
これがうにプリンだっ!
一寸したことが、おかしいっていうこと、ありますよね。
そのおかしさも「クスリ」と笑う程度のものから、いつまでもいつまでも笑いが止まらない程度のものまであります。
今風に言うと、「笑いのツボにハマった」というヤツ、あなどれませんね。
他人から見ればどうってことのない、些細な出来事が、爆笑を誘う。
笑いすぎて、腹の筋肉が痛くなって、ついに立っていられなくなる。
横になって、右に左に転がったりする。そのあいだ、ずっとひいひい笑い続け、最後に柱に頭をぶつけて、その痛さでようやくおさまったりする。しかしその顔には、まだ笑いが残っているのであります。
中学生の頃、給食にプッチンプリンが出たことがありました。
これがもう、たまらなかった。
プチッとトレーに落として、それを運んでいったりすると、プリンはぶりんぶりんと、重そうに揺れるんです。
一度揺れると、いつまでも揺れるんです。
これが抱腹絶倒でした。
プリンが揺れていることが、おかしかった。
そのうえ悪友は、あるいたずらを思いついたのであります。
牛乳用の細いストローを、やおらプリンに差し込んで、吸い込み口を指で押さえて、そいつをそっと引っ張り出すわけです。
すると、ストローに引っ張られて、細長いプリンがにょきっと出てくる。
ストローを差し込んでは、引っ張り出す。しまいにプリンは“うに”のようになる。
そんなものをこしらえて、どうするのか。
やっぱりこれを、揺らすわけです。
これにはもう、死ぬほど笑った。しばらく給食を食べられなかったっけ。
さて、問題なのはですね。
『箸が転がっても笑う年頃』とは、とても言えない今でも、こういう事柄が起こると、笑いが止まらなくなることなんです。
きっと将来は、顔はしわしわだな。