とは絶対ならんだろうから、期待しようがありません。
↑対照的に初回から超カッコ良かったのが、その別居中の妻である心臓外科医の裕子(比嘉愛未)。当然、武蔵と絆を取り戻していくドラマが縦軸になるんでしょう。
↑で、対策本部の指揮を執るのが捜査一課特殊班(SIS)の管理官で、武蔵と同期生だった和泉警視(ソニン)。
驚きました。元「EE JUMP」のボーカルで裸エプロンのPV(カレーライスの女)が話題を呼んだ、あのソニンさん! 舞台女優として活躍されてたんですね。
↑捜査支援分析センター(KSBC)の情報分析官=駿河警部補(宮本茉由)。
↑ほか、SISの相模警部補(白洲 迅)、SATの丹波管理官(平山浩行)、KSBCの志摩分析官(ぐんぴぃ)といった対策本部のメンツ。
↑そして彼らに司令を下す県警本部長=備前警視監を演じるのが、渡部篤郎さん。となると黒幕に決まってるワケだけどw、さすがに今回は裏をかいてシロかも知れません。
↑たまたま現場に居合わすジャーナリストの因幡由衣(明日海りお)。
↑たまたま居合わせたワケじゃなさそうな県知事の長門さん(筒井真理子)と、占拠された界星堂病院の播磨院長(津田寛治)。
↑そして如何にも犯人グループと繋がってそうな院長秘書=石見カナ(中村映里子)、といったレギュラーキャスト陣。
あと、覆面を被った犯人たちを誰が演じてるのか、それを当てるのもゲームの一環になってるみたいです。
そうしてあの手この手で話題作りする、努力の姿勢は買いたいんだけど、それでホントに若い連中は喜んでんのかなあ?って疑問も沸いて来ます。
話があまりにテンポ良く進みすぎて、溜めとか間がいっさい無いのもどうなん?って思う。緊張感まで無くなっちゃって、ホント全てがゲームにしか見えない。だったらYOU、片っ端から殺しちゃいなよ!って。どうせゲームなんだから!
櫻井くん、カッコよく映ってるけど初回はなんもしてませんw
そんなワケでセクシーショットは比嘉愛未さん、明日海りおさん、宮本茉由さん、そして裸エプロン時代のソニンさんです。
『イナズマン』は『仮面ライダー』『キカイダー』等と同じ石森章太郎 原作による特撮ヒーロー物だけど、ブームが下火になりつつあった時期の番組で視聴率には恵まれず、この『イナズマンF(フラッシュ)』は続編というより「テコ入れ」によるタイトル変更だったみたいです。
だけど前作でレギュラーだったガキンチョどもやヒロインが排除され、イナズマンに変身する主人公=渡五郎(伴 直弥)の味方がインターポール捜査官=荒井誠(上野山功一)の1人しかいないハードな世界観が、かえって大人の鑑賞に耐える作品を数々生み出し、後にカルト的な人気を得ることになりました。
確かに、私が東映チャンネルに契約してから観た数本は「子供だまし」と決して言えない面白さがあり、まるでATG映画みたいに渋い回もあったりして、認識を改めました。
正義側のレギュラーがおっさん2人しかいないお陰で、メインゲストに若い女優さんが起用されがちなのも功を奏してます。
この第17話『青い瞳のインベーダー』は特に私好みで、ちょっとウルッと来ちゃいました。本放映は1974年8月13日、山田哲久&楢岡八郎 両氏の共同脚本による作品です。
海辺に打ち上げられたゴムボートにひとりの美少女(郷田ジュン)。このシチュエーションだけで私は「うひょ〜!」ってなっちゃいますw
で、それを見つけた地元の荒くれ男どもが寄って来る。ま、まさかっ!?
「おいっ、やっちまおうぜ!」
期待通りに、いや心配した通りに、少女が襲われます。こいつら、悪の組織「デスパー」の回し者かと思いきや、ガチで女に飢えた普通のオッサンどもだったりする。こども番組やでっ!?
しかしまぁセオリー通り、そこに我らが渡五郎&荒井誠が通りかかり、野郎どもを蹴散らして我々をガッカリ、いや安心させてくれます。
2人がここへやって来たのは「未確認飛行物体」の目撃情報をキャッチしたから。当時、UFOと超能力が空前の大ブームで、あらゆる作品に影響を与えてました。
2人に気を許した少女は、イグアスという星からUFOに乗ってやって来たんだと打ち明けます。名前はクリスティーヌ。
数ヶ月前に友好使節として地球に送られた「ジェット」という男が消息を絶ち、行方を探しに来たと言う彼女はそいつの婚約者であり、イグアス星の大統領令嬢でもある。
「イナズマン!」
いきなりクリスティーヌに名前を呼ばれ、五郎は驚きます。もちろん、彼女は五郎=イナズマンであることを知りません。
「どうしてその名前を?」
「もし危ない目に遭遇したら、イナズマンと叫びなさいと、父が……必ず助けに来てくれると」
どうやらイナズマンの活躍はよその星でも評判らしく、五郎は今すぐ正体を明かしたい気持ちをぐっと堪え、荒井と2人でジェット探しを手伝うのでした。
ここで、思いがけずクリスティーヌ=郷田ジュンさんがパンティーをサービスしてくれます。
これはどう見ても想定外のパンチラで、現在なら女優さんの所属事務所が許さない事でしょう。当時はフィルム撮影ゆえ現場でチェックすることが出来ず、オンエアを観るまでご本人も気づいてなかったかも知れません。ありがとう!
さて、何だかんだあってクリスティーヌはジェットと再会するんだけど、この男、実はとんでもないクズだった!
地球に着くなり悪の組織「デスパー」入りを志願したジェットは、サイボーグ手術を受けて怪人「ジェットデスパー」に生まれ変わったのでした。
「どういう事なの、ジェット!?」
「オレは元々、お前の事など何とも思っていなかった」
以前からデスパーに憧れてたジェットは、大統領に取り入れば地球に友好使節として送ってもらえると考え、令嬢であるクリスティーヌに近づいた。
「あんな平和で退屈な星がイヤでイヤでたまらなかったんだ!」
どっかの国の志願兵とかテロリストを彷彿させる話です。
しかしこれじゃ、遠い星からはるばる地球までやって来たクリスティーヌがあまりに不憫。なのに昭和のクリエイターたちは容赦しません。
監獄に放り込まれた挙げ句、ヒゲのおっさんと並んで磔にされ、今まさに処刑されようとするクリスティーヌは、無意識にこう叫ぶのでした。
「……イナズマン……イナズマン!」
実にあざといタイミングでヒーロー登場!
「あなたがイナズマン?」
そりゃもう、現れたのが例え温水洋一さんでも惚れないワケに行かんでしょう。
必殺の錐揉みキックでジェットデスパー爆死! だけど昭和のクリエイターは甘くない。戦闘中に流れ弾を受け、クリスティーヌが倒れちゃうワケです。
「イナズマン……私、あなたを信じて地球にやって来ました」
「だが、私はジェットを死なせてしまった……」
「いいえ、あなたの責任ではありません。あなたは、私たちの為に全力を尽くしてくれました」
「…………」
「私は、イグアスへ……父の元へ帰ります。イナズマンも一緒に来て下さい。そして、私の星で一緒に暮らして下さい」
「…………」
「お願い、イナズマン。私と一緒に、イグアスの星に来て下さい」
「……分かった。一緒に行こう」
「私……地球に来て、本当に良かった……」
「クリスティーヌ!」
あまりに可哀想なクリスティーヌ。だけど、かりそめにせよ憧れの人と約束を交わせて、最期は幸せだったかも知れません。
「クリスティーヌは本当に、宇宙からやって来たんだろうか?」
「……誰にも分からないまま、デスパーの犠牲になってしまった……」
当時は特撮にせよアニメにせよ、登場人物をポンポン殺しすぎるきらいがあるんだけど、そうしないと味わえない感動も確かにあるんですよね。
俳優さんの演技がリアル過ぎないのがまた良いんです。クリスティーヌ役の郷田ジュンさんは台詞回しがけっこう棒読みなんだけど、その方が異星人っぽいし、最期のシーンもよりファンタジックに感じられる。だからこそ泣けたりするんです。
『イナズマンF』、昭和の特撮ヒーロー、決してあなどれません。
今年から契約したCS「東映チャンネル」の三本柱は刑事、ヤクザ、そして特撮ヒーローで、毎日が「東映まんがまつり」状態。それも目的の1つでした。
現在のCG特撮じゃ味わえない「手作りの温かみ」が昭和ヒーロー番組の大きな魅力だけど、それともう1つ、子供の頃には気づかなかった「隠し味」とか「裏テーマ」みたいなのを発見する楽しさもあるんですよね。
1973年10月6日に放映された『キカイダー01』第21話は、まさにそういう回。サブタイトルは『吸血の館 美人女子寮の恐怖!! 』、後に『特捜最前線』のメインライターとなる長坂秀佳さんの脚本です。
なにしろ、冒頭からいきなりこんなシーン! 昭和のヒーロー物は基本「こども番組」なのに!
BIG BOSSならぬビッグシャドウ(八名信夫)が率いる大犯罪組織「シャドウ」の狙いは、若い女の子たちの血液なんだけど、いちいちブラウスを剥がしてブラジャー姿にしちゃう、その演出に込められた意図は大人でないと分からない!
キカイダー01ことイチロー(池田駿介)が駆けつけ、1人の女子高生が九死に一生を得るんだけど、翌朝、彼女は学校で吐き気を催し、保健室に運ばれちゃう。
で、たまたま校内にいたヒロインのリエコ(隅田和世)が目撃するんです。女子高生が悪魔の子を出産させられる姿を!
実際には、彼女から採取した血液から敵ロボット「吸血コウモリ」が生まれるワケだけど、だったら彼女を手術台に寝かせる必要が無いし、わざわざ人間(赤ちゃん人形)の姿で生まれて来る必然性もまったく無い!
言うまでもなく完全にレイプの暗喩で、子供には解らないけど親が観たら「おいっ!」ってw、絶対言いますよね。さすが名脚本家!
おまけに赤ちゃん人形が迫って来るビジュアルが絶妙に怖い! これ、もしかしたらハリウッドのホラー映画『チャイルド・プレイ』に影響を与えてるかも?
で、すぐ吸血コウモリに変態するワケだけど、赤ちゃんのままでいる方がよっぽど怖かったw
原典は聖書とかドラキュラなんでしょうけど、レイプや妊娠にまつわる当時の社会問題が反映されてるのかも知れません。
そして悪のヒーロー「ハカイダー」が登場し、女子高生をしつこくレイプ、いや採血しようとします。血液からロボットが生まれる理屈がサッパリ解りませんw
当然ながら正義のヒーローも駆けつけ、あとはバトルになるワケだけど、キカイダーはこのダブルマシン(サイドカー)がとにかくカッコ良かった!
なおもしつこく女子高生をいたぶる吸血コウモリ。子供には解らないエロティシズムがここにある!
もちろんキカイダー怒りの「電磁エンド」であえなく爆死。ハンパない火薬量ですw
というワケでセクシーショットはヒロインのリエコさん。実はアンドロイドであることがもうすぐ(第24話で)明かされ、自ら爆死という結末を迎えます。
演じた隅田和世さんは日活のご出身。だけどポルノ路線に背を向けテレビを主戦場とし、本作のみならず『ダイヤモンド・アイ』の蘭花、『イナズマンF』の大橋あけみ役など、悲劇的な結末を迎える特撮ヒロイン役で知られた女優さんです。
日曜劇場さんがまた、おかしなことを始めましたw TBS系列日曜夜9時の老舗枠、2023年冬シーズンの新作です。
大病院がサジを投げた難病患者を、法外な高額ギャラと引換えに超ハイテク・オペで救う闇医者グループ、人呼んで「仮面ドクターズ」の暗躍を描いた令和版ブラック・ジャック!
天才的なオペ技術を持つ、半白髪の執刀医「エース」こと波佐間永介に、妻夫木聡。
オペ患者との交渉役を請け負う、国際弁護士の「ジョーカー」こと下山田譲に、藤原竜也。
そして凄腕オペナースの「クイーン」こと依田沙姫に、松下奈緒。
若き天才ハッカー「スペード」こと白瀬剛人に、日向亘。
仮面ドクターズの天敵となる、大学附属病院の剣持院長(鹿賀丈史)と、その一人娘=玲於奈(結城モエ)、その婚約者=染谷医師(一ノ瀬 颯)。
同病院に勤務する外科医の橋元(橋本マナミ)と、研修医の台場(長見玲亜)。
仮面ドクターズに見捨てられた副総理(伊武雅刀)の命令により彼らの正体を探る、佐倉課長(矢島健一)率いる警視庁特務捜査課のメンズと、紅一点の菊川刑事(片山友希)。
そして妻夫木くんが営むケーキ屋に足しげく通う女子高生に、これからブレイクしそうな若手女優=當真あみ、といったレギュラーキャスト陣。
今や刑事物と肩を並べる超マンネリジャンルとなった医療物(しかも我が天敵=日曜劇場!)なのに取り上げたのは、リスク承知でなんとか新鮮なドラマを届けようっていう、創り手の必死な姿勢が感じられたから。
それが若者層を取り込む為だとしても、毒にも薬にもならん安全パイを見せられるより全然イイ。笑っちゃうぐらい飛躍して良いんですよ! 例えばこんな覆面とか……
全てA.I.で制御された、いかにも大袈裟なオペ室とか。
タイトルの「Get Ready!」は、妻夫木くんがオペを決断したとき、そのA.I.に掛ける言葉。今どきのコンピュータなら日本語でも通じると思うんだけどw、いちいち英語で命令するのが微妙な笑いを誘うワケです。
なにせメイン演出家が『ケイゾク』『トリック』等の堤幸彦さんですから、狙ってない筈がない。
基本はシリアスタッチだけど、大病院や警視庁の連中は微妙にフザケてるし、特に三石琴乃さん扮する占い師のシーンは堤さん節が炸裂してます。
しかし主役の仮面ドクターズは、余命宣告された患者に「生き延びさせる価値があるか否か」のジャッジを下すワケだから、さすがにフザケてられません。
営業担当者として積極的にオペを引き受けたい藤原くんと、必要以上に高いハードルを課す妻夫木くんとの対立&駆け引きが毎回の見どころになりそうです。
初回は金の亡者だった若きCEO(池松壮亮)がいったんオペを断られるも、初心に戻って頑張る姿が妻夫木くんに認められ、絶望的な死の病から生還しました。
そのへんの浪花節はいかにも「いつもの日曜劇場」で、新鮮味はゼロ。先の展開は読めるし初回15分延長で間延びするしで、私は何度「早送り」ボタンを押しかけたか判りません。
斬新な内容で若い連中を取り込みたいなら、真っ先にその「お涙頂戴」システムから断捨離すべきでは? そこはホント日曜劇場が抱える深刻な病で、早急なオペが必要です。
次回もあからさまに「泣かせ」にかかって来たら、その時点で私は観るのをやめます。100%そうなると分かってて書いてますw(そこが天敵たる所以)
これまで何度も書いて来たけど、ドラマや映画で泣くのは私だって好きなんです。けど、それはあくまで結果であるべきで目的にはして欲しくない。「泣けるシーン」から逆算してストーリーを組むのはやめて頂きたい。シラケるから!
心底つまんなかったら記事にしないワケで、せっかく見所あるんだから頑張って欲しいです、ホントに。
てなワケでフレッシュなポートレートは當真あみさん、長見玲亜さん、片山友希さん。
そしてセクシーショットは勿論みんなの愛人、橋本マナミさんです!