『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

[Remembrance of Aeneis] Ⅳ To founding land of nation 『建国の地へ』 第2章  プトロトウムにて  28

2020-02-12 06:08:22 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 ぺリオスが思案していた考えと彼らの意向の合致を得る、施工の意を固める。
 『君らの意向を理解した。その考えの具体策を考えてくれ!祝宴を終えた翌日にその件について話し合う。具体化に向けて、即、とりかかる。いいな!』
 ぺリオスが一同と目を合わせる、うなずき交わす。
 『そういうことだ。君らも身体を休めてくれ。明日、催行する祝宴を全員で楽しもう!これにて今日を終える。ごくろうであった』
 ぺリオスと監督らが挨拶を交わして散会する、彼らの心は明日の祝宴に飛んだ。

 プトロトウムの浜に祝宴の朝が明ける。
 ぺリオスは、朝の水浴をすませて身を整える、アンドロマケと今日を打ち合わせる。
 『アンドロマケ、解っているな!今日は、港湾工事の完了完成の祝宴を行う。俺は一足早く会場の浜に行く。お前は、召使いたちを連れて、祝宴が始まるころまでに会場の浜に来るといい、待っている』
 『解りました。そのようにします』
 ぺリオスは、門前に待つ監督らとともに会場の浜に向かう。会場の浜は、アエネアスの船団が停留している浜に隣接している浜である。
 ぺリオスが浜に着く、会場を見渡す、イリオネスが会場設営の指示を飛ばしている、競技大会の準備に大忙しである。
 『おはようございます、ぺリオス領主殿。このうえない、いい朝です』
 『おう、おはよう。競技大会には、俺も参加する。よろしく頼む』
 『それはいいですね!そうあるべきです!彼らとの一体感です』
 ぺリオスの傍らにアエネアスが静かに歩み寄る、目を合わせる、朝の挨拶を交わす、二人は会場を見まわす。
 『アエネアス統領、世話をかけている、お前がいればこそ出来る祝宴だ、このうえなく感謝している』
 『おう、お前も俺もだが、一同と祝宴を楽しもう!』
 さんさんと射しかける陽光がまぶしい、二人は、いい日であることを願って会話を交わす。
 会場の一隅ににわかづくりの幕舎が建てられ、簡単なしつらえのデスクと長椅子が置かれている、その前に領主の立ち台が整えられている、申し分のない設営といえる。
 祝宴開始の刻限が迫る、一同が顔を見せ始める、一同がそろう、一同の着座区画が定められている。
 午前半ばに到って総員が会場に集結し終える、ぺリオス方の総員300人超が監督配下別に定められた区画におちつく、アエネアス方はオロンテス配下の者らを除いて工事に参加した者ら300人足らずが各隊ごとに区画におちつく、アンドロマケが召使いたちを連れて顔を見せる、アエネアスの父アンキセスは顔を見せていない、アカテスがユールスを連れて会場に来ている、アンドロマケら、ユールスとアカテスは、簡易仕立ての幕舎の椅子に腰を下ろしている。
 いよいよ祝宴開始の時となる、イリオネスが幕舎の前に立って全員を招集する、ぺリオスが立ち台台上に立つ、開会の辞を述べる、場に喊声があがる。
 『おう!全員元気か?!』ぺリオスの第一声である、『おう!』『おう!』『おう!』場の歓声である、ぺリオスが全員と目線を交わす、口を開く。
 『港湾の砂の除去作業そして船だまりの岸壁の拡張工事がアエネアスの船団の者らの手を借りて完了完成した。その完了完成祝いと諸君ら一同の日々の働きに心から感謝の意を込めて慰労の祝宴を只今より行う、力いっぱい楽しんでくれ!一同っ!日々の働きごくろう!ありがとう!』
 『おう!』『おう!』『おう!』
 喊声でどよめく。
 ぺリオスが開会を宣言する、祝宴がスタートする。
 夏の盛りの太陽が力の限りを尽くして、陽光を射しかけてきていた。