『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第2章  トラキアへ  306

2010-09-28 07:09:38 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 一同から拍手が沸きあがった。この光景を見て、アエネアスは『これでいける』と確信した。
 打ち合わせは進み、諸事が決められていった。アエネアスはトリタスを手で招いた。イリオネス、パリヌルス、アレテスにオキテス、主だった者たちがかたわらに立っている、彼は気軽にトリタスに声をかけた。
 『トリタス、もう昼も近い、昼めしを一緒に食べよう、馳走はないがどうだ』
 『え~え、結構です。ありがとうございます』
 トリタスは、砦の者たちとの一体感をこんなに強く感じたことはなかった。それとともにアエネアスとその取り巻きたちに絶大な信頼感を抱いた。
 役務と担当を任命された者たちは、直ちに段取りに取り掛かった。
 大群生地までのルートの整備には、キノンが参画した。彼の意見を充分に聞きいれ、ルート整備計画が念入りに練られた。
 全てがアーモンドの収穫に向かって始動した。
 この仕事にたづさわる者は、砦から620人、砦の人員の8割に及んだ。浜衆及び集落からは約200人、総勢820人という大人数が参加することになったのである。