『あっ!父上、お帰りなさい』
アヱネアスは、ユールスを浅瀬から抱き上げて、少々深みのところへ移った。彼は、7日ぶりに息子を抱いた、その成長を抱いた。
朝行事を終えて、ユールス、父アンキセス、アカテスの4人で朝食をともにした。イデー山山行が話題となった。みやげに持ち帰った大皿を一同に見せた。父とアカテスが驚きの目を見張った。
『ややっ!これはこれは見事な大皿ですな。これは驚いた。このような見事な大皿ははじめて目にします。眼福です。統領、ありがとうございます』
朝食を終えてアヱネアスは父に声をかけた。
『親父殿、イデー山の神殿でのことはあとからゆっくり話す。貴方の考えも聞きたい』
『判った。待っている』
アンキセスは、瞬きとうなづきでこれに答えた。
アヱネアスは場から立ち上がる。朝陽を受けて、明るい宿舎の戸口に立った。庭先で待っていたイリオネスが朝の挨拶をする。
『おはようございます。昨晩はよく眠れましたか?』
『横になったが、なかなか寝つけなかった。お前はどうだった?』
『あ~、私ですか、私は単純な出来です。横になったと思ったら、たちまち眠りました。朝まで熟睡です』
『それはよかったな。よく眠る、起床時の頭の冴えが違う。うらやましいことだ』
『そうですかな』
『よしっ!イリオネス、行こうか。午前中は各所を見まわる。午後は報告を聞いて打ち合わせをやる。今はそうでもないが、切所に立つときが必ず来る。そのとき、急かされることなく正しい決断をしなければならない。頼むぞ、イリオネス』
『判りました』
イリオネスは考えた。この山行の5日間に何があったのだろうかと考えた。彼は山行の前とは異なるアヱネアスを見た。
二人は、二人の従卒を連れて歩みだした。
『先ず、浜へ行く』
4人は浜への道を下って行った。浜に立った二人が目にしたのは前にもまして、活気あふれる浜の風景であった。それを目にしたアヱネアスは安堵した。
掛け声、呼び声があちこちに飛んでいる、声が凛としている、身の動きがきびきびとして軽やかであった。
ギアスと漕ぎかたの一同がヘルメスの手入れの最中である。ギアスが二人の姿を見て朝の挨拶をした。
アヱネアスは、ユールスを浅瀬から抱き上げて、少々深みのところへ移った。彼は、7日ぶりに息子を抱いた、その成長を抱いた。
朝行事を終えて、ユールス、父アンキセス、アカテスの4人で朝食をともにした。イデー山山行が話題となった。みやげに持ち帰った大皿を一同に見せた。父とアカテスが驚きの目を見張った。
『ややっ!これはこれは見事な大皿ですな。これは驚いた。このような見事な大皿ははじめて目にします。眼福です。統領、ありがとうございます』
朝食を終えてアヱネアスは父に声をかけた。
『親父殿、イデー山の神殿でのことはあとからゆっくり話す。貴方の考えも聞きたい』
『判った。待っている』
アンキセスは、瞬きとうなづきでこれに答えた。
アヱネアスは場から立ち上がる。朝陽を受けて、明るい宿舎の戸口に立った。庭先で待っていたイリオネスが朝の挨拶をする。
『おはようございます。昨晩はよく眠れましたか?』
『横になったが、なかなか寝つけなかった。お前はどうだった?』
『あ~、私ですか、私は単純な出来です。横になったと思ったら、たちまち眠りました。朝まで熟睡です』
『それはよかったな。よく眠る、起床時の頭の冴えが違う。うらやましいことだ』
『そうですかな』
『よしっ!イリオネス、行こうか。午前中は各所を見まわる。午後は報告を聞いて打ち合わせをやる。今はそうでもないが、切所に立つときが必ず来る。そのとき、急かされることなく正しい決断をしなければならない。頼むぞ、イリオネス』
『判りました』
イリオネスは考えた。この山行の5日間に何があったのだろうかと考えた。彼は山行の前とは異なるアヱネアスを見た。
二人は、二人の従卒を連れて歩みだした。
『先ず、浜へ行く』
4人は浜への道を下って行った。浜に立った二人が目にしたのは前にもまして、活気あふれる浜の風景であった。それを目にしたアヱネアスは安堵した。
掛け声、呼び声があちこちに飛んでいる、声が凛としている、身の動きがきびきびとして軽やかであった。
ギアスと漕ぎかたの一同がヘルメスの手入れの最中である。ギアスが二人の姿を見て朝の挨拶をした。
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