今、NHKでは、パラレル東京と称して、直下型地震が発生したと想定したドラマを放送しています。
直下型地震が起こった時の対応をどうするかを考えさせるドラマです。
1923年9月1日に発生した関東大震災以降、首都圏では悲惨な地震は起きていません、
関東大震災以降の地震は、三陸、鳥取、和歌山、福井、宮城、新潟、北海道、神戸、東日本、熊本等、首都圏以外です。
首都圏で被災された時、色々なバックアップが難しいと考えています。
火災、けが人、病院入院者、避難場所確保等、考え出したら止まりません。
食料一つとっても、そのロジスティックは大変なことになります。
食料の物量が半端ない量であることを知っておいてください。
このドラマで、可笑しいことがひとつあります。
甚大な被害が出ているにも関わらず、電源が確保されていることです。
当然、放送局にも電源が確保されている状況となっています。
携帯電話等のアンテナ基地局の電源も確保されています。
従って、テレビ・ラジオ等が生中継されています。
被災者は、TVを見て、携帯・スマホ等がつながっている状況となっています。
阪神大震災の時、私は、大阪に住んでいました。
地震の揺れ時間は、短い時間でしたが、激しい縦揺れでした。
部屋の中は、ぐちゃぐちゃでしたが、取りあえず、玄関ドアを開け、避難口を確保しました、
その後、テレビ台から転げ落ちたTVを起し、TVを点けました。
TVの最初の地震情報は、彦根の震度がでていました。
私は、当初、震源地は、滋賀県だと思っていました。
御存知の通り、本当の震源地では、停電となり、電源、通信機能が破壊され、正しい地震情報は伝わりませんでした。
地震計は、正しい情報を検出していましたが、通信ができなくて、気象庁には報告されませんでした。
その後、テレビ局のヘリコプターの中継で、神戸地域の震災被害が分かってきました。
神戸は、甚大な被害に遭いましたが、大阪はそんなに被害が無かったので、関西のキー局では生放送できていました。
家の固定電話も、当初は繋がりましたが、途中から不通になりました。
公共機関に優先的に割り当てられ、日中の個人・会社の電話は、使えなくなりました。
日中は、公衆電話だけが解放され、近所の公衆電話ボックスの前には、長蛇の列ができました。
関西では、携帯電話だけが繋がったという事で、阪神神戸震災後、携帯電話の普及が進みました。
直下型地震では、停電になり、携帯・スマホが使えないと考えた方が良いかと考えます。
放送局には非常用電源がありますが、放送局の建物が被害に遭ったら、建物に入ることもできません。当然、放送はできません。
震災地区の神戸に住んでいた人の感想。
1週間後、神戸地区の停電が回復し、TVを見たていたら、大阪市内は普通の景色だったので、驚いたと言っていました。
神戸がこんな状況だったので、大阪は、もっと酷い被害になっていると思い、現地で頑張っていたそうです。
神戸で頑張って生活するのがばかばかしくなり、船で大阪市内に行き(鉄道等の交通機関は不通でした)、家族全員で大阪市内のホテルで暫く生活したそうです。
今後の震災対策では、次の状況で考える必要があります。
・自宅で被災した時、自宅がその後も安全な建物なのか
・自宅が安全な建物でない場合、避難先はどこにするか
・遠くに親戚がいる人ならば、そこへの移動方法はあるのか。被災状況によって、通常の移動方法は使えないので、どうするのかを考える必要があります。
今の震災等の被災対策は、自宅で被災し、安全な自宅で生活できることを前提としています。
自宅以外で被災した時の対応も考慮に入れてください。
どちらにしても、事前に考えておくことだけでも、大事なことと思います。