『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第1章  二つの引き金  60

2007-06-06 08:12:33 | トロイ城市は炎上消滅の運命であった。
 オデッセウスとメネラオスの二人は、ミチリニを出航してからの航走は、天候に恵まれ、無事に6昼夜の船旅を終え、ミレトスに着いた。船主と船長には、将来、二人の領主の地を訪れたとき、その待遇に特別の配慮をすることを約して礼を述べた。6日間の行をともにした水夫たちにも、その労をねぎらい下船した。ミレトスの業者に知り合いもいるメネラオスの口利きで、水、食糧など入用品等の積み込みの手配もした。
 船は、積み込みを終えて出港していった。その日も、澄み切って晴れ、空には、初秋の気が満ち、風は追風であった。
 下船した、オデッセウスとメネラオスの二人は、メネラオスと親交のある、ミレトスの僭主ミラマンドロスの館へと赴いた。ミラマンドロスは館にいた。メネラオスとミラマンドロスは、久しぶりの再会である。メネラオスから声をかけた。
 『おおっ!達者であったか。』
 『おおっ!見ての通りだ。達者だ!』
 二人は、元気での再会に肩を抱き合って、その実感を確かめた。