黄昏の頃 強烈な夕立が来た。
恐ろしいほどの音が空間にみなぎって、あらゆる音をかき消した。
雨の音 風の音に理由もなく恐怖を覚えるのは、人類悠久の歴史の中でしっかりと遺伝子に埋め込まれているからだろう。
短時間で雨は上がったけれど、幾重にも立ち込めた雲の層が光を閉じ込めたのだろう、おぼろ月夜のように遠くの景色を照らし出していた。
月下美人3度目の蕾が膨らんできた。
この植物は不思議な逸話を持っている。
何故か結実しないから、増やすのに、挿し葉以外の方法はないらしい。
世界のことはわからないが、日本ではそうだという。
単純に考えると日本中の月下美人はすべて同根、すなわち同じ木なのである。
だから幾株かの美人が 開花同日というケースが多い。
遠く離れた土地間での開花同日はあるのだろうか?
つゆ草は秋の季語 あるお人が書いていた、「青い薔薇や青いチューリップを苦労して作らなくても、 こんな美しい青色があるではないか」