アエネアスと側近、幹部は多忙であった。今度は広間において打ち合わせであった。
側近及び幹部連は、人口の集計結果をオロンテスから報告を受けた。
彼らが予想したとおりの結果であった。エノスの浜に到着したとき総員数が900人余りであったが、上陸時の小競り合いの闘い、そして、ポリメストルとの戦いで190人余りが命を失い減っていた。アエネアスまで含めた総員数が、729人となっていた。その詳細は、アエネアスの家族が3人、軍団に所属する戦闘員が550人、市民が176人であった。この176人の内訳は、成人男性が83人、老若女性合わせて75人、子供が18人と言う状態であった。
『そうか、総数で190人も減っていたのか』
アエネアスのつぶやいた言葉に一同がうなづいた。
アエネアスの胸は苦衷に痛んだ、彼は目を閉じて命を失った者たちの冥福を祈った。
目を開けたアエネアスは、一同に問いかけた。
『そこでだが、この地に残りたいと希望している者は何人くらいと考えられる?』
イリオネスが答えた。
『軍団の中では、6~7人と考えられます。オロンテス、市民の方はどれくらいと考えられる』
『そうですね。私の思いでは、20人余りと考えています』
『この地を離れる総勢が700人くらいか』
一同は、うなづき合った。