ペルル嬢(38)
モーパッサン作品集より
Mademoiselle Perle
Maupassant
——————————【38】—————————————————
Je demeurais les yeux baissés, tenant entre deux
doigts ce grain de faïence, m' efforçant de rire et
ne sachant que faire ni que dire, lorsque Cantal
reprit: « Maintenant, il faut choisir une reine. »
———————————(訳)—————————————————
私は、何をすればいいのやら、どんな言葉を掛ければい
いのやら何もわからず、ただ笑顔を見せようとしながら、
豆粒ほどの小さな陶器を指につまんで取出してたものの、
ずっと目を伏せたままでした.そこにシャンタル氏が言
葉継ぎ足しました: 「今度は女王を選ばなくちゃね.」
———————————《語句》—————————————————
demeurais:(半過去1単) < demeurer (自)
(ある場所に)とどまる、残る;
(同じ状態に)いる、~のままでいる
Elle est demeurée silencieuse toute la soirée.
彼女は一晩中黙っていた.
grain:(m)[グラン] ① 穀粒、穀物; ② 粒状の実、
faïence:[ファイヤーンス](f) 陶器
s'efforcer de + 不定詞:~しようと(努力)する
rire:(自) 笑う
reprit:(単純過去3単) <reprendre (他) 再び続ける
言葉を続ける、言葉をつぐ
reine:[レーヌ](f) ① 王妃; ❷ 女王
どちらの意味もあるが、定訳本に従った.
———————————《訳本》—————————————————
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『モーパッサン短篇集』(岩波文庫):女王
『モーパッサン全集』(春陽堂):女王
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