『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROI         第4章  船出  6

2011-11-14 07:58:44 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 パリヌルスは、任命した船長及び副長を招集した。
 明朝、軍団の者たちに申し渡す配属指示に関する要領についての手順を説明した。
 『どうだ、判ったか。要領を納得したな。物事がうまくいくか、いかないかがそれにかかっている。洋上に浮かんでいる船の中だ。そこにいる者たちの協力こそ、航海の安全を約束してくれるのだ。それを心に刻み込んで仕事をするのだ。俺が指示したとおりの要領で一同の配属を決めるのだ。なを、女性、子供たちを含む市民たちは、2隻の改造交易船への分乗となる。乗船人員はできるだけ均等を図ること、1隻あたりの乗船人員は、110人余りとなるはずである。また、改造交易船2隻の軍団の者の数は、50人くらいとして配属を決めること、市民たちの割り振りは、明朝、浜において、オロンテスがやる、以上だ。一同、質問はあるか』
 『判りました』
 『よっしゃ!やってくれっ』
 短いやり取りで一同はうなづいて、木版を片手に持ち協議を進めていった。
 側近幹部連は、パリヌルスの来るのを待っていた。
 アエネアスは、打ち合わせの案件について、率直な考えを述べた。
 案件は、次の諸件であった。まず一つ目は、この地に残る者たちの処遇、二つ目は砦を誰に引き継ぐか、三つ目は、浜頭トリタスとの話し合い、それとのからみで、エノス砦の領主エノゼリアスとの話し合いの件であった。
 打ち合わせの話し合いは進んだ。アエネアスは打ち合わせを締めくくった。