地球にあしあと

地球の色々なところに足跡をつけてきました。

カミーノにあしあと ~Cee → Finisterre~

2011年01月28日 | Weblog
8/5(木) Cee → Finisterre
スィナは昨夜、夜中にイビキおばさんを起こしたらしい。
確かに彼女の大イビキは迷惑だったけど、自分のことを棚に上げて人に注意する感覚が良く分からない。


昨日膝が痛かったので、今日は久しぶりにワコールのCW-Xタイツを履いてみる。
これを履いたのは巡礼最初の2~3日だけだったな。

今日はスィナの足の調子も心配なので、ゆっくりとアルベルゲをスタート。





まずはバルでクロワッサンなどで腹ごしらえをし、いざ、カミーノへ。


上り坂が2回程あり少しきついが、やはり歩くことが一番体にしっくりくる。

昨日会ったカミーノ友の会のおじさんの話では、ここSan Roqueのアルベルゲはなかなか良いところらしい。
でも昨日はスィナが足を負傷したこともあり、きっとここまではたどり着けなかったな。





狭い道を歩いていると、羊飼いのおじさんに遭遇。
ちなみに羊のご飯はバゲットだった。
そういや馬もバゲット食べてたなあ…。






Finisterreの入口にある浜辺で小休憩。
誰もおらず静か。
海が青くて奇麗。








しばしの休憩の後、また道々ベリーを摘んで食べながら、ようやくFinisterreに到着。
早速コーラで乾杯。




お腹が空いてたのでイカのフリッターを食べたかったのに、ここのバルでは夕食時以外出してないそうだ。



Finisterreに到着したこの段階になって、スィナが「これ、荷物の中から見つかったんだけど、お財布にどうかしら」とビニールのポーチを取り出した。
今頃出してくるなよ~。

でもとりあえずそれを財布に使い、今まで財布代わりにしてたボロボロのジップロックを捨てる。
ちなみにスィナは荷物の中から、自分で隠して忘れていた50ユーロ札を見つけてご機嫌。
よかったよ。
私は本当にいよいよキャッシュが尽きて来た。


同じバルのテラスにどうやらオランダ人らしき男性が2人おり、スィナが話を始めた。
話し始めると長いな~~~!



ようやく話が終わり、一路公営アルベルゲへ。
Finisterreでも証明書を発行してもらうのだ。

と、港のところで長いことご無沙汰していた韓国人夫妻に再会
お互い抱き合って到着を祝う。
不思議なことに、彼らとはかなり親しくしていたのに、結局最後まで連絡先も名前も聞くことなく別れた。
でも彼らはもうすぐ仕事で京都に引っ越してくると言ってたので、そのうちどこかでバッタリ出会うかもしれない。



公営アルベルゲで証明書をもらう時、オスピタレロが「この紙に日本の文字で名前を書いて。それをコピーするから」というので、「???」と思いながらも書くと、なんと彼は私が書いた感じを見ながら丁寧にそれを証明書に書き写してくれた。



あ、有り難いけど、そこは漢字で書いてくれなくても良かったかも…。


さらには「このハンコ、押してほしい?」と取りだしたのは、キャラクターと共にハングル文字が踊るハンコだった。
たぶん「よくできました」とかそういう感じのフレーズだと思われる。

「…。いえ、結構です」と断ると、「そうか…。韓国人にはバカ受けなんだけどね」とちょっとさみしそうにされた。
ごめーん。だって私韓国人じゃないから。


この公営アルベルゲのベッドはまだまだ空きがあったが、なんだかもう大型アルベルゲに泊まるのも嫌になり、私営を探してみることにした。

証明書をもらって出てくると、Grañonのアルベルゲでオスピタレラをしていたイタリア人のアニータにまたまた遭遇。
彼女とは先日Santiagoで再会したばかりだ。
同じようなタイミングで移動してるのね。

アニータには、「ここは観光地だから貴重品に注意するように」との忠告を受ける。



さて、せっかくなので港の前のレストランでシーフードランチでもしようと言うことになり、レストランエリアに行くとそこに待ち構えていたのはなんと、フランス人のマーク
思いがけず再会できて嬉しい。

マークは食事を終えたばかりだったけど、座りなおして私たちのランチにつき合ってくれた。
話を聞いてみると、どうやらマークも日曜日のミサにいたらしい。
エリザベスも同じく日曜のミサに出席していたらしいが、Santiagoは人が多いので同じカテドラル内にいながら全くお互いを見つけることができなかった。
キムやピーターやマリアはいつ、どこにいたのだろうか。


マークがビール、私とスィナが相変わらずクララを注文し、到着と再会を祝って乾杯。
そしてさっきから食べたかったイカのフライを食べる。


その後、マークが宿泊しているという私営アルベルゲに連れて行ってもらった。
ベッドも空いてるので、今日はここに泊まろう。

が、10ユーロも払った割には部屋がとてもせまく、あまり奇麗でもない。
さらには洗濯物を干す場所が限られていて、わざわざ別の部屋をノックして中に入れてもらい、そこの窓際に干さなければいけなかった。

う~ん、最後だと言うのにガッカリだ。
私たちの部屋は小さな空間に2段ベッドが2台押し込まれていてとても窮屈。
おまけに同居人カップルがいちゃいちゃしてるし、さらになんとなく男性の方の言動が気に入らない。
カミーノ上で最も最悪なアルベルゲではないだろうか。



ひと段落ついたところで、最西端のCabo Fisterraと呼ばれる場所へ。
そこには灯台があり、その周辺で巡礼を終えた人たちが持ち物を燃やしたりするのだ。

アルベルゲから灯台までは片道3kmぐらいはあり、しかもずっと上り坂。
スィナは足を痛めているのに歩いて行くと言って聞かない。
別にもう巡礼は終わったんだし、タクシーにでも乗ればいいのに。
本当に頑固だ。

灯台までの道のりは、車がびゅんびゅん通る国道沿いで結構危険。
風が強くて飛ばされそうになるし。
でも景色は最高。





岬にある十字架前で記念撮影。






ここはまさに0.0km地点。





後からマークも追い付いてきた。




この後、博物館をちょっと見学し、それから大西洋を望む。






すでに何かを燃やしている人たちもいるが、風が強くて大変危険。
しかも思いっきり「NO FIRE!」と書かれていたりして、本当はダメなのかな…?





マークが大西洋を前に瞑想している間、スィナと私はお土産物屋兼カフェに入り、まったり。
土産物には興味ない。

スペイン版アイスコーヒー。
先に温かいコーヒーに砂糖を加えて混ぜ、




そして隣の氷が入ったコップに移すだけ。





この後、一旦アルベルゲへ戻るが、もう洗濯をする気力が失せている。
シャワーを浴びたが、タオルが強烈に臭い。
そのにおいをかいで、突然「もうたくさん!」と思った。
急にアルベルゲ生活が嫌になる。


気を取り直し、港のレストランで、豪華にシーフードディナーを。
タコとかエビとか最高においしい。
お気に入りのピミエントス(ピーマン)も。
スィナのためにもちろんフライドポテトも…。







ディナーしてると、なんとそこへ見知った顔が。
怪しげなレイキを施す、ホセだ。
う~む、ここへ来てまた奴に会うとは…。

内心嫌だけど、仕方がないので笑顔でほっぺにキスをして挨拶。
Finisterreまで到着してもまだ女性相手に怪しげなヒーリングをやってるのだろうか。


食後、スィナがお気に入りのChupitos(食後の強いお酒)を。
ご機嫌だ。




そろそろ日の入り時刻近くになったので、再び岬へ。
スィナは相変わらず頑として車には乗らず歩いて行くという。
でも足を引きずって痛々しい。

スィナのためにマークが道々ヒッチハイクを試みるが、誰も停まってくれない。


なんとか日没に間に合って、雄大な景色を眺める。
沈んでいく夕陽に願いを込めて。














結局何も物は燃やさなかったけど、何かが浄化された気がする。



日が沈んでしまうと、観光客は我先にと帰路に就く。
が、スィナはバルで飲みたいと言い出す。

岬にあるバルは日の入りと共に閉店になるので、町まで戻るしかない。
強風で寒いし、急速に暗くなってきているので早く帰ろう。

スィナの足を気遣ったマークが、またもや車を捕まえて交渉を始めた。
今度は成功。
親切なドイツ人カップルが車で下まで送ってくれた。



ドイツ人にお礼を言って車を降りると、スィナがしつこくChupitos, chupitosとアル中のように騒ぐので、バルへ。
私はもうお酒を飲む気がしないので、ホットミルクのみ。


アルベルゲへ戻り、感極まったスィナとマークが「お互いのノートにメッセージを書き合おう」と言いだした。
ちなみに私はきちんとした日記らしいものはつけておらず、小さなメモに日々の出来事や歩行距離を記しているだけなので、メモ帳自体に大きな意味はない。
でもスィナやマークは旅の記録を記した大切な日記帳だ。

私はスィナとマークそれぞれのノートに日本語でメッセージを書いたが、自分は特に何も書いてもらわなかった。


最後にマークにお別れを告げる。
彼は明日の朝、早くにここを立ち数か月ぶりに家に帰る。
フランスのLe Puyからの長い長い道のりお疲れさま。


私とスィナは真っ暗な中、音を立てないように気を使いながらベッドへ戻り就寝。

帰りが遅くなることは分かっていたので、私はきちんと寝袋を整え、戻ってきたらすぐに眠れる準備をしていた。

が、スィナはどうやら準備して行かなかったらしい…。
暗闇でゴソゴソしている。

おいおい、あんたもう40日も巡礼してるんだから、段取り分かるだろうに。
そういうとこもスィナらしいな。












本日の歩行距離:約20km?
本日の歩数:39,239歩