『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  226

2014-03-11 08:29:30 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 金鉱床のあるところには平たい石に幅20センチくらい深さ17~18センチの溝を削って作り、その石(チャンネル石と言われている)をつないで敷き並べ水路をつくり、採鉱した鉱石を砕き、流水による金粒の重力選鉱方法で金を採集していた。採鉱した金鉱石を砕く石臼、石水桶が鉱山の遺跡で見られる。このような金、銅の鉱山を領していたトロイの歴代の王とその一族は、それらの地下資源、金、銅の類をほしいままにして膨大な富を保有していたのであろう。
 統領の父アンキセスは、一軍を率いて、それらの金銅の鉱山を取り締まり、宰領していたのである。アンキセスがアヱネアスらにまだ明らかにはしていないが、彼の片腕であったアカテスがトロイを脱出する際にアンキセスの命を受けて、蓄えていた金を持てるだけ持って脱出したのである。
 現今、トルコ鉱物資源調査開発総局が2002年以降、これらの古代アステイラ地方の鉱山跡のボウリング、試掘を実行している。数か所の鉱床が採算が取れると判断されているらしい状況である。

 オキテスは、今日、樹木調査に出かけるマクロスとソリタンを朝から呼んで打ち合わせていた。
 『それでどうだ。『風風感知器』本体に使う用材は、カシ、ナラのどちらでもいいように思うのだが。この二つを比べた場合、カシがいいように思う。しかしだ、ここに使う木材だけは軽い木材が望ましい、キリ材が最適だろうと考える。製作目標30器に使う量もこれくらいの太さで1本もあれば足りると考えている』
 オキテスは手を使って、望ましい木の幹の太さを示した。二人は、それを目にして納得した。
 『心得ました』
 マクロスが返事を返した。
 『ところで、ソリタン。調査隊をどのあたりの樹林帯へ案内しようと考えている?』
 彼は、『はい』と答えて持参してきた木板をオキテスの前においた。