
大道芸人が大勢いるポンピドゥー・センター前にて
今回のフランスの旅で、最大の目的とは何か。
それはモン・サン・ミシェルへ行くことだったのであります。
“モン”はマウンテン、“サン”はセイント、つまり聖。“ミシェル”はミカエル大天使のこと。
すなわち聖ミカエル山という意味になるんであります。
パリから特急TGVに乗り、約2時間でレンヌという小村へ到着。そこからバスで約1時間20分、モン・サン・ミシェルへ到着という行程なのだ。

TGVが並ぶさまは圧巻

いきなり発車が30分くらい遅れている
「まったくよー!」と、乗客も不機嫌である
(帰りはナント1時間以上遅れた)

それでもレンヌに到着。直ちにバスへ乗り換え

ついにモン・サン・ミシェルが見えてきた
バス内でもあちこちで喚声が上がる
その昔。
モン・サン・ミシェルへ巡礼に行く場合、その孤島へ渡るには、引き潮のときに行くしかなかった。
周囲は激しい潮流が渦巻いていて、引き潮の時でさえ、打ち寄せる波にさらわれたりして、大変な苦労だったらしい。
それが1877年には車も通れる立派な橋が完成。我々もそこを通ったわけであります。
しかし潮流をせき止めてしまったことで生態系が変わったらしく、フランスでは大問題になっている。いずれ桟橋型に変える予定だというけど、いつになるのか分からないですなァ。
なにしろラテンの人々だもの。

カトリック巡礼の地、世界遺産であります

両側に店が並ぶ様は江ノ島の参道にそっくり
考えてみれば、同じようなところなのだ

島内には日本人観光客が大勢いた。
20人近い若者の団体もいて、その全員が非常に派手だった。
髪の毛が金髪、ピンク、茶髪でキューティクルがきらきら輝いている。僕は何となく、ピンときた。
「あれは美容師ではないだろうか」
「いや、美容師の専門学校生でしょう。卒業旅行でパリとかイギリスによく行くって、聞いたことがありますよ」(細君)
なるほど、さもありなん。
彼らの会話は無邪気で面白かった。
「うわー、ありえないありえない。きれいすぎ」
「まじ、すっげー」
「やばいやばいマジ、やばい」
若人はどうも語彙が少なすぎる。
(そんなんで将来、大丈夫かね?)
と老婆心ながら心配してしまう。しかし中には
「こんな景色見たらストレス吹っ飛ぶよね」
という発言もあった。
学生なりに悩みもあるのだろうなァ。がんばれよ、若者たち!

周囲は本当に海なのだ

対岸のホテルにチェックインし、夕食を摂った
日暮れを待って再びモン・サン・ミシェルへ
日暮れと行ってもこれで8時半頃である

砂が紅色に染まっていく

日没後。寒くて震えるが、いつまでも眺めてしまう

翌朝の風景。この辺には顔の黒い羊が放牧されている
15km圏内に6000頭いて、その8割が島内で消費される

フランスでの滞在、6泊7日。
人生初のフランスは、建築の美しさに目を瞠り、ものすごく臭いソーセージ(アンドゥイユ)にノックアウトされた旅だった。
さすがに食べ物とワインはウマかったなァ。
気になる缶詰も充分チェックして、明日からはいよいよギリシアへ向かうのだ。