『さあ~、皆、よく見てみろ。この棒の影が、この線に重なったときが昼めし時なのだ。陽が昇り始めてから、これだけの時が経っている。昼めしまで、これだけの時があるとわかるのだ。皆、判ったか』
覗きこんでいた浜衆たちは納得したらしい。
『浜頭、こりゃ、重宝な道具ですね。頃合を知るのにうってつけの道具だがね』
『皆、聞いてくれ。今日、これから、アエネダナエの砦にアーモンドの大群生をどうするかの打ち合わせに行く。浜のこと宜しく頼むぞ。おい、キノン、それから、お前とお前、用意はいいか。よかったら、行くぞ』
彼は座を立った。『あのアーモンドの実を収穫するまで、あと半月ぐらいだ』 とつぶやいていた。彼の胸のうちには、集落の者たちも、あのアーモンドの収穫に参加させてやりたいという思いがあった。
トリタスは、ひとりでつぶやきながら、堅くしまった砂浜を砦に向かって歩いた。
アエネアスは、砦の西南の櫓に立っていた。その櫓を見上げるトリタスと近づいてくる彼らを見下ろすアエネアスと目線があったようである。双方とも呼応するかのように手をふった。
覗きこんでいた浜衆たちは納得したらしい。
『浜頭、こりゃ、重宝な道具ですね。頃合を知るのにうってつけの道具だがね』
『皆、聞いてくれ。今日、これから、アエネダナエの砦にアーモンドの大群生をどうするかの打ち合わせに行く。浜のこと宜しく頼むぞ。おい、キノン、それから、お前とお前、用意はいいか。よかったら、行くぞ』
彼は座を立った。『あのアーモンドの実を収穫するまで、あと半月ぐらいだ』 とつぶやいていた。彼の胸のうちには、集落の者たちも、あのアーモンドの収穫に参加させてやりたいという思いがあった。
トリタスは、ひとりでつぶやきながら、堅くしまった砂浜を砦に向かって歩いた。
アエネアスは、砦の西南の櫓に立っていた。その櫓を見上げるトリタスと近づいてくる彼らを見下ろすアエネアスと目線があったようである。双方とも呼応するかのように手をふった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_yaho.gif)