アヱネアスと神官の二人きりとなった神殿、その場は身を凍らせるような気配が漂いアヱネアスは鳥肌を立てた。二人はうすべりの座布の上に身を置いた。
『アヱネアス殿、最初にことわりを申し上げますがよろしいかな。私はゼウス大神よりあなたに伝えるべく神託を預かっています。只今より、ここはあなた様と私の語らいの場です。身体から力を抜いて心に気をみなぎらせてください。それができたら始めましょう。いいですね』
『よろしいです』
『では、始めます。語らいは過ぎたこと、そして、今を語りません。アヱネアス殿、語り合うことは遠くはない未来の事です。質問があれば遠慮することなく聞いてください。二件又は三件の中での一つを選択、執行は貴方自身です。この執行については、いずれ如何なる時もゼウス大神のご加護があることをお忘れなきように。貴方がやろうと考えられたことを執行してください。事は必ず成就します。物事の成就は時間の長短です。以上です』
『判りました。謹んで語らいたいと存じます』
その返事を聞いて神官は口を開いた。
『まず一番目はーーーーー』から語らいが始まった。語らいはアヱネアスがイメージを描けるくらいに具体性をもって語られた。
『建国の地については、あと1年、新暦のころには、このクレタがその地であるかないかについて答えが出るはずです。毎日勤勉に仕事に精を出し、それによっての答えです。建国に関する事案、これについては、想像することもかなわないような長大な時間、いや年月がかかります。それは300年、いやもっとかかるかな、貴方の家系の末裔がそのことを為します。その地が建国の地であるとする杭を、その大地に打ち込んで300有余年、貴方の末裔の二人兄弟のうちの一人によって事がなされます。想い起される事案、事態の構築及び解決はすべてことが成ります。事案事態の構築解決は、時間の長短です。ただそれだけの事です。語らいはここまでです。貴方が建国の地を定めるところまでです。建国の地を定めるまでどれだけの時間がかかるかはゼウス大神の御心の事です。あとは諸事、貴方にゆだねられています。建国の地に杭を打ち込む、ゼウス大神の神殿を建設されるとかーーー。事態はあなたにゆだねられて進展します』
『判りました。神託を奉持て日々の仕事に勤勉に努めていきます』
『それは日々の大切な務めです』
語り終えた神官はうやうやしく大神の神像を仰ぎ見て、深々と低頭した、その様子に心情が満ち溢れていた。
『神官。ありがとうございました。ではこれにて』
アヱネアスは神官に感謝の意を伝え神殿を出た。
風が吹き過ぎていく、木々ははずれの音を奏でていた。
アヱネアスが神殿を退去する、一同が駆け寄る、アヱネアスの表情はすがすがしさをたたえていた。
『アヱネアス殿、最初にことわりを申し上げますがよろしいかな。私はゼウス大神よりあなたに伝えるべく神託を預かっています。只今より、ここはあなた様と私の語らいの場です。身体から力を抜いて心に気をみなぎらせてください。それができたら始めましょう。いいですね』
『よろしいです』
『では、始めます。語らいは過ぎたこと、そして、今を語りません。アヱネアス殿、語り合うことは遠くはない未来の事です。質問があれば遠慮することなく聞いてください。二件又は三件の中での一つを選択、執行は貴方自身です。この執行については、いずれ如何なる時もゼウス大神のご加護があることをお忘れなきように。貴方がやろうと考えられたことを執行してください。事は必ず成就します。物事の成就は時間の長短です。以上です』
『判りました。謹んで語らいたいと存じます』
その返事を聞いて神官は口を開いた。
『まず一番目はーーーーー』から語らいが始まった。語らいはアヱネアスがイメージを描けるくらいに具体性をもって語られた。
『建国の地については、あと1年、新暦のころには、このクレタがその地であるかないかについて答えが出るはずです。毎日勤勉に仕事に精を出し、それによっての答えです。建国に関する事案、これについては、想像することもかなわないような長大な時間、いや年月がかかります。それは300年、いやもっとかかるかな、貴方の家系の末裔がそのことを為します。その地が建国の地であるとする杭を、その大地に打ち込んで300有余年、貴方の末裔の二人兄弟のうちの一人によって事がなされます。想い起される事案、事態の構築及び解決はすべてことが成ります。事案事態の構築解決は、時間の長短です。ただそれだけの事です。語らいはここまでです。貴方が建国の地を定めるところまでです。建国の地を定めるまでどれだけの時間がかかるかはゼウス大神の御心の事です。あとは諸事、貴方にゆだねられています。建国の地に杭を打ち込む、ゼウス大神の神殿を建設されるとかーーー。事態はあなたにゆだねられて進展します』
『判りました。神託を奉持て日々の仕事に勤勉に努めていきます』
『それは日々の大切な務めです』
語り終えた神官はうやうやしく大神の神像を仰ぎ見て、深々と低頭した、その様子に心情が満ち溢れていた。
『神官。ありがとうございました。ではこれにて』
アヱネアスは神官に感謝の意を伝え神殿を出た。
風が吹き過ぎていく、木々ははずれの音を奏でていた。
アヱネアスが神殿を退去する、一同が駆け寄る、アヱネアスの表情はすがすがしさをたたえていた。