『俺の予測か、答えはアカテスの言い分とそっくりだ。明日の風向きだ。我々にとって条件のいい風向きであってほしい。我々が『うちわ』で風を起こしてどうにかなるものではない。また、それを望んで祈って、そのようになるものでもない。判っていながら、そうせずにはいられない。まあ~、運の領域だ』
『お前の言うとおりだ。南からの風だけはごめんだ』
アカテスが口を挟んだ。
『お前ら、どう考えている、それではちっとも理詰めではないな。この小島の立地だ、早朝は東からの風が期待できる。この風は、海上では北からの風にかわる確率が高い、我々の総意が、風を有利な条件に必ず変える。まあ~、そのように信じて疑わないことだ。必ず、何かが我々に味方すると考えることだ。そうは思わんか』
『老アカテス、あなたの考えはなかなか理詰めだ。恐れ入った。アカテスお前の言うとおりだ。俺としたことがちょっと考えが浅かった。ひと言を祈っても、その集中が違う。実現の確率が高くなる。よく言ってくれた、有難う』
『そうするより、仕方あるまい』
『パリヌルス、明早朝、ミコノスに向けて出航だ。そのように意志を決めよう』
『判った。意志は決まった。今日、これからの段取りをする』
ユールスは、傍らに立って、怪訝な表情で海を眺めていた。彼の瞳からは希望の耀きが出ていた。
『オキテス、いいか。迷わずそれでいく、いいな』
『おうっ、パリヌルス、それでいい』
二人は心を決めた。
『お前の言うとおりだ。南からの風だけはごめんだ』
アカテスが口を挟んだ。
『お前ら、どう考えている、それではちっとも理詰めではないな。この小島の立地だ、早朝は東からの風が期待できる。この風は、海上では北からの風にかわる確率が高い、我々の総意が、風を有利な条件に必ず変える。まあ~、そのように信じて疑わないことだ。必ず、何かが我々に味方すると考えることだ。そうは思わんか』
『老アカテス、あなたの考えはなかなか理詰めだ。恐れ入った。アカテスお前の言うとおりだ。俺としたことがちょっと考えが浅かった。ひと言を祈っても、その集中が違う。実現の確率が高くなる。よく言ってくれた、有難う』
『そうするより、仕方あるまい』
『パリヌルス、明早朝、ミコノスに向けて出航だ。そのように意志を決めよう』
『判った。意志は決まった。今日、これからの段取りをする』
ユールスは、傍らに立って、怪訝な表情で海を眺めていた。彼の瞳からは希望の耀きが出ていた。
『オキテス、いいか。迷わずそれでいく、いいな』
『おうっ、パリヌルス、それでいい』
二人は心を決めた。
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