『建造に携わっているドックスの見解から聞こう。ドックス、お前から意見を言ってくれ』
『えっ!私からですか。解りました』
ドックスは二人と目を合わせる、姿勢を改める、口を開いた。
『私がものを造る、その構想を練りあげるときに大切にしていることは、心といいますか、その心情は、次のような気持ちです。ものは何でも、その性能が大事であると考えながらも、そのカタチが美しくなければならないといったスタンスで考えています。この件についてオキテス隊長とも話し合いました。真ん中に描かれている断面がいいと考えています。この断面によって造りだされている衝角のカタチがいいと想います。この3つの中で一番カタチよく、衝角としての機能発揮の鋭さがあります。また、そのカタチが工作上においても作りやすい形状でもあります。直線的な形状がとてもいい感じです。真ん中の断面の採用を押します』
『おう、ドックス、よう言ってくれた。オキテスはどのように考えている?』
『俺の考えか、俺もだな、ドックスの押しに賛成だ!パリヌルス、構想した当人の考えはどうなのだ?』
『俺か、俺は何も考えず、思いつくまま図にしたまでだ。二人がそのように言うのであればそれでいい。但しだ、ドックスの図面による造作金具の問題がある。ドックス、この部分の削り出しだが、この図面に描いた角度こだわらなくてもいい、工作するうえで、この削り出しは、お前に一任する。日程表によると、明日から建造に取り掛かるのだな、よろしく頼む。俺は一日に、二、三度はオキテス隊長のところへ来る、用件があれば、その旨伝えておいてくれ。対応は適時に行う。オキテス隊長、よろしく頼む』
『解った。すべて任せろ』
ここは阿吽の呼吸である、三人は固く手を握り合った。
戦闘艇の建造が始まる、構想に関する打ち合わせが終わった。
ドックスが建造の場に向かう、残った二人はうなずきあって手を握り合った。パリヌルスは、打ち合わせの場をあとにした。
陽は、まだ高みにある。樹木の少ない建造の場を風が吹きなけていく。
建造の場の広場では、体技競技大会の開催の責任担当の二人、委員長のリナウス、副長のマッチスが多数の木板を目の前に積み重ねて、体技種目ごとの施行要領の図面を描いている。
『おう、マッチス、体技種目ごとの施行要領図は、各々3枚くらいづつでいい。競技大会の施行次第については、15枚くらい作ろう。それで事足りると考えている』
『解りました』
二人は懸命に木板つくり作業を続けた。
『えっ!私からですか。解りました』
ドックスは二人と目を合わせる、姿勢を改める、口を開いた。
『私がものを造る、その構想を練りあげるときに大切にしていることは、心といいますか、その心情は、次のような気持ちです。ものは何でも、その性能が大事であると考えながらも、そのカタチが美しくなければならないといったスタンスで考えています。この件についてオキテス隊長とも話し合いました。真ん中に描かれている断面がいいと考えています。この断面によって造りだされている衝角のカタチがいいと想います。この3つの中で一番カタチよく、衝角としての機能発揮の鋭さがあります。また、そのカタチが工作上においても作りやすい形状でもあります。直線的な形状がとてもいい感じです。真ん中の断面の採用を押します』
『おう、ドックス、よう言ってくれた。オキテスはどのように考えている?』
『俺の考えか、俺もだな、ドックスの押しに賛成だ!パリヌルス、構想した当人の考えはどうなのだ?』
『俺か、俺は何も考えず、思いつくまま図にしたまでだ。二人がそのように言うのであればそれでいい。但しだ、ドックスの図面による造作金具の問題がある。ドックス、この部分の削り出しだが、この図面に描いた角度こだわらなくてもいい、工作するうえで、この削り出しは、お前に一任する。日程表によると、明日から建造に取り掛かるのだな、よろしく頼む。俺は一日に、二、三度はオキテス隊長のところへ来る、用件があれば、その旨伝えておいてくれ。対応は適時に行う。オキテス隊長、よろしく頼む』
『解った。すべて任せろ』
ここは阿吽の呼吸である、三人は固く手を握り合った。
戦闘艇の建造が始まる、構想に関する打ち合わせが終わった。
ドックスが建造の場に向かう、残った二人はうなずきあって手を握り合った。パリヌルスは、打ち合わせの場をあとにした。
陽は、まだ高みにある。樹木の少ない建造の場を風が吹きなけていく。
建造の場の広場では、体技競技大会の開催の責任担当の二人、委員長のリナウス、副長のマッチスが多数の木板を目の前に積み重ねて、体技種目ごとの施行要領の図面を描いている。
『おう、マッチス、体技種目ごとの施行要領図は、各々3枚くらいづつでいい。競技大会の施行次第については、15枚くらい作ろう。それで事足りると考えている』
『解りました』
二人は懸命に木板つくり作業を続けた。