・・・苦笑いしながら家内が言った・・・
「白菜と大根と人参が入った野菜の味噌汁を食べたいと、娘が言ってきた。それも、お父さんに作ってほしいと言っている」と。
「つわり」でしんどい娘だけに、自分のできることは何でもしてやろうとは思っている。
でも、総料理長である家内をさしおいて、賄いコックが指名されるとは・・・
悪い気はしなかったが、それよりも総料理長が気分を害しないかと気になった。
家内はとみると、意外にもあっけらかんとしていた。
・・・おだて上手・・・・
我が家の総料理長は、普段から、賄いコックの自分をおだてまくり、隙あらば作らそうとする雰囲気をプンプン漂わしてくる。
レパートリーの少ない賄いコックだけに、手の込んだ料理は作れないし、作る気もない。
そんな料理しか作れないのに、作った時は、必ず「ワー 美味しそう。自分で作るより作ってもらった方が美味しい」とおだてまくってくる。
定年後、家庭園芸以外に何か家内の手助けをしなきゃという思いからも、そんなこんなで、ここ7~8年、毎朝の食事は自分が作り続けている。昼・夜も任される機会が増えてきた。
今回、娘がわざわざ自分を指名してきたのも、そういう総料理長の性分を理解し労わってのことだと思った。
「味噌汁作り、賄いコックが総料理長を超えた?」と一瞬思ったが、そうではないことに気づいた。
・・・手の平踊り・・・・
味噌汁作りは慣れている。
家内が「これ、美味しいと思って買ってきた」という「お味噌」を使った。
用意してくれた具材の味噌汁ができた。
案の定、家内も娘も申し合わせたように、「べた褒め」してくれた。
褒められて悪い気はしない。最近では、手の平踊りを楽しんでいる。
・・・得意技:賄いコックのある日の手巻き寿司と味噌汁・・・
・・・得意技:総料理長のある日の絶品おでん・・・