『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第8章  クレタ離脱  19

2019-05-09 08:17:26 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 会議及び打ち合わせを終える、パリヌルスとも個別この上なく重要な案件の打ち合わせを終える、イリオネスは、それらを思い浮かべて内容を振り返る、抜け落としをしていないかを確かめる。
 『統領、会議、打ち合わせを終えました。二日後に大事の局面を迎えます。踏ん張らなければです。このあとスダヌスの歓迎ですね。到着時間を考えています。いずれにしても昼食の準備をしておきます』
 『そうだな到着待機と行くか。そのように手配をしておいてくれ。俺は小ポリス形成に関しての機構を考える。イリオネス、お前もその件について考えてくれ』
 『解りました』
 『その件を決めたうえで、総員に対して、意思の表明をしたい』
 『心得ました。統領、わたしは、準備の指示に行きます』と言って、イリオネスが立ちあがる、太陽を仰ぎ見る、時を計る。
 『この頃合いか!』とつぶやいて、パン工房へと歩を向ける。
 パン工房の入口に立つ、声をかける。
 『おう、オロンテス隊長はいるかな?』
 『あっ!軍団長!オロンテス隊長は、別棟にいます。呼んできます』
 オロンテスを呼びに走る、間をおくことなくオロンテスが姿を見せる。
 『おう、オロンテス隊長、頼みだ。スダヌスの到着のタイミングを計りかねている。一応だが昼の準備をしておいてくれ。水夫らの分も含めてだ』
 『解りました』
 『スダヌスは会所のほうへ迎える予定でいる。そちらは5~6人くらいかな。このあと、統領と俺とは会所のほうに降りる』
 オロンテスはうなずき返す。
 『軍団長、ちょうどタイミングがよかった。今、新しいスペッシャルパンの試作が焼きあがったところです』
 パン工房のスタッフが焼きあがったパンを持ってくる。
 『軍団長、これです。つまんで食してみてください』
 二人は焼き立てのパンをつまむ、口に運ぶ、味をみる、顔を合わせる。
 『おう、いけるじゃないか。フルーツ味の山菜ブレッドといったところだな』
 『そんなところです。季節ものです』
 『オロンテス隊長、昼食の件、準備よろしく頼んだぞ。いいな』
 『了解しました』
 イリオネスが踵を返す、会議の場へ戻る、アエネアスと連れ立って会所へと歩を運んだ。
 オキテスが会所に姿を見せる。
 『スダヌス浜頭の到着が遅いですね。軍団長、私の思いでは、一泊ということであれば、午後半ば過ぎの到着と考えられます。おそらく昼を済ませての出航だと思います』
 『そうかな、お前、そのように思うか?』
 オロンテスが来る、四人があれこれとスダヌスの到着タイムについて詮索する、頃合いを確かめる、昼が過ぎている、一同、昼食タイムとする。
 オロンテスが持参した焼き立ての試作のフルーツ味山菜スペッシャルパンを味あう、その味を堪能する。
 『おう、オロンテス、いけるいける!この味なかなかユニークでいい、歯に触る山菜の食感もいいではないか』
 アエネアスがパンを誉める、うなずく三人。
 彼らは、季節もののパンを味わって昼食タイムを終えた。