この1月からCS「東映チャンネル」と初めて契約しました。1987年10月から翌年3月までテレビ朝日系列の水曜夜9時枠で放映された、藤竜也&世良公則のコンビによるアクションドラマ『ベイシティ刑事(コップ)』の再放送が始まるからです。
直前に日テレがヒットさせた『あぶない刑事』の亜流と云われがちだけど、高級ブランドスーツ等には目もくれず、ラフで俺ジナルな格好良さを追究した本作は、視聴率には恵まれなかったものの私みたいな「通」に一目置かれる存在となりました。
それは何をやらせても画になる主役コンビの魅力だけでなく、画期的にリアル(というかマニアック)だったGUNアクション描写に因るところも大きい! そりゃ一般ウケはしませんw
特にオートマチック拳銃を扱う世良公則さんの所作が「只者じゃない!」とGUNマニアたちを歓ばせ、それ以降のTVドラマや日本映画におけるGUNアクションを格段にレベルアップさせた功績はあまりにデカい!
一番の功労者は銃器効果担当=納富貴久男さん率いる「BIG SHOT」のマニアたち(もとい精鋭たち)だけど、相当なGUNマニアぶりを隠さなかった世良さんも偉いし、自由にやらせた相方の藤竜也さんも素晴らしい!
この『ベイシティ刑事』は『あぶデカ』よりもむしろ、藤さんが’70年代に出演された日テレ&東宝のドラマ『大追跡』の流れを汲んでると見るべきで、ベースは藤竜也カラーなんですよね。
ヨコハマを舞台に遊び感覚で悪と戦う刑事ドラマのパイオニアは『大追跡』であり、多分その続編企画が色々あって『ベイシティ刑事』に辿り着いた。『あぶデカ』がヒットしたお陰でGOサインが出たにせよ、その亜流と云われるのは不本意に違いありません。
そもそも主役コンビ=小池柾(藤 竜也)と星野秀夫(世良公則)が所属する港町署捜査課「別動班」っていう設定、シャレた探偵事務所みたいな刑事部屋も明らかに『大追跡』の「遊撃班」を継承してます。
他のメンバーは少年課出身の河合あゆみ(石川秀美)と、典型的サラリーマン気質の山崎班長(いかりや長介)だけ。
「ダメだこりゃ。」
ストレス発散用の(?)バスケットボールやゴールネット、サンドバッグ等が常備されたザッツ’80年代な刑事部屋がとても印象的で、後続の刑事物や探偵物に影響を与えたんじゃないでしょうか。
プラス、ちゃんとした捜査課の桜井課長(神山 繁)と、大川ひろし、市川登らが扮する刑事たちも絡んでくるけど、ほぼ背景みたいなもの。それより「ジョン」「マギー」「ケンタロウ」などと愛称がつけられた、別動班メンバーの使用拳銃たちの方がキャラ立ちしてます。
初回ゲストは、後に『刑事貴族』シリーズで刑事を演じることになる、高樹沙耶さん。いや〜、今更ながらお美しい!
強盗一味に生命を狙われる薄幸の美女に、惚れっぽい星野が肩入れするも女性経験豊富な小池は懐疑的で、罠を仕掛けてみたら案の定、彼女こそが主犯で金の独り占めを狙ってた!という、ありがちと言えばありがちなストーリー。
だけど刑事物なんてどれも全てありがちな話で、大事なのは誰がどう演じるか?なんですよね。その点、藤竜也・世良公則・高樹沙耶の組み合わせはパーフェクトで、やっぱ魅せてくれます。
今回はファースト・エピソードってことで、シリーズ通してのヒロイン=あゆみにも、出しゃばって犯人(深水三章)の人質にされちゃう見せ場が与えられました。
この時期のアクションドラマって、ヒロインがみんな頭おかしいですよねw (浅野温子さんだけのことを言ってるのではありませんw)
石川秀美さんは当時21歳。あの河合奈保子さんをボインぼよよ〜ん!と輩出した「HIDEKIの妹コンテスト」で西城秀樹さんご本人の強い推しにより優勝され、早見優や松本伊代、小泉今日子、中森明菜、そして後の夫=薬丸裕英(シブがき隊)らと同期デビュー。「花の82年組」と呼ばれるアイドル歌手の1人として活躍されました。
薬丸氏と結婚された’90年で芸能界はほぼ引退。なので女優としての活動期間も短く、Wikipediaによると刑事ドラマへの出演は(ゲストも含め)本作が唯一だったみたいです。