レテムノンの港の朝が明ける。
夏の一夜を他郷の浜で過ごした一同は、水平線を破って昇る太陽を見ようと飛び起きる、波打ち際へと駆ける、ところ変わっても彼らは朝行事を欠かすことはない。
彼らは身を海に浸す、水平線を破って昇る大日輪を待つ、東の水平線が黄金色に輝く、待ちかねた日輪が水平線を破って顔を見せる、一同が歓声をあげる、彼らは身を沈める、顔だけを海上に出している、瞑目して何かを祈りあげている、そのような光景がレテムノンの港の一隅で展開されている。
彼らが朝行事を終えて浜にあがってくる、そこにはギアスが待っていた。
一同がギアスの周りに円陣を組む。
『ギアス艇長、おはようございます。いい朝です』
『おう、おはよう!いい朝だ』
朝の挨拶が交わされる。
『おう、一同、聞いてくれ!』
ここで言葉を切って一同と目を合わせる。
『今日のアサイチの業務は、テムノス方の水夫連を試作艇に乗せて航走する。それを終えて、帰途に就く。以上だ、解ったな。朝の航走には昨日のようないい風が期待できない、朝凪の頃合いである、往きも帰りも漕走である。よろしく頼む』
『おうっ!』と返事が返る。
『では、朝めしにする。ゴッカス、支度を頼む』
『はい!解りました』
ゴッカスが二人に声ををかけて手伝わせ朝食の場をつくる、オキテスを呼びにスダヌスが来る。
『ギアス、俺、ちょっと行ってくる』とギアスに声をかけて場を離れていく。
彼らは、朝めしを終える、ほどなく、昨夕、食事会を共にした水夫らが姿を見せる、総員は20名である。
ギアスは思案する、試作艇の乗員数は37名くらいとしている、ギアスは自分らの人員を削減して人員調整をする、彼らにも漕ぎ座について櫂操作をしてもらうことにした。
ギアスと水夫長が打ち合わせを終える。
『では、早速、海に出ます。よろしいですね』
彼ら一同が艇上の人となる、ギアスが風を読む、クレタ島の中央にあるイデー山(クレタ三山の最高峰、標高2456メートル)がレテムノンから南東30キロの内陸方向地点にあり、吹きおろしてくる陸風が艇を押すいい風とは言えない、朝凪の頃合いが迫っているのである。
ギアスは水夫長に話しかける。
『水夫長、朝凪の頃合いとなります。艇を押すいい風が期待できません。漕ぎ座についていただく水夫の方にも櫂操作をお願いしたい』
『その件、了解です。解りました』
夏の一夜を他郷の浜で過ごした一同は、水平線を破って昇る太陽を見ようと飛び起きる、波打ち際へと駆ける、ところ変わっても彼らは朝行事を欠かすことはない。
彼らは身を海に浸す、水平線を破って昇る大日輪を待つ、東の水平線が黄金色に輝く、待ちかねた日輪が水平線を破って顔を見せる、一同が歓声をあげる、彼らは身を沈める、顔だけを海上に出している、瞑目して何かを祈りあげている、そのような光景がレテムノンの港の一隅で展開されている。
彼らが朝行事を終えて浜にあがってくる、そこにはギアスが待っていた。
一同がギアスの周りに円陣を組む。
『ギアス艇長、おはようございます。いい朝です』
『おう、おはよう!いい朝だ』
朝の挨拶が交わされる。
『おう、一同、聞いてくれ!』
ここで言葉を切って一同と目を合わせる。
『今日のアサイチの業務は、テムノス方の水夫連を試作艇に乗せて航走する。それを終えて、帰途に就く。以上だ、解ったな。朝の航走には昨日のようないい風が期待できない、朝凪の頃合いである、往きも帰りも漕走である。よろしく頼む』
『おうっ!』と返事が返る。
『では、朝めしにする。ゴッカス、支度を頼む』
『はい!解りました』
ゴッカスが二人に声ををかけて手伝わせ朝食の場をつくる、オキテスを呼びにスダヌスが来る。
『ギアス、俺、ちょっと行ってくる』とギアスに声をかけて場を離れていく。
彼らは、朝めしを終える、ほどなく、昨夕、食事会を共にした水夫らが姿を見せる、総員は20名である。
ギアスは思案する、試作艇の乗員数は37名くらいとしている、ギアスは自分らの人員を削減して人員調整をする、彼らにも漕ぎ座について櫂操作をしてもらうことにした。
ギアスと水夫長が打ち合わせを終える。
『では、早速、海に出ます。よろしいですね』
彼ら一同が艇上の人となる、ギアスが風を読む、クレタ島の中央にあるイデー山(クレタ三山の最高峰、標高2456メートル)がレテムノンから南東30キロの内陸方向地点にあり、吹きおろしてくる陸風が艇を押すいい風とは言えない、朝凪の頃合いが迫っているのである。
ギアスは水夫長に話しかける。
『水夫長、朝凪の頃合いとなります。艇を押すいい風が期待できません。漕ぎ座についていただく水夫の方にも櫂操作をお願いしたい』
『その件、了解です。解りました』