『統領、ゼウス大神の神殿に着きました。神殿の在り場所が山中ということもあり、デルフオイ、デロスのアポロンの神殿に比べて、神域は広いとは言えません。ですが、ゼウス大神の神殿です。神威高く尊厳の神殿です』
アヱネアスは、神殿の尊厳の神域にあることを感じた。彼はクリテスがガイドしてきた労をねぎらった。
『おう、クリテス、ご苦労であった』
『統領、ありがとうございます。只今より神殿の方へ案内いたします。神官も巫女たちも私を知っております。では、まいりましょう』
クリテスは、先にたって、アヱネアス、イリオネスの二人を導いて、立ち木まばらな広場らしきところを横切って林の奥へと入っていった。そこには木々はなく開かれた石畳の空間であり、光のあふれる空間であった。
神殿は、クノッソス宮殿の建築様式で造られた彩色豊かな柱にしつらえた木造の神殿であった。天を衝くように直立する14本の柱、奥まったところに安置されているゼウス大神神像、アヱネアスを圧倒した。
一人の神官と三人の巫女が彼ら三人に目線向け低頭した。神官は尊厳性のある言葉と声音でアヱネアスに声をかけた。
『遠く離れたところへよくぞお越しになられた。神意をもってお迎えいたします。あなた様が、今、このクレタの地にとどまりなされているのは、大神の神意です。疑心なきようにご理解ください』
『有難い言葉です。謹んでその言葉を受けます』
言葉を交わし終えた二人、アヱネアスはイリオネスに声をかけた。
『イリオネス、供物を祭壇に、、、』
『判りました』
イリオネスは持参した金銀を祭壇に供えた。巫女が供物のカタチを整える。
神官は、神像に事の始まりを上申した。それを終えた神官はクリテスに声をかけた。
『お~お、クリテス、久しくこの地におもむいたな。達者な様子ご苦労であった』
神官は言い終えて、アヱネアスの方へ身体を向けた。
『アヱネアス殿、たいそうな供物ありがとう。大神に代わって礼を言います。今日ここで貴方に申し渡す神託は、通辞の必要はありません。何卒、人払いを、、、』
アヱネアスは、二人をこの場から去らせた。神官は三人の巫女もこの場から去らせた。
大神像の神前にはアヱネアスと神官の二人きりとなった。
アヱネアスは、神殿の尊厳の神域にあることを感じた。彼はクリテスがガイドしてきた労をねぎらった。
『おう、クリテス、ご苦労であった』
『統領、ありがとうございます。只今より神殿の方へ案内いたします。神官も巫女たちも私を知っております。では、まいりましょう』
クリテスは、先にたって、アヱネアス、イリオネスの二人を導いて、立ち木まばらな広場らしきところを横切って林の奥へと入っていった。そこには木々はなく開かれた石畳の空間であり、光のあふれる空間であった。
神殿は、クノッソス宮殿の建築様式で造られた彩色豊かな柱にしつらえた木造の神殿であった。天を衝くように直立する14本の柱、奥まったところに安置されているゼウス大神神像、アヱネアスを圧倒した。
一人の神官と三人の巫女が彼ら三人に目線向け低頭した。神官は尊厳性のある言葉と声音でアヱネアスに声をかけた。
『遠く離れたところへよくぞお越しになられた。神意をもってお迎えいたします。あなた様が、今、このクレタの地にとどまりなされているのは、大神の神意です。疑心なきようにご理解ください』
『有難い言葉です。謹んでその言葉を受けます』
言葉を交わし終えた二人、アヱネアスはイリオネスに声をかけた。
『イリオネス、供物を祭壇に、、、』
『判りました』
イリオネスは持参した金銀を祭壇に供えた。巫女が供物のカタチを整える。
神官は、神像に事の始まりを上申した。それを終えた神官はクリテスに声をかけた。
『お~お、クリテス、久しくこの地におもむいたな。達者な様子ご苦労であった』
神官は言い終えて、アヱネアスの方へ身体を向けた。
『アヱネアス殿、たいそうな供物ありがとう。大神に代わって礼を言います。今日ここで貴方に申し渡す神託は、通辞の必要はありません。何卒、人払いを、、、』
アヱネアスは、二人をこの場から去らせた。神官は三人の巫女もこの場から去らせた。
大神像の神前にはアヱネアスと神官の二人きりとなった。