『隊長!やりました。思ったとおりでした。消えない海中をこの目で見た気分でした』とアレテス。今日の結果に彼は有頂天で理屈は不要であった。
『オキテス殿!あの釣り針いい針でした。つり落としをやりませんでした』とギョリダが報告した。二人は彼ら二人に『よかった!よかった!』の快哉を連発して喜びを共にした。浜も喜びのるつぼであった。アレテスが声をかけてきた。
『隊長!この喜び皆で味わいましょう』
アレテスは始めようとしている食事の場へと二人を誘った。
『ありがとう喜んで相伴にあづかる。ギアス、皆もつれて来い!』
食事の場に来て二人は驚いた。釣りあげた魚が山となっている。二人が予想した以上の釣果を目にした。口を衝いて出た言葉は『これは、すごい!』であった。心の底から笑いがこみあげてきて二人の顔はほころんだ。結果が望んだ通りであればそれでいい、彼らにプロセスの解析は不要であった。
パリヌルスとオキテスの思惑は、アレテス、ギョリダとは異にしている。アレテス、ギョリダの思惑は漁師的な思惑であり、パリヌルス、オキテスの思惑は今風に言うと事業家的思惑であった。
食事の風景は、各自が手にしている串の棒を各自それぞれが魚に突き刺し、火にあぶる、口に運ぶといった原始の男たちの食事風景であった。彼らは、『うまい!うまい!』で腹を満たした。
パリヌルスのささやき声がオキテスの耳を打った。
『もうそろそろ行こう』
『判った』
『ギアス、行くぞ!』
彼らは、アレテスらに礼を言って、浜を離れた。
舟艇は、浜の岸に沿って北東へと波を割った。斜め後方からの風を帆に受けて艇は進んだ。帆走である、風にはその力が充分にあった。
パリヌルスは、ギアスに二言、三言、気にかけていることを説明した。程なく島の北端に至った。艇は西に向かって回頭した。風向きは向かい風に変わる。ギアスの指示が飛ぶ、帆はおろし、漕走に切り替えた。漕ぎかた一同は声を上げて漕いだ。波はやや荒めである。しかし、艇を翻弄する波ではない。パリヌルスは漕艇に関しては気にする必要のない微妙な舟艇の軋みを感じ取っていた。艇を進める漕力、波の力とのせめぎ合いの軋みであろうと感じ取っていた。波の力と向かい風、この現状に抗する構造的な危惧は感じられなかった。
舟艇は、その使用目的に関しての構造で造られている。パリヌルスは、波浪とその衝撃負荷に対する構造的な艇の対応力に注意を払った。
『オキテス殿!あの釣り針いい針でした。つり落としをやりませんでした』とギョリダが報告した。二人は彼ら二人に『よかった!よかった!』の快哉を連発して喜びを共にした。浜も喜びのるつぼであった。アレテスが声をかけてきた。
『隊長!この喜び皆で味わいましょう』
アレテスは始めようとしている食事の場へと二人を誘った。
『ありがとう喜んで相伴にあづかる。ギアス、皆もつれて来い!』
食事の場に来て二人は驚いた。釣りあげた魚が山となっている。二人が予想した以上の釣果を目にした。口を衝いて出た言葉は『これは、すごい!』であった。心の底から笑いがこみあげてきて二人の顔はほころんだ。結果が望んだ通りであればそれでいい、彼らにプロセスの解析は不要であった。
パリヌルスとオキテスの思惑は、アレテス、ギョリダとは異にしている。アレテス、ギョリダの思惑は漁師的な思惑であり、パリヌルス、オキテスの思惑は今風に言うと事業家的思惑であった。
食事の風景は、各自が手にしている串の棒を各自それぞれが魚に突き刺し、火にあぶる、口に運ぶといった原始の男たちの食事風景であった。彼らは、『うまい!うまい!』で腹を満たした。
パリヌルスのささやき声がオキテスの耳を打った。
『もうそろそろ行こう』
『判った』
『ギアス、行くぞ!』
彼らは、アレテスらに礼を言って、浜を離れた。
舟艇は、浜の岸に沿って北東へと波を割った。斜め後方からの風を帆に受けて艇は進んだ。帆走である、風にはその力が充分にあった。
パリヌルスは、ギアスに二言、三言、気にかけていることを説明した。程なく島の北端に至った。艇は西に向かって回頭した。風向きは向かい風に変わる。ギアスの指示が飛ぶ、帆はおろし、漕走に切り替えた。漕ぎかた一同は声を上げて漕いだ。波はやや荒めである。しかし、艇を翻弄する波ではない。パリヌルスは漕艇に関しては気にする必要のない微妙な舟艇の軋みを感じ取っていた。艇を進める漕力、波の力とのせめぎ合いの軋みであろうと感じ取っていた。波の力と向かい風、この現状に抗する構造的な危惧は感じられなかった。
舟艇は、その使用目的に関しての構造で造られている。パリヌルスは、波浪とその衝撃負荷に対する構造的な艇の対応力に注意を払った。
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