彼は、一同を見回した。
『ミコノスに向かうのに、いい条件の天候になるまで、この地にとどまらなければならないかも知れない。そのような懸念がある。夜が明けてみなければ判らないことだ。一同、判ったな。明日以降のことは、明日になって判断を下す。また、如何なることがあろうとも、大陸沿岸に沿って島づたいでミコノスを目指すことはない。以上だ。オロンテス、夕食の件をよろしく頼む。人手はすきなほど連れて行け。舟艇を使え、仕事がはかどる』
小屋の探索に出かけた二人が戻ってきた。
『おうっ!どうだった?』
『二つの小屋は、誰もいません。ここ数日使われてないようです』
『よし、そうか。ギアスにアレテス、お前ら二人は、統領、軍団長、アンキセス、ユールス、アカテスをその小屋に案内して、そこで過ごしてくれ。お前ら二人は彼ら五人の警護に当たってくれ。それから、もうひとつの小屋へは、女、子供たちを案内してくれ。そして誰か二人に申しつけて警護の任に当たらせてくれ。尚、夕食のことはオロンテスに言って手配を頼む。俺は一番船に、オキテスは二番船に添い寝で過ごす。明日のことは夜が明けてから決める。即、やってくれ』
『判りました』
『統領、軍団長、いま、話していた通りです。何卒よろしくお願いします』
『おう、有難う。話は判った』
イリオネスも統領とともにうなづいて、小屋のほうへと向かった。
話し合っている間も風は衰えず、休むこともなく吹きつけ、波は踊りまくっていた。
『ミコノスに向かうのに、いい条件の天候になるまで、この地にとどまらなければならないかも知れない。そのような懸念がある。夜が明けてみなければ判らないことだ。一同、判ったな。明日以降のことは、明日になって判断を下す。また、如何なることがあろうとも、大陸沿岸に沿って島づたいでミコノスを目指すことはない。以上だ。オロンテス、夕食の件をよろしく頼む。人手はすきなほど連れて行け。舟艇を使え、仕事がはかどる』
小屋の探索に出かけた二人が戻ってきた。
『おうっ!どうだった?』
『二つの小屋は、誰もいません。ここ数日使われてないようです』
『よし、そうか。ギアスにアレテス、お前ら二人は、統領、軍団長、アンキセス、ユールス、アカテスをその小屋に案内して、そこで過ごしてくれ。お前ら二人は彼ら五人の警護に当たってくれ。それから、もうひとつの小屋へは、女、子供たちを案内してくれ。そして誰か二人に申しつけて警護の任に当たらせてくれ。尚、夕食のことはオロンテスに言って手配を頼む。俺は一番船に、オキテスは二番船に添い寝で過ごす。明日のことは夜が明けてから決める。即、やってくれ』
『判りました』
『統領、軍団長、いま、話していた通りです。何卒よろしくお願いします』
『おう、有難う。話は判った』
イリオネスも統領とともにうなづいて、小屋のほうへと向かった。
話し合っている間も風は衰えず、休むこともなく吹きつけ、波は踊りまくっていた。