『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  545

2015-06-12 14:06:55 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 アヱネアスとイリオネスは、各事業体からの報告を受けて稼働状態を把握した。アヱネアスが一同と目を合わせて口を開く。
 『諸君!今の報告を聞いて事業体が順調に稼働し機能していることを理解した。変事なきよう順調に日々の業務が進行するように努めていってもらいたい。ところで造船事業の方であるが、これから向こう一か月ぐらいの段取りを説明してほしい。それをここにいる一同が共有して応援していこうと考えている。パリヌルスか、オキテス説明してほしい』
 『判りました。私が説明いたします』
 オキテスが説明を始めた。
 『ーーーーー。といった段取りで事を進めていきます』と結んだ。一同が理解する。
 『おう、オキテス、よく判った。応援していくぞ。軍団長、他に話しておくことがあるかな』
 イリオネスとアヱネアスが目を合わせうなづき合い、打ち合わせの締めの言葉を述べた。
 『諸君!日々の務めご苦労。君らが労多くして、ねぎらいもされず日々努めてくれている。感謝している。この場でその苦労にありがとうと言わせてもらう。以上で今日の打ち合わせを終わる。統領から何かありますか?』
 『おう、あるある。皆、聞いてくれ。このたびの山行でイデー山の頂上に登った。その時の体験談を機会を設けて、話して聞かせようと思っている。期待してくれていい。以上だ』
 『それはそれは、是非、聞きたいものです。統領、お願いいたします』
 一同が答えた。皆に配られたぶどう酒を口にして場を解いた。
 アヱネアスとイリオネスの二人は、一同から聞き取った状況を解析して総括を行った。順調の裏に潜む落とし穴の事を考えた。イリオネスの懸念は収益の事であり、入るを計って支出の調整であった。
 『統領、耳に入れておきますが、現在の状況を維持継続していけば、何ら心配に及びません。継続するは、それは力です。気を配ってまいります』