戦闘艇の試作艇を造るドックスに船棟梁として大きな懸念があった。
パリヌルス隊長には告げることのできない懸念である。ドックス自身が検討し、選定し、決定しなければならない大切な案件である。
船は海に浮かび、波に抗って、海洋を移動する建造物である。そのような物であるだけに堅牢であり、受ける外力に対する抗力をも必要としている。
ドックスは、遂行目的を有して海洋を航行する建造物は、どうあるべきかについて、深く、広くに想いを到らせて構造を思考した。
『パリヌルス隊長、どうしてもその場にスタンスして、手で触れ、考え、検討をして、選び、解決しなければならないことがあります。試作艇建造の工程に関する件ですが、明日、午前中に提示すると言いましたが、明後日の午前中ということにしていただけないでしょうか。明日、オキテス隊長がキドニアに出かけられるのに同道して、キドニアに出かけてきます。お願いいたします』
『おう、何かむつかしいことのようだな。工程等の提示の件だが了解した』
打ち合わせを終えたパリヌルスは、席を立って場を離れていく、見送ったドックスは身をオキテスに近づけて、ささやくような小声で話しかけた。
『おう、ドックス、どうした?小声でなんだ?』
『オキテス隊長、大きな声で言えない心配事です。明日のオキテス隊長のキドニア行きに同道します。試作艇の建造に取り掛かる前に、何としてもやらなければならないことがあります』
『ほう、と言うとなんだ?』
『よくよく考えると、戦闘艇建造に使う造作金具類は、いま私たちが使っているものでよいのかどうかということです。このたびの建造に使う造作金具類を検討したいと考えています。戦闘艇に使う部材は、新艇に使った部材とは違います。戦闘艇を造りあげる造作金具類を検討して選びたいと考えています。よろしくお願いします』
『おう、解った。そのような品物を取り扱っている集散所の売り場に案内してやる。よく検討して、選び、決めろ!買うと決まれば、その時に話を聞く、あとは任せろ!そういうことだ』
『ありがとうございます』
ドックスのキドニア行きが決定した。
日が新たまる。オキテスに連れだってドックスはキドニアに出かけた。
オキテスは、迷うことなくドックスが用件をする売り場へ連れていく。
『ドックス、ここだ!』
『ありがとうございます』
オキテスが売り場の担当者に声をかける。
『おう、ご主人。この者は我々の造船の場を取り締まっている船棟梁のドックスだ。建造する船の造作金具類を見たいと言っている。俺は所用があって同席しない。よろしく頼む』
『これはこれは、オキテス殿、了解しました』
『ドックス、そういうことだ。俺は、ガリダ頭領のところへ行ってくる。なんでも相談して、検討しろ、そのうえで決めればいい。ではな。あ~あ、それからだが用件の都合で俺たちが返ってくるのが遅くなるやもしれん。ギアスに俺が返ってくるまで待つように言ってくれ』
『解りました』
オキテスはそのように言って従卒を連れて集散所をあとにした。
パリヌルス隊長には告げることのできない懸念である。ドックス自身が検討し、選定し、決定しなければならない大切な案件である。
船は海に浮かび、波に抗って、海洋を移動する建造物である。そのような物であるだけに堅牢であり、受ける外力に対する抗力をも必要としている。
ドックスは、遂行目的を有して海洋を航行する建造物は、どうあるべきかについて、深く、広くに想いを到らせて構造を思考した。
『パリヌルス隊長、どうしてもその場にスタンスして、手で触れ、考え、検討をして、選び、解決しなければならないことがあります。試作艇建造の工程に関する件ですが、明日、午前中に提示すると言いましたが、明後日の午前中ということにしていただけないでしょうか。明日、オキテス隊長がキドニアに出かけられるのに同道して、キドニアに出かけてきます。お願いいたします』
『おう、何かむつかしいことのようだな。工程等の提示の件だが了解した』
打ち合わせを終えたパリヌルスは、席を立って場を離れていく、見送ったドックスは身をオキテスに近づけて、ささやくような小声で話しかけた。
『おう、ドックス、どうした?小声でなんだ?』
『オキテス隊長、大きな声で言えない心配事です。明日のオキテス隊長のキドニア行きに同道します。試作艇の建造に取り掛かる前に、何としてもやらなければならないことがあります』
『ほう、と言うとなんだ?』
『よくよく考えると、戦闘艇建造に使う造作金具類は、いま私たちが使っているものでよいのかどうかということです。このたびの建造に使う造作金具類を検討したいと考えています。戦闘艇に使う部材は、新艇に使った部材とは違います。戦闘艇を造りあげる造作金具類を検討して選びたいと考えています。よろしくお願いします』
『おう、解った。そのような品物を取り扱っている集散所の売り場に案内してやる。よく検討して、選び、決めろ!買うと決まれば、その時に話を聞く、あとは任せろ!そういうことだ』
『ありがとうございます』
ドックスのキドニア行きが決定した。
日が新たまる。オキテスに連れだってドックスはキドニアに出かけた。
オキテスは、迷うことなくドックスが用件をする売り場へ連れていく。
『ドックス、ここだ!』
『ありがとうございます』
オキテスが売り場の担当者に声をかける。
『おう、ご主人。この者は我々の造船の場を取り締まっている船棟梁のドックスだ。建造する船の造作金具類を見たいと言っている。俺は所用があって同席しない。よろしく頼む』
『これはこれは、オキテス殿、了解しました』
『ドックス、そういうことだ。俺は、ガリダ頭領のところへ行ってくる。なんでも相談して、検討しろ、そのうえで決めればいい。ではな。あ~あ、それからだが用件の都合で俺たちが返ってくるのが遅くなるやもしれん。ギアスに俺が返ってくるまで待つように言ってくれ』
『解りました』
オキテスはそのように言って従卒を連れて集散所をあとにした。
