願い事（Wish)

お初天神


ダイヤル回して　手を止めた
I'm just a woman

小林明子さんの「恋に落ちて」の抜粋です。

相手の男の、この幸せ者めとなるのです。
「ダイヤル回して　手を止めた」がこの歌の戦慄が走るような決め手です。
湯川れい子さんの詩です。どんな人なんでしょう。

ダイヤル回して手を止めるのは、女性ばかりとは限りません。
ためらいがちになるのは、すべての恋経験者が辿る道です。

冒頭の絵は、梅田から寂しげに散歩したときに、
一際輝くお初天神に偶然行き着きました。
闇の中に浮かぶように輝いていました。
一人の老人が願い事をしていました。

小銭でたくさんの願い事をします。
お札より、小銭のほうがきっと効果的です。
神さんもお年寄りでしょうから、
目より耳に訴えたほうがよいのではと思います。

願い事は、いつも欲張りです。
それなのに、恋となると控えめです。
どうして臆病になるのでしょう。
自分の心の内をさらけ出すからでしょう。
恋は不思議なもので、焦がれているときが一番幸せのようにも思います。
かなえると継続です。なかなか厄介ですね。こんなはずじゃなかったと。
恋はもっとも身勝手な願いごとなのかもしれません。
そして、努力をもっとも要求されるものでしょう。
だって相手がいますから。
多くの願い事は、自分一人の努力でかないます。

誰でもよいから、ダイヤルするのをやめないでください。
待っています。
遠い昔の話です。

ばあさんの　初恋の味は　いつも蜜

２０１５年８月１7日