『お前の持っているものを出してくれればそれでいい。例えばお前の持っている知的技術力だ。俺はそれで大満足する。そのうえ、多くの人に感謝される。お前の輝く立ち位置だ。いい成果をおさめる。人々が感動する。タライの中の水だよ』
『委員長、タライノ中の水とはどんな意味ですか?私には理解できませんが』
『お前それを聞くのか。では説明してやる。これはたとえ話だ。タライの中にある水を手で持って向こうへ押しやる、押しやった水がま~るく波紋を描いて戻ってくる、お前のやったことの反響だ。それも波となって広がりながらだ。人間が生きている世間は、そのような状態でもって動いている。ま~、そういうことだ』
『へえ~、タライの中の水ね。解りました。やまびこみたいなものですね』
『おう、そんな感じもする。難しく考えずともいい。俺、ちょっとパン工房まで行ってくる』
『はい、解りました。その間に仕上げてしまいます』
リナウスは小屋をあとにした。
昼をまじかに控えた時間である。マッチスは、残っている木板の作業に取り掛かった。
時が進んでいく、リナウスが戻ってくる、昼めしのパンと堅パンの焼き損じ品をたっぷり持って帰ってきた。
『マッチス、木板は仕あがったか』
『あと線を四、五本引けば終了です』
『よし、昼めしにしよう』
リナウスは原っぱの真ん中に昼めしの準備を整えた。
『マッチス、めしは外だ。会場予定地のど真ん中でだ!』
二人は会場予定地のど真ん中に腰を下ろして、昼めしのパンをほおばった。
『委員長、あちこちに棒杭が見えますね』
『おう、あれが会場設営の目印だ。俺としては計算しつくして設定した目印だ。あれでもって午後の作業を進める。マッチス、お前にやってもらう、午後一番の作業はだな、建造の場に行って、ドックス棟梁に木板を10枚と長さ3キュビトくらいの垂木を15本くらいもらってきてくれ。木板は、縦横1スパンくらいか、少々大き目でもよい。誰か二人を連れていけば事足りる。帰ってきたら、俺の指示するように作ってくれればよい。以上だ』
『はい、解りました。先ほど二つ三つつまんで口に入れましたが、堅パンの割れうまいですね』
『そうか、あの堅パンの焼き損じ品は、作業の休憩時につまんで食べる、みんなでな!』
委員たちが姿を見せ始めた。
『委員長、ただいま、到着です』
『おう、ご苦労。こっちだ、腰を下ろして休んでくれ。じきに一同の顔がそろう』
『解りました』
草を刈る鎌、剣を手に持った委員たちが集まった。
久々に開催する体技競技大会である、集まった委員たちの表情は、期待する楽しさにあふれていた。
『委員長、タライノ中の水とはどんな意味ですか?私には理解できませんが』
『お前それを聞くのか。では説明してやる。これはたとえ話だ。タライの中にある水を手で持って向こうへ押しやる、押しやった水がま~るく波紋を描いて戻ってくる、お前のやったことの反響だ。それも波となって広がりながらだ。人間が生きている世間は、そのような状態でもって動いている。ま~、そういうことだ』
『へえ~、タライの中の水ね。解りました。やまびこみたいなものですね』
『おう、そんな感じもする。難しく考えずともいい。俺、ちょっとパン工房まで行ってくる』
『はい、解りました。その間に仕上げてしまいます』
リナウスは小屋をあとにした。
昼をまじかに控えた時間である。マッチスは、残っている木板の作業に取り掛かった。
時が進んでいく、リナウスが戻ってくる、昼めしのパンと堅パンの焼き損じ品をたっぷり持って帰ってきた。
『マッチス、木板は仕あがったか』
『あと線を四、五本引けば終了です』
『よし、昼めしにしよう』
リナウスは原っぱの真ん中に昼めしの準備を整えた。
『マッチス、めしは外だ。会場予定地のど真ん中でだ!』
二人は会場予定地のど真ん中に腰を下ろして、昼めしのパンをほおばった。
『委員長、あちこちに棒杭が見えますね』
『おう、あれが会場設営の目印だ。俺としては計算しつくして設定した目印だ。あれでもって午後の作業を進める。マッチス、お前にやってもらう、午後一番の作業はだな、建造の場に行って、ドックス棟梁に木板を10枚と長さ3キュビトくらいの垂木を15本くらいもらってきてくれ。木板は、縦横1スパンくらいか、少々大き目でもよい。誰か二人を連れていけば事足りる。帰ってきたら、俺の指示するように作ってくれればよい。以上だ』
『はい、解りました。先ほど二つ三つつまんで口に入れましたが、堅パンの割れうまいですね』
『そうか、あの堅パンの焼き損じ品は、作業の休憩時につまんで食べる、みんなでな!』
委員たちが姿を見せ始めた。
『委員長、ただいま、到着です』
『おう、ご苦労。こっちだ、腰を下ろして休んでくれ。じきに一同の顔がそろう』
『解りました』
草を刈る鎌、剣を手に持った委員たちが集まった。
久々に開催する体技競技大会である、集まった委員たちの表情は、期待する楽しさにあふれていた。