地球にあしあと

地球の色々なところに足跡をつけてきました。

カミーノにあしあと ~Maronas → Cee~

2011年01月26日 | Weblog
8/4(水) Maroñas → Cee
7:00頃、階下の巡礼者が出発の準備をする物音を聞いて起床。

ベッドのマットレスがあまり良くなかったので、疲れが取れていない。

7:45頃には出発の準備ができたが、2階で寝ていた人たちはまだ誰も出発する様子がない。
巡礼40日目にして初めて一番先に出発!(1階の部屋はもう空っぽになっていたけど。)



今日は曇りで山には霧がかかっている。
風が強く、寒い。
ここから10kmほどは何も出てこないので、ひたすら歩く。

歩いていると先に出発した1階の巡礼者たち(女性3人)に追いつく。
他は誰も見かけない。

とうもろこし畑が広がり、静かなカミーノで嬉しい。


Olveiroaの入口でようやく出て来たバルで朝食。
今風のおしゃれなところだった。
Olveiroaはもう少し大きな町かと思ったが、特になにもなく、本当に村という感じだった。
でも歩道が整備されていて、花が植えられていたりして、とても奇麗な村だ。



さらに5kmほどひたすら歩く。

途中、スィナと道端のベリーを摘んで食べながら歩く。




巡礼初期に道端のさくらんぼを摘んで食べたことが懐かしく思い出される。
そういえばスィナと2人、山の中でさくらんぼの種飛ばし競争をしたもんだ。




さて、私たちはFinisterreへ向かっているが、先にMuxíaに行き、最後にFinisterreで巡礼グッズを燃やす方が良いだろうかと話しあう。
Santiagoから先のガイドブックは持っていないので、あまり状況が分からない。



FinisterreとMuxíaの分岐点にあたるHospitalのバルで、店のおばさんに情報をもらう。
おばさんによると、ここからFinisterreへ向かう途中の町、Ceeまでは15km。(ガイドブックには12kmと書いてある。)
その間、お店も何もないので、ボカディーヨなど食料をしっかり持って行った方がいいと勧められる。

ちなみにMuxía方面に向かうと?と聞いてみると、途中にペンションしかなくアルベルゲはないとのこと。

じゃあやっぱりCee経由でFinisterreを目指しましょうということになり、まずはフレンチトルティーヤ、トマトのボカディーヨ、コーラで腹ごしらえ。

道中用には、チーズとトマトのボカディーヨ、バナナ、水を入手。



ここが分岐点。
右へ行くとMuxía、左へ進むとFinisterre。







左へ折れて少し進んでいくと、カミーノが封鎖されている。
回り道をするようにとの看板があったので、それに従って歩いて行くと、脇道からおじさんが2人出てきて「カミーノはあっちだよ」と言う。
「でも通行止めでテープが張ってあったので」と答えると、「大丈夫、大丈夫」と私たちを誘導。
そして、通行止めのテープと看板を外して、ガンガン中へ入って行く。
か、関係者?!

カミーノを歩きはじめると、重機で作業していたりする。
だから通行止めになっていたのか。
でもおじさんの許可もらったからいいのか。


大きな岩があったので、スィナが写真を撮っていると、また先ほどのおじさんたちが現れた。
どうやら1人は考古学者、もう1人はカミーノ友の会の人らしい。

「この岩は3000年前のものでね」などとうんちくを垂れてくれた。
スィナは「オランダにも古い岩があって、もっと小さいのにみんな騒いでるわ。ここの岩の大きさを見たら、オランダの名所なんて吹き飛んじゃうわね」と、家族に送るためせっせと証拠写真を撮っていた。



これまでのカミーノと違い、この道は粘土質な黒土で、松なども生えている。




途中、何台も重機が採石作業やら何やらしていた。


しばらく行くと教会が出て来た。
教会前には馬で旅をしているスペイン人家族が休憩していた。

私たちも教会前で休憩。
奥さんの方が「カップを持ってないか」と聞いてきた。
どうやらColacao(ココアの様な飲み物)が飲みたいけど、容器がないらしい。
牛乳と混ぜて作るので器が必要なのだ。

Iracheで蛇口から出るワインを飲んだっきり使ってなかったカップを貸してあげると、彼らはお礼にパンをくれた。

小学校低学年ぐらいの子供はわりと英語が分かるようだったが、親2人はほとんどできなかった。
馬巡礼に犬も連れていて、名前はベティ。



リュックが重いので、軽くするためにバナナを食べ、水を飲む。
その後ひたすら、延々と道が続き、本当に何も出てこない。
景色もほとんど変わらず、結構つらい道のりだ。
もういい加減巡礼生活も長いので、膝が痛くなってきた。


2時間以上、何もないところを黙々と歩き、ちょっとした石垣の残骸みたいなのがあったのでそこに腰をおろしてボカディーヨを食べる。

長ズボンを履いているのに、黒い土埃で足が真っ黒に汚れている。
はぁ~、あとどれくらいだろうか。



休憩を終えて坂を上るといきなり海が見えた!
Ceeだ




おおっ!
この時の感動と言ったら!


ずっと山の中を歩き続けてきて、初めて海を見ると感激。
このカミーノで一番感動した瞬間だと思う。
Santiagoのカテドラルに到着した時よりずっと達成感がある。

海を見て、ああ、ここまで歩いて来て本当に良かったと心から思う。







下り坂は石がゴロゴロしていてきつい。
やっと下り終え、最初に出て来たバルで到着を祝って乾杯。
飲み物はもちろんクララ(レモンジュース入りビール)にしよう!

おいしい!

スィナが「ここでクララとは良いアイデアだわ~」としきりに感心するので、「こういうことには天才的な能力を発揮するのよ、私」と答える。



さて、一服したのでアルベルゲを探そう。
途中で矢印や標識がなくなったので、アルベルゲの場所が分からず人に聞く。

教えられた通りに進み、また迷っていると地元のおじいちゃんが「あっちだよ」と教えてくれた。

が、それらしき建物が出てこない。
なんか、政府系の建物みたいなのが出て来たので、聞いてみようと中に入るが守衛室は空っぽ。

う~ん、どうしたことか。
スィナと二手に分かれて付近を探していると、フランス人のおじさんに声をかけられた。

彼も巡礼者らしく、「アルベルゲはそこだから」と先ほどの守衛のいない建物に導く。
なんか、まるで刑務所みたいな造りなんですけど。


フランス人に案内された部屋はベッドが数台あり、あとはコンクリートの床に直接マットレスが敷いてある。
何人かの巡礼者の荷物はあるが、人はいない。

オスピタレロもおらず、なんとも汚く変な場所だ。
治安的にもどうなのだろうか…。
スィナも同様に感じているらしい。


そういえばさっきクララを飲んだバルで、私営アルベルゲのチラシをもらってきていたので、そっちを探すことにした。
どうしてもチョイスがなければこの場所でも仕方ないが、どうもこの刑務所みたいな場所は気にかかる。
フランス人の目を盗んで、こそこそっと退散。


さて、私営アルベルゲの方はきちんと住所も書いてあるのだけれど、人に聞いても適当なスペイン人なので適当に教えられ、一向に正しい場所へたどり着かない。

そうこうしているうちに、とある親切なおじさんが「連れて行ってあげるよ」と誘導してくれた。
ほっとしてついて行っていたら、気が緩んだのか、疲れがたまっていたのか、ちょっとしたスロープでスィナが派手に転倒。

周りの人たちもびっくりして駆け寄って助け起こしてくれた。
ここでスィナは膝を強打し、血が出て来た。
今まで巡礼中怪我などなかったのに、ここへ来て負傷か。



ようやく私営のアルベルゲに到着。
10ユーロと少々高いが、小奇麗。

ここのオスピタレラはドイツ語ができるらしく、スィナとドイツ語で話し出した。
その後、なぜか私にまでドイツ語。
いや、大体何言ってるか分かったけどね、「洗濯機使う?それとも手洗い?」でしょ。
分かったけどドイツ語で返事できないので、身振り手振りで「手洗い」と伝える。
だからなんでドイツ語なんだよ~。

あとでスィナに聞くと、彼女のドイツ語はかなりブロークンで、分かりにくかったそうだ。
練習したかったんだね、きっと。


Ceeに到着したのは17:00だったのに、色々あってアルベルゲにチェックインできたのは18:00だった。
なんだかどっぷり疲れた。


シャワー室は奇麗だったけど、このアルベルゲの欠点は洗濯物が部屋干しなこと。
あ~あ、また乾かないよ。
そろそろ臭いも気になってるんだけどなあ。



夕方になり、アルベルゲの隣のバルで夕食。
9ユーロで食後のコーヒーまで含まれてお得だけど、せっかく海辺の町にいるのにこの格安メニューにはシーフードがついていない…。
スィナが転倒で足も痛めているし、かなり疲れている様子なので、今日の町歩きはナシ。
せっかくカルフールなんかもある大きな町なのに。

仕方なく、アルベルゲでちょっとインターネットを使ってから就寝。
スィナの隣のベッドのおばさんのイビキがうるさく、あまりよく眠れなかった。



この日、なぜかとても、とても寂しく感じた。



本当のゴールが近づいてるなあ。
















本日の歩行距離:約30km
本日の歩数:50,442歩