今日のタイトルは、「真っ黒黒の黒助」です。
TPPの国会議員への報告書のことではありません。
空き家に越してきて初めての夜、電灯を消したら暗闇でした。
正直、よく眠れませんでした。
まだ慣れない電気のあれこれ。30Aの受電容量です。
こっちで電気カーペットを付け、あっちで電子レンジを入れるとブレーカーが飛びます。
たんびに、暗闇で懐中電灯を探ります。
星が満天にあるようです。目が弱くなり楽しむことはいまだできていません。
居抜きで空き家を借りたものですから、前に住んでいた方の荷物がそのままです。
田舎の生活は、驚くほど物入りだと感じました。
人が多く集まるのが前提の造りで、家の間取りも部屋数も多い。
鍋釜も器もおびただしい量です。
先祖代々受け継いだしがらみが荷物に溢れています。
住んでいた人にしか解らない配置と収納です。
一つずつパズルを解くようです。
あっちのものをこっちへ、私達の持ち込んだダンボールの中味が日々空っぽになっていきます。
片づけていくと、案外シンプルです。言ってみれば、私建には不要なもののオンパレードです。
どうやら残ったものを集めてみると、八畳間一室に納まりそうです。
放置された仏壇は仕切戸をつけました。
遺影も神棚も気にならなくなりました。
残っていた電気製品もそのうち磨き上げます。
調度品も記念品も同じように埃をとれば立派な宝物になるでしょう。
きれいになった思い出の品々を、きっと引き取りに来てくれるでしょう。
畑には、いろんなものが生えています。
残留放射能は気になりません。きっとあるのでしょう。
その後、この地域の人は山菜を食べなくなったとか。
気をつけて、蓄積の少ない品種を選んで食べているとか。
人それぞれです。
スーパーで売られている魚は、他県産と外国産です。
私達は、広島生まれです。
原子爆弾が落とされたあとも両親は普通に暮らしてきたのでしょう。
そうするしかなかったとも言えます。
ここでも一緒です。
ひょっとしたら、オーストリアの山岳地帯の方が線量が多いかもしれません。
新しい生活に染まっていきます。わずか、一週間の田舎生活です。
これから、山の音を聞きながら慣れていくことでしょう。
11畳の居間で寝食の生活を始めました。都会暮らしに慣れたものには、11畳は充分な広さです。
あいさつに行ったどの家にも、訪問者を知らせるチャイムが付いていました。
しかし、すべての家の玄関の戸に鍵はかかっていませんでした。
驚きが多い今が、新しい風に気付く大いなるチャンスと言えます。
大事にしたい。身体を健康に保ち、感じたい。
きじが鳴く 遠い昔に 聞いたよな
2016年4月11日