パリヌルスは、イリオネスと目を合わせて口を開いた。
『軍団長、私は話を続けようと思っていますがよろしいでしょうか』
『それはいいが、俺から、ひとつ、ことわりを入れておきたいのだが、いいか』
『お聞きします』
『エノスを出るときには、この航海を軽く考えたように思う。というのは、如何なる危機でも斥けることができると考えていた。どのような危機があるとも知らずにだ。俺の思い上がりだった。お前たち二人は、その危機を慎重に考えてくれていた。俺は遭遇する危機を軽んじていた。許せ。二人には深く詫びを言う。このあと、航海及び事の運びについて、全く君たちたよりだ。統領はじめ俺に対しても言いたいことがあったら何でも言ってくれ、そういうことだ。話を続けてくれ』
イリオネスは述懐の弁を述べた。
『そのような事、気にしないでください。私ども何も思っていません。判りました。ミコノスは交易の盛んな島です。各方面、ギリシア本土はもちろん、クレタからも、西アジアの沿岸からも交易人が訪れています。また、そこから、目と鼻の先の位置にあるデユロス島は、アポロの島でもあり、年中、人の出入りの多い島です。私たちが考えるような集団の争いごと、それは少ないと考えていいと思われます。統領、軍団長、そして、アンキセス、ユールスと家族とその友人が連れだっての船旅を装ってデユロスを訪ねていただければ、それでいいと考えています』
彼の話に三人は納得した。
『軍団長、私は話を続けようと思っていますがよろしいでしょうか』
『それはいいが、俺から、ひとつ、ことわりを入れておきたいのだが、いいか』
『お聞きします』
『エノスを出るときには、この航海を軽く考えたように思う。というのは、如何なる危機でも斥けることができると考えていた。どのような危機があるとも知らずにだ。俺の思い上がりだった。お前たち二人は、その危機を慎重に考えてくれていた。俺は遭遇する危機を軽んじていた。許せ。二人には深く詫びを言う。このあと、航海及び事の運びについて、全く君たちたよりだ。統領はじめ俺に対しても言いたいことがあったら何でも言ってくれ、そういうことだ。話を続けてくれ』
イリオネスは述懐の弁を述べた。
『そのような事、気にしないでください。私ども何も思っていません。判りました。ミコノスは交易の盛んな島です。各方面、ギリシア本土はもちろん、クレタからも、西アジアの沿岸からも交易人が訪れています。また、そこから、目と鼻の先の位置にあるデユロス島は、アポロの島でもあり、年中、人の出入りの多い島です。私たちが考えるような集団の争いごと、それは少ないと考えていいと思われます。統領、軍団長、そして、アンキセス、ユールスと家族とその友人が連れだっての船旅を装ってデユロスを訪ねていただければ、それでいいと考えています』
彼の話に三人は納得した。