『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第1章  二つの引き金  79

2007-06-29 07:54:25 | トロイ城市は炎上消滅の運命であった。
 『なにっ!そのことについては、今は、触れるな!いいな。』
 メネラオスは、即発の感情をあらわにして、座をあとにした。
 スパルタの山河を照らす太陽は、大きく赤々と燃えていた。
 
 日が西の山稜に沈む頃になって、オデッセウスと軍船の一行がスパルタの城に着いた。メネラオスが出迎え、一同を宴会場へと誘った。一同には、新しい衣服が整えてあった。彼らにとって、スパルタの料理は珍しかった。ぶどう酒も充分に味わった。その夜の宴は、深更に至るまで続いた。

 メネラオスは、オデッセウスと話した。
 『オデッセウス、このあと、明後日まで、スパルタにいてほしい。明日、午後には、アガメムノン、テュンダレオスが来る。留守中に厄介な事件も起きていた。明日は、四者で話し合いを行う。話の筋をまとめておこうと思うが。トロイの件だ。頼む。』
 オデッセウスは、承諾した。