地球にあしあと

地球の色々なところに足跡をつけてきました。

カミーノにあしあと ~Negreira → Maronas~

2011年01月25日 | Weblog
8/3(火) Negreira → Maroñas
前日から予約制の朝食@アルベルゲ。
2.5ユーロでクロワッサン、トースト2枚、コーヒーがついており、なかなか良かった。

そういや昨日のドイツ人青年、「子供の時から聞いてた日本語の歌が大好きなんだけど」と言って自分のiPodで聞かせてくれたが、それは日本語ではなかった…。
しいて言うなら縄文語みたいな響き。



8時過ぎにアルベルゲを出発し、西を目指す。
この町はあまり奇麗な町ではなかったが、町を出る際に城壁跡のようなものがあり、そこだけはわりと雰囲気が良かった。






これまで幾度も麦畑やブドウ畑を通り過ぎて来たが、SantiagoからFinisterreまでの道のりはトウモロコシ畑が広がる。




なぜかSantiago以降は標識の数字が詳細となる。
Finisterreまであと55.379km。




アルベルゲを示す看板もかわいい。





SarriaからSantiagoまでは人が多くて辟易したが、今歩いているカミーノはほとんど人がおらず、静かで緑も多く気持ちいい。



スペインのお墓は大体みんなこんな感じだった。




ルーもはっきりとは知らないし、なかなか人に聞きにくいと言ってたが、おそらく各層に棺が納められているのだろう。
アルベルゲの2段ベッド、3段ベッドを思わせるので、私が「アルベルゲ方式」と名付け、皆が爆笑した。




延々と歩くがバルが1軒も出てこず、しんどい。

黙々と歩いていると、スィナが「あなたは考えたいの?それとも話したくないの?」と聞いてきた。
「別に今何も考えてない。最後のカミーノを楽しんでるだけ」と答えると、「じゃあ邪魔しないでおくわ。質問はディナーの時にでもできるし」と意味深な言葉を残してプイと先へ行ってしまった。
なんなんだ、おばちゃん。

でもまあスィナがいなくなって、しばらく1人でのカミーノを楽しむことができた。
やはり巡礼はこうであるべきかもしれない。


Negreiraから13kmぐらい行ったところのVilarseríoという村でようやくバルが出て来たので休憩。
ベーコンとチーズのボカディーヨを注文する。
ところでBACONの発音が良く分からなかった。
スペイン語風に発音すれば「バコン」?
が、バルにいたスペイン人巡礼者が「ベーコンは英語と同じ発音でOK」と教えてくれた。
紛らわしいな…。



今日は道中、修道僧のような服装をした男性を見かけた。
この後Maroñasのバルで再会し、好奇心旺盛なスィナが早速話しかけた。
その男性はもう2年もカミーノを歩いているという。
それは単なる浮浪者と呼ぶのではないか…?

が、スィナはいたく感激し、「オランダに行ったら私の友達に連絡してあげて。きっとあなたの話が聞きたいと思うわ」と誰かの連絡先を渡していた。
おいおい…。

実は後日、別の巡礼者から「あの修道僧、偽物らしいよ」と聞かされたスィナはいたく憤慨していた。
「もう、私ったらすぐ騙されちゃうのよ!今度奴に会ったらあの連絡先返してもらわなくちゃ!」と。

そもそもすぐに何でも信じ込むあんたが悪いよ…。
しかも他人の連絡先まで教えちゃってさ…。

私が「だけど彼が偽物だっていう証拠もあるわけじゃないから、結局のところは分からないじゃない」と言うと、「それもそうね」と言いつつ、もうすっかりスィナの頭の中は「例の修道僧=ニセモノ」で固まっている様子だ。



さて、修道僧と話をしたバルから少し進むとANTELOというバル&アルベルゲが出て来た。
先にチェックインした女性(先のバルでベーコンの発音を教えてくれた人)によると、なかなか快適なアルベルゲだと言う。

オーナーに聞く前にこっそり中を見させてもらう。
2階建の民家がアルベルゲになっている。
なんとなくスィナが気に入らない顔をしているが、次のOliveiroaまではあと11kmほどもある。
そうなるとトータルで33kmぐらい歩くことになり、ちょっとしんどい。

バルに行き、ベッドの空きを確認し、一応他にアルベルゲはあるかどうかも聞いてみた。
が、この辺りにはここしかない様子。

近くにいたスペイン人巡礼者が「ここのディナーはおいしいよ」と言った瞬間、スィナの心が決まった。


10ユーロ払い、シャワー、洗濯を済ませる。
チェックインしたのが14:30ぐらいだったので、まだ時間はたっぷりある。
周辺を散策してみるが、本当に何もない。

ウロウロしているとすれ違ったフランス人のおじさんら2人に、「なんかあっちにあった?」と聞かれ、「ちょっと先にバルがもう1軒あっただけで、他は何もないよ」と教えてあげると苦笑いしてた。
お互い、暇を持て余している模様。

スィナはアルベルゲ前の椅子に座ってしきりとドイツ人と話をしている。
どこまでもドイツ人好きだなあ。

スィナが話していたドイツ人夫妻が、カミーノを少し戻る形になるが近くに教会があると教えてくれた。
暇だし、行ってみるか。



スィナと2人でまずは修道僧と話をしたバルでコーヒー休憩をし、バルの人に教会の場所を教えてもらう。
ここからほんの1kmほどしか離れていないので早速行ってみたが、残念ながら教会は閉まっていた。




Santiagoを出発してから、教会やバルでスタンプをもらっていない。
今日はアルベルゲの1個だけだ。


ところでスィナは最初、Finisterre往復を歩くと宣言していたが、ここへ来てやはり帰りは歩かないと決めたらしい。
帰り道も一応矢印が書いてあったが、往路ほど分かりやすくなっていないことで不安を感じたようだ。
私は片道しか歩かないと宣言していたので、帰り道1人になって迷うのが嫌らしい。

FinisterreからMuxíaまでは行くつもりらしい。
私もそこまではスィナにくっついて行かないと、キャッシュが尽きてしまうので困る。
手持ちのお金が100ユーロを切った。


今はカミーノを楽しむ気持ちと、一刻も早く終わらせて帰りたい気持ちが交錯している。
特に洗濯はもう嫌になってきたよ。


夕食はドイツ人のクラウスとソニア夫妻、スペイン人のニエベスと一緒に食卓を囲む。
ニエベスは英語を話さないので、限られたボキャブラリーを駆使してスペイン語で話すしかない。

ちなみにこのニエベス、ちょっと変わった感じなのでカミーノで会った時もあえてこちらから話しかけずにいた。
じっくり話してみると、案の定強烈な個性の人で、身振り手振りがかなり大げさだ。
そして私たちに元夫や息子、フィアンセの自慢話を延々と続け、写真を何枚も見せてくる。

最初、「夫はどこどこで働いてて」みたいな話をしだしたので、「へ~、そうなんだ」と聞いてると、今度は「それで私のフィアンセがね」と話題が変わり、「え?フィアンセ?夫はどうした?」と思っていると、夫とはすでに離婚していることが分かったり。
息子がガードマンか何かで著名人の警備をしているらしき写真を見せてきたり。

正直、その場にいた巡礼者全員、ほとほと疲れ切った…。


適当なところでディナーを切り上げ、ニエベスのおしゃべり攻撃から逃れてベッドへ。














本日の歩行距離:21.4km
本日の歩数:36,014歩