昨日は、職場の歓送迎会でした。
一人の変人と話し込みました。
私は、いつしか宴会で大勢の人と話さなくなりました。
自分で言うのもなんですが、割と社交的な性格です。
大勢の他人より、一人の友人が大事だからです。
大勢と話す時は、決まって歌や芸になります。
歌を歌うのは、決まってトップバッターです。
二度と歌ってよ。とは言われません。おあとがよろしいようで。
今日は、4社の訪問がありました。
産廃業者、クリーニング業者、大工と放射線量測定業者です。
大工さんは、友人となった人の義理の息子さんです。
天井が落ちている。
床が抜けている。
吊戸棚が傾いている。
破風の下板がはがれている。
ベランダへ出るドアが開かない。
天井のシートがはがれている。
障子の桟が欠落している。
樋から雨水が溢れている。
治す見積もりをお願いしました。
依頼をするごとに、若い大工さんは最善の手当を提案されます。
そして怪訝な顔をされます。
本当にするんですか。裏を返せば本当にそんなにお金をかけるんですか。
もっと言えば、この家はお金をかける価値がありません。と正直です。
延べ床124m2(一部二階建て)の家です。
大工さんが説明されました。
この家は、北へ30cm、東へ30cm傾いています。
そうか、だからか。
樋を建屋に平行になおしたにも関わらず、樋から雨水が溢れるのは。
上手から下手に水は流れるはずなのに、傾いて上手が下手より低いのでした。
よって、上手に縦樋を付けることにしました。ドアが開かないのも、床が抜けるのも理解できました。
雨が降った時の北東に位置する庇をたたくダイクの正体がわかりました。逆流する雨水だったのです。
樋を建物に平行にしても治る訳がありません。
正直な大工さんこそ本物の第九でした。目が覚める思いをしました。
見積もり依頼した後、長話をしました。お互い技術者同士、相通ずるものがありました。
私は、決心しました。
3年使えるリフォームをしようと。
かつて、泊まった母がずいぶん寝相が悪いとかみさんと笑ったものでした。
子どもが。ある部屋に走り込むと決まって壁にぶつかりました。
その家は、一室だけでも外に向かって20cm傾いていました。
だからお袋は、壁にくっついて寝ていたんです。
走る子供は、自然と壁に向かっていたんです。
気づかぬ私達が、馬鹿でした。
翌日、母は「こんな家に住まわせて、わしが社長に文句を言うたる」と息巻いていました。
「はて、家賃は」と母に聞かれました。「月に3000円」と私は答えました。
「そりゃ、我慢せにゃいかん」とお袋は続けました。母は社長に談判には行きませんでした。
この家は、畑の上に建てた楼閣だったのです。
若くてもプロの大工さん、ありがとう。
あとで、彼の会社は宮大工の集団だと知りました。
ビー玉が 転がる床で めまいする
2016年4月23日
(投稿後談)今日は、私の誕生日です。
小学校5年まで、母は私の誕生日は天皇誕生日(4月29日)と同じ日と教えてくれていました。
通知表には、違う誕生日が記されていました。母に尋ねると、
「ほうじゃったか、それならその日じゃ」とあっさりでした。