地球にあしあと

地球の色々なところに足跡をつけてきました。

カミーノにあしあと ~Santiago → Negreira~

2011年01月22日 | Weblog
8/2(月)

アルベルゲにてクッキーとコーヒーで軽い朝食。
すぐそばにあるかなり近代的な教会が見える。
コンクリート造りでモダンな感じの教会は、これまで巡礼中に見て来た数々の教会とずい分違う。

今日、スィナと私は西の果てFinisterreを目指して再び歩きはじめる。
ルーとトマスは10:00にマルコスが車で迎えに来てくれるので、Finisterre日帰りをするらしい。

なんだか実感がわかないけれど、ルーとトマスにお別れを告げ、歩きはじめる。


リュックを背負い、慣れた光景に戻る。
やっぱり歩けるって最高に幸せなことだ。


出発前、スィナが「私、靴を最初のアルベルゲに忘れて来たみたい」とのたまった。
Santiagoに到着してからスポーツシューズを履いていたので、今まで気づかなかったらしい。
「なんかリュックの中にスペースあると思ったのよねえ」と。

仕方がないので、もう戻りたくもない例の教会のアルベルゲに靴を取りに戻る。
オスピタレラたちとは会いたくないので、裏手からのルートで中庭へ侵入。
そこに干しっぱなしのスィナのトレッキングシューズ、あったあった。


さて、ちゃんとした朝食を食べたいのだけれど、バルがことごとく閉まっている。
そこでスィナが「思い切ってパラドールで食べない?私が奢るわ」と提案。

パラドールは私が8月9日に宿泊予約を入れている高級国営ホテルだ。
まずは中に入り、階段を上がってレストランへ。
「巡礼者」と書かれた看板があるので、巡礼者OKなのだろう。

2階のレストランで「朝食を食べたいのですが」と言うと、やはりそこは高級ホテル、1人20ユーロほどするらしい。
「パンとコーヒー程度の簡単な朝食なら1階のバルでも提供してますよ」と言われ、1階へ。

バルへ行き着席するも、さすがパラドール、店員もやや高慢な感じでなかなか注文を取りに来てくれない。
ずい分待ってようやく来てくれたので、いつもの感じでオレンジジュース、パン、コーヒーを注文したところ、出て来たものはこれまであちこちのバルで食べて来たものとは似ても似つかないちっちゃいのだった!

なんなんだ、このクロワッサンのサイズは…。




もちろん一緒についてくるジャムとかがちょっと高級だけどさ。

そしてさらに驚くべきことに、この小さな朝食が2人で22.7ユーロ!
高っ!!!

スィナが「このレシート、記念に取っとくわ」と。
それにしても、人に奢るのに何度も高い高いと連呼し、レシートを取っとくとか言うし、オランダ人ってあんまり相手への気遣いないんだね。
普通、人に食事おごる時って、心の中では「ちょっと高いな~」と思っても、相手に気を使わせないように口には出さないじゃないですか、日本人としては。



いざFinisterreへ向かうその前に、ダメモトでもう一度両替所に行ってみる。
実はSantiagoの町にはいくつか両替所があったけど、ずっと閉まっていた。
お土産屋さんの一角にある両替所、お店の人に聞くと「月曜の10時」と言われたので、土日だから閉まってたのかと思ったのだが、月曜のその時間になっても開いてない。
さすがスペイン…。
結局Santiagoでも両替できず。


両替を断念し、オブラロイド広場をもう一度横切ってカミーノへ戻ろうとした時、地元のテレビ局に声をかけられた。
オブラロイド広場では連日、到着した巡礼者らへのテレビインタビューなどが行われている。

が、問題は言葉である。
レポーターは一切英語が話せないので、オールスペイン語でのインタビューとなる。

スィナは舞い上がってしまったのか、質問されたことと関係ないことを話している。
しかも結構めちゃくちゃなスペイン語で。
おいおい、あんたのスペイン語、私よりよっぽどうまかったはずなのに何故?
レポーターもわけのわからない外人を捕まえてしまったと、ちょっと困り顔になり、早々にインタビューを切り上げられてしまった。
たぶん私らのインタビュー場面、カットだね。



Santiagoの町はごった返しているが、ひとたびカミーノに戻ると人もいなくて快適。
景色も奇麗だ。


遠くにSantiagoのカテドラルが見える。




これ、雨の多いガリシア地方に多い高床式の穀物倉庫。




これまで見たものは年代物のボロボロの石造りのやつで、屋根に十字架が乗ってたりするので思わず「お墓?」と思うようなものだったが、今日見たやつは最も新しくて奇麗なものだった。


久しぶりに自然の風景に触れ、心が休まる。
やっぱりカミーノはいいなあ。









10km弱進んだところのAmesという村でボカディーヨとコーラ休憩。
さらに6kmほど進んだTrasmonteという場所にあるバルで再び休憩し、アクエリアスを飲む。
バルのおじさんが珍しそうに「どこから来たの?」と話しかけてきた。
お客のおじさんらも興味津々で目線を送ってくる。
Santiagoから先を目指す東洋人は少ないのか?

バルの奥には他にも数人の巡礼者がいた。
これまでも何度か見かけた韓国人の女の子は、Finisterreの前に先にMuxíaを目指すそうだ。
私たちはまずはFinisterre、それからMuxía。



途中、ルーからメールが入る。
何がどうすれ違ったのか知らないが、マルコスと合流できず、したがってFinisterreにも行けなかったらしい。
気の毒に…。



Santiagoから22kmほど歩いてようやくアルベルゲのあるNegreiraという町へ到着する。
町に入ると公営アルベルゲの看板がすでに「満室」と告げている。
私営アルベルゲがいくつかあるはずなので、そっちをトライ。

大通り沿いに出て来た私営アルベルゲ、ベッドの空きはまだあり、1泊9ユーロ。
もう私はかなり疲れているので、ここに泊まりたい。
が、スィナが洗濯干し場とガーデンがないのが気に入らないと言いだす。
町中にあるアルベルゲなので、洗濯物は室内干しとなっているし、裏庭の様なものも当然ない。

この期に及んでまだガーデンがどうこうと言いだすスィナに思わずキレる。
坂を上って行った先にもう1軒私営アルベルゲがあるらしく、そっちも見たいと言うので思わず私は「じゃああなたはそっちへ行けばいい。私は今日ここに泊まるから!」と宣言。
常に一緒に行動するのももう限界だ。


ところがその後のスィナの言葉に一気に怒りが萎えた。

「じゃあ、ディナーは何時に待ち合わせする?」


おい…。
ディナーの心配かよ。


待ち合わせとか、考えるのも面倒くさいので(というか、今日は一緒に食べなくてもいいとさえ思っていた)、「分かった、とりあえずもう1軒のアルベルゲ見に行くよ…」と私が折れ(というか心が折れ)、一緒にもう1軒のアルベルゲへ。


この日の道中、1人のドイツ人青年と何度か抜きつ抜かれつしていた。
Negreiraに到着した時も彼と同じタイミングで、お互いアルベルゲを求めてフラフラしていた。
2軒目のアルベルゲから彼が出て来たので、「ベッド空いてなかったの?」と聞くと、「ベッドは空いてるけど、予算外だ」とのこと。
聞いてみると、1泊12ユーロもするらしい。
まだ新しくて設備は整っているみたいだけど。

「いくらまでなら出せるの?」と聞くスィナに「6ユーロ」と答える青年。
するとスィナは「差額は払ってあげるからここに泊まりなさい」と。

…。
あのさあ、親切なのはいいんだけど、そんなことしてたらキリなくない?
しかも私たちのお金は共同管理なんだから、あなたが勝手な判断で奢るって言った分、私の財布からも出てるんですけど。
ちょっとまたムッとする。


アルベルゲには毛布とタオルもついていて、かなり快適だ。
が、びっくりしたのはそこまで新しくて設備がいいアルベルゲなのに、シャワーが複数名共有スタイルになっていたこと。
洗面台の奥にあるカーテンを開けると、広い空間にシャワーヘッドが3つ…。
何故…?

幸い私たちの他に使う人がおらず、スィナが譲ってくれたので先に1人で浴びさせてもらう。


チェックイン時、スィナが「ガーデンはある?」とオスピタレラに聞いてて、「ありますよ」と言われたんだけど、結局ふたを開けてみれば単に物干しロープが外にあって、ベンチとテーブルが置いてある程度でガーデンなんてものはなかった。



フロント前にあるパソコンで日本語が読めたので、マドリッドのホテルを探して予約。
夕食は近くのバルでタパスにした。






2人で22ユーロ。
結局いつもの巡礼者メニューと同じぐらいお金かかってるなあ。
さらには今朝のパラドールでの朝食と同じ値段というのが怖い。
恐るべし、パラドール。


食後、スーパーに行き買い物。
私は日本から持ってきた日焼け止めがもうなくなりかけているので、新しいものを買いたい。
肌に優しいタイプのものを発見したが、なんと13.98ユーロ。
痛いなあ…。
しかも容量が大きくて重い。
でも背に腹はかえられないので購入。

スーパーの近くにあったATMを2台試してみたが、またもやキャッシングに失敗。
「本日の限度額に達しています」とか、わけのわからないメッセージが表示される。
やっぱスペイン嫌い。
でもバルのおじさんは親切だった。













本日の歩行距離:22.4km
本日の歩数:29,873歩