HASSY局長のハサカル日誌

伊勢志摩バリアフリーツアーセンター事務局長HASSYが
日々のハサカル(気になる)出来事など記録していきます。

別当由香選手壮行会無事終(レポートだからとっても長いよ)

2008-06-25 14:01:27 | イベント
22日(日)は、別当選手こと別ちゃんの壮行会でした。
伊勢志摩バリアフリーツアーセンター主催です。

 
横断幕にさりげなくばふ鳥が飛んでいます


なんたって、彼女はツアーセンターの専門員としてバリアフリー調査や、いろんなイベントにも参加してくれています。

そんな彼女が世界の舞台に立つのです。
女子車椅子バスケットの日本代表です。
私たちが祝わなくて、誰が祝うの?


ってことで、ほぼ1ヵ月前の理事会で承認していただき、開催できたわけです。
別ちゃんの詰め詰めのスケジュールの中、急な壮行会になってしまい、出席したくても出来なかった方たちもたくさん見えたことと思いますが、申し訳ありません。
レポートで行った気分になってください。

さて、壮行会の企画を急ピッチで進めて、別ちゃんがモデルをした扇芳閣で開催ということも決まっていましたが、当日一週間前で出席が50名いくかいかないか?ってぐらいでした。
これくらいかな?って思っていたので、予定通り。

そこから着々と進めていた数日のうちに、なんと出席者が急増。
想定外です。
ちょっとあわてましたね。
扇芳閣のハーモニーホールに入らない80人を越えたため、5階の宴会場に移動。
結局当日は飛び込みいれて100人を越えていました。
ビックリです。
でも、それだけ別ちゃんが注目されているということですよね。
うれしいです。

また、参加費が2,000円という値段が出席率を高めたのでは?
その分、扇芳閣さんにはご迷惑をおかけしました。申し訳ありません。
もちろん、この参加費の中には、会場代、軽食代、そして別ちゃんへの記念品や花束、餞別の経費も込みです。
ですから、まさにみなさんで別ちゃんを祝う会なのです。

当日は雨降り。午前中はセンターの総会を行い、午後から壮行会です。
続々と人が集り、別ちゃんへのメッセージカードを書いたりしてくれていました。

 
みんないろんな表現でメッセージを書いてくれていました。受付には扇芳閣の谷口専務まで…。ありがとうございます。


司会は、以前ツアーセンターにいてくれていた榎さんと専門員の玉川ちゃん。
いいコンビです。

榎さんの落ち着いた雰囲気に、玉川ちゃんの自然体のアナウンスが効いています。
ムリを頼んで正解でした。


榎さんと玉川ちゃん大活躍。千枝さん落ち着いている横で私はキンチョーしています。


会場には溢れんばかりの人たちです。
別ちゃんはお母さんと一緒に前の席を設けました。
人ごみに入っても大丈夫なように、車椅子に風船をつけています。

まさにツアーセンター手作りの壮行会開催。

理事長の挨拶に始まり、別ちゃんの紹介は私です。

 
理事長、マキマキ~。私は別ちゃんの紹介です。このとき既に、焦り顔。


100名以上の人が真剣に紹介を聞き入ります。
あの~、講演は何十回としてきて、慣れていますが、講演はみなさんがコチラに注目して真剣に聞くというほどでもありません。
だから、自然に喋れるのですが、今回は違いました。
最初から時間が押していたので、それも気になっていたのですが、100名ものみなさんが正面に注目です。


皆さんの気迫にヤラレましたよ。


き、気迫が凄かったのです。
最初はゆっくり紹介していましたが、最後の方は焦って、焦って、半パニック。
別ちゃんにマイクも渡せず、そそくさと去ってしまった私…。反省。

でも、別ちゃんは凄かったです。
あの気迫に負けないで、堂々と自分を語りました。
さすが、日本代表!です。


今まで聞いた挨拶の中で、上位に入る、感動的なスピーチでした。ありがとう!


この挨拶、すごくよかったです。
途中マイクスタンドがジャマだからどけてと言われて、どけにいってちょっとしたハプニングもあったけど、それがあっても、みんながみんな感動する挨拶だったと思います。

彼女が受傷して、その後の気持ちの変化。
直接聞いた事はあったけど、そのときの気持ち、とても正直な言葉で話してくれた。
途中、溢れる涙を堪えながらの沈黙。
でも、そこの空気はとてもとても暖かかったよ。
きっと受傷して8年あまりの歳月の中での親子関係、友人関係、そして4年前のアテネパラリンピックの選考漏れの悔しさそして今回の喜びが巡ってきたんろう。

なんでも、私が別ちゃんの紹介をしていたときにお母さんが涙ぐみ、それに釣られて泣いてしまったと別ちゃんは言っていたけど、それも理由だけど、彼女の正面にいた人が「車椅子になっても別ちゃんは別ちゃんやよ」と言って、真っ先に病院に駆けつけてくれた友人だったそうです。

それは、泣けるわ。

バスケットの出会いも、タイミングです。
脊髄損傷のバスケットも見たこともあったけど、そのときは自分は障害者じゃないと思っていたので、こんなバスケットはしたくないと思ったいた。
けど、時間が経ってから初めてツインバスケット(頚椎損傷など手も不自由な方のバスケット)を見て衝撃を受たそうです。
手が不自由な人たちが一生懸命真剣にバスケットしているのに手が自由に利く私は何もしていない。

そして、翌日車椅子バスケットの門戸を叩いたんです。

彼女の人生はこの時点ですごくいい方向へ回っていると思います。
バスケットを始めたらお金がかかるということで、就職への意欲も出て、すぐに障害者雇用枠年齢制限ギリギリで県職員を受けて、採用。
バスケットをはじめていなければ、全てタイミングがずれて、今も働いていなかったも知れません。
遅いタイミングでバスケットと出会っていても、就職が困難だったかもしれません。

そして、受傷から8年後北京のパラリンピックへ日本代表として、そして副キャプテンとして世界の舞台に立ちます。


別ちゃんの挨拶で、みんなの気持ちもひとつになり、来賓の挨拶で鳥羽市長、中村進一県会議員、中村勝県会議員の挨拶も終わり、歓談。

 
市長も来ていただき、ありがとうございました。

 


別ちゃん大人気です。
みんな、一緒に写真を撮ったり、サインをもらったり…。
 

  

半分ぐらいは別ちゃんと面識の無い人たちなのに、すぐに打ち解けてしまえる別ちゃんの人柄もGOODです。

 



その歓談中に、国旗への寄せ書きやメッセージカードを書くことを促したり、会場に来ていただいた方に最後のお土産として卓上ポップ(センターで手作りしました)をお渡しすることを案内。



そして、別当選手のプロモーションビデオ上映。
これ、パートナー(副理事長)が作りました。
バックミュージックは女子車いすバスケットの応援歌であるビームンプスの曲と、南伊勢町のメジャーデビューバンドHEAVENが作った「あしたへの勝利」です。

別ちゃんのバスケットの練習風景とツアーセンターでバリフリー調査する様子をまとめてあります。
youtubeにもUPしてあるので、見れる方はぜひ見てみてください。

http://jp.youtube.com/watch?v=LxEsiq2jU88

http://jp.youtube.com/watch?v=TXqP6k8NMB8&feature=related

さて、プロモーションビデオが終わると、ジャジャーン!!
非公式応援キャラクターとして手を上げた観光戦隊イセシマンが登場

 


それぞれがプレゼント持参してくれてきました。
別ちゃん出身の志摩市のシマイエローからは、イセシマンTシャツと志摩スペイン村から提供のキャラクタータオル。



トバブルーからは女性の願いだけを叶える石神さんのお守りとストラップ。



イセレッドは…、なんとお奉行様を連れてきて、安土桃山文化村のタオルをプレゼント。



そして、ワタライガーも、勢い勇んでつれてきたのは、オトコマエなお兄さん。
誰かというと、先ほどプロモーションビデオで流れた「あしたへの勝利」を作ってくれたHEAVENのリーダーの河村さん。



お祝いの言葉をいただきました。

別ちゃんにイセシマンのパワーを注入した後、ツアーセンターから皆さんの会費で用意した餞別と記念品(旅行時には便利な整理ポーチのセット)、そして花束を贈呈。

 



最後に別ちゃんの抱負を語ってもらいました。
もちろん、メダル持って帰ってくることを誓って。
とても、とても楽しみです。
私も、北京まで応援に行く予定。
国旗と横断幕を持って、別ちゃんを今日来てくれた人数分以上応援してきます。

帰りは別当選手を応援しますの卓上ポップと別ちゃんからの記念品、そして別ちゃんが紹介された雑誌NAGIを配って、皆さんを送りました。
それはまるで、別ちゃんの結婚式の予行演習…。(笑)


実は、この壮行会、4年前からツアーセンターとしても夢見てきました。
アテネのときも選ばれる寸前まで行き、代表から外されてしまったときからの夢です。
すごく悔しい思いを別ちゃんから聞き、その気持ちがバネとなって今回の代表選手として選ばれたのです。

4年前夢見ていたことが現実となって、別ちゃんは舞台に立っている。
私たちも別ちゃんを送り出すことを夢見て、こうしてかなえられている。


別ちゃんの夢はみんなの夢でもあったのです。

この壮行会が終わってから、出席者のみんなから「僕も何かしなきゃ」ていうチェアーウォーカーや、「とても力がわいた」という声を聞きます。
パートナーも、ちょっと間を置いていたヨットのことで、少し気持ちが動いていたようです。

別ちゃんの力がみんなを動かしていることがこうして見えています。

別ちゃんは「すごい」「立派」、「雲の上の人」というようなことを伝えるのではなく、とても身近に感じてくれて、普通の女の子で、素直で、障害者を負ったからすぐに立ち直った優等生でもなくて、いろん葛藤を乗り越えてここまできたこと。
最初はみんなと一緒なのだということを、感じてくれたのだと思う。

だから、「すごいね~」で終わるのではなく、みんなが何かできるかもしれないという希望を持たせてくれるようなそんな壮行会になったと思う。
それは、別ちゃんあってこそだし、こうして集ってくれた100人もの人のおかげだと感じています。

壮行会は大成功でした。
本当にみなさんありがとうございました。