主婦レベルの経済知識になったアメリカ大統領。
経済学には、比較優位論がある。
各国の国際分業によって全体的な労働生産性が増大することを示し、さらに、自由貿易を前提とした場合には両国が共に消費を増大させられることを示している。
すなわち、比較優位にある財を輸出すると共に比較劣位にある財を輸入すれば、絶対優位に関係なく貿易で利益を享受できるということを意味する。
生産性が高いものは、その国で生産し、そうでないものは、他国から輸入した方が良いと言う考え方。
企業には、税金の問題があります。
同じ利益を得ても、税金が安い国で納税する考え方。
国際企業は、この考え方で動いています。
例えば、日本で100億円の税引き前利益があった場合、約30%税金が取られます。
アメリカでは、約40%です。
同じ利益金額(100億円)とすれば、日本では70億円の税引き後利益、アメリカでは60億円の税引き後利益になり、日本で納税することになります。
しかし、日本の法人税は、中国(25%)、韓国(24%)、イギリス(20%)と比べると、まだ、高い。
だから、日本も法人税を下げているのは、こういう背景があります。
アメリカは、法人税を下げる必要があります。
今、アメリカでGDPの比率を上げている製造業は、コンピューターであり、自動車産業ではありません。
参考資料:
https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/argument/mron1306-2.pdf
P34の資料です。
それにも拘わらず、自動車産業を中心とする考え方は、古いと言わざるを得ません。
冒頭の主婦レベルというのは、かつて(1970年代)、二重価格表示をおかしいと言い出した主婦連の事例です。
当初、定価15万円で売り出されたカラーテレビが、10万で売られているのは可笑しいと言い出したのです。
経済が分かっていれば、<生産量の増大に伴い、原材料や労働力に必要なコストが減少する結果、収益率が向上する>と言う「規模の経済」の考え方を知っています。
逆に言えば、販売価格が下がることにもなります。
1965年に経験則として提唱した、ムーアの法則があります。
その法則とは、「半導体の集積密度は18~24ヶ月で倍増する」という法則。 この法則によれば、半導体の性能は指数関数的に向上していくことになります。
実際に、液晶テレビの価格の推移を見ても、分かります。
当初、1インチ1万円と言われていましたが、今や40インチでも、実売価格は、約6万円です。1インチ1500円です。
この程度の経済学知識の人が、アメリカの大統領であることです。
ノーベル経済学賞は、アメリカ人の受賞者が多いです。
何故、そんな国から、こんな大統領が生まれ、その理論なしの政策が実行されるのかを、考え直して欲しいと思います。