目線を合わせる二人、アエネアスが話しかける、ともに朝食を終えた一同が二人を見つめる。
『おう、スダヌス浜頭、我らがこのクレタの地に来て以来、ずいぶんと浜頭に世話になっている。心から礼を言う。考えてみればだな、そう長い期間でもないが、互いに付き合いの親密度が濃い、共に過ごした日々のことが思い出される』
濃密な親しみな感情が二人の胸にこみあげてくる。
『そうですな!統領と軍団長に連れだってイデーの山に登ったときのことが、昨日のことのように月に一度は、しみじみと思い出します。いつもですが、あの時の思い出を新鮮に思い出しています。軍団長はどうですかな?』
スダヌスがイリオネスに話を振ってくる。
『そうだな、浜頭。あのときは、すごく寒かったな!このクレタにこんな寒いところがあるのかとぶったまげた。統領もお前もぶるぶる震えていた』
『軍団長、あんたは、ガチガチ歯を鳴らしていた。冷たい風が吹き抜ける、身が凍る思いをしたな。案内役のこの俺が考えもしなかったイデーの山のてっぺんのことであった。今も申し訳ないと思っている』
『歯のガチガチか、それは俺の武者震いだよ。一同に恥ずかしいじゃないか』
スダヌスが語り続ける。
『ホッホウ、武者震い、歯のガチガチ、一同、聞いてくれたか、そういうことらしい、ハッハッハ!』
一同と目を合わせる、うなずき合う。
アエネアスが声をかける。
『あのときは、寒かったな、浜頭。今考えても鳥肌が立つ。三人が固まって背中をこすり合ったな。そんな陽の出前の山頂であった』
スダヌスが話を続ける。
『いやいや、本当に寒かった!この一語ですな。足元に雪、吹き抜ける身を凍らせる寒風にさらされる、その凍える山頂から、目にした陽の出、感動したな、山のてっぺんから見る、水平線を破って昇る大日輪、まさに第感動!寒さを忘れて眺めた。次いで、見渡す視界の中の我々が生きている世界を目のあたりにした感動を忘れることができないでいます』
『このことを思い出すと感無量ですな。我々が生きている世界を眼下に見る。私にとって初めての経験でしたな』とイリオネスが答える。
三人の人生における、初めての経験といえる眼下に広がるキクラデスの島々、ギリシア本土、西アジア大陸の南部、まさに彼らの生きている世界の俯瞰であった。
『まさに肝がちじまる私の体験でしたな』
『あ~あ、全く、浜頭の言う通りだ』とアエネアスが相槌を打つ。
イリオネスがあのときの目にした光景と景色をありありと思い浮かべる風情で二人の目をジイ~っと見つめる。
三人があの時の感動を共有している、それについて語り合っている。
アエネアスがその話の展開において、スダヌスとの話し合いの端緒をつかんでいた。
『おう、スダヌス浜頭、我らがこのクレタの地に来て以来、ずいぶんと浜頭に世話になっている。心から礼を言う。考えてみればだな、そう長い期間でもないが、互いに付き合いの親密度が濃い、共に過ごした日々のことが思い出される』
濃密な親しみな感情が二人の胸にこみあげてくる。
『そうですな!統領と軍団長に連れだってイデーの山に登ったときのことが、昨日のことのように月に一度は、しみじみと思い出します。いつもですが、あの時の思い出を新鮮に思い出しています。軍団長はどうですかな?』
スダヌスがイリオネスに話を振ってくる。
『そうだな、浜頭。あのときは、すごく寒かったな!このクレタにこんな寒いところがあるのかとぶったまげた。統領もお前もぶるぶる震えていた』
『軍団長、あんたは、ガチガチ歯を鳴らしていた。冷たい風が吹き抜ける、身が凍る思いをしたな。案内役のこの俺が考えもしなかったイデーの山のてっぺんのことであった。今も申し訳ないと思っている』
『歯のガチガチか、それは俺の武者震いだよ。一同に恥ずかしいじゃないか』
スダヌスが語り続ける。
『ホッホウ、武者震い、歯のガチガチ、一同、聞いてくれたか、そういうことらしい、ハッハッハ!』
一同と目を合わせる、うなずき合う。
アエネアスが声をかける。
『あのときは、寒かったな、浜頭。今考えても鳥肌が立つ。三人が固まって背中をこすり合ったな。そんな陽の出前の山頂であった』
スダヌスが話を続ける。
『いやいや、本当に寒かった!この一語ですな。足元に雪、吹き抜ける身を凍らせる寒風にさらされる、その凍える山頂から、目にした陽の出、感動したな、山のてっぺんから見る、水平線を破って昇る大日輪、まさに第感動!寒さを忘れて眺めた。次いで、見渡す視界の中の我々が生きている世界を目のあたりにした感動を忘れることができないでいます』
『このことを思い出すと感無量ですな。我々が生きている世界を眼下に見る。私にとって初めての経験でしたな』とイリオネスが答える。
三人の人生における、初めての経験といえる眼下に広がるキクラデスの島々、ギリシア本土、西アジア大陸の南部、まさに彼らの生きている世界の俯瞰であった。
『まさに肝がちじまる私の体験でしたな』
『あ~あ、全く、浜頭の言う通りだ』とアエネアスが相槌を打つ。
イリオネスがあのときの目にした光景と景色をありありと思い浮かべる風情で二人の目をジイ~っと見つめる。
三人があの時の感動を共有している、それについて語り合っている。
アエネアスがその話の展開において、スダヌスとの話し合いの端緒をつかんでいた。
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