『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

[Remembrance of Aeneis] Ⅳ To founding land of nation  第2章  プトロトウムにて  34

2020-02-20 06:13:21 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 ぺリオスは、監督らからの工事現場の作業者用幕舎の建設計画の報告を受けて、即刻、幕舎の建設にとりかかる。
 港湾の作業者らの一同が幕舎の建設に当たる、建設は人海作業で建築が遂行されていく、幕舎は日にちをかけることなく完成する。
 ぺリオスは、配下の者らの宿舎のまかない方と業者と計らって食事供給の手配を完了する、順調に事を進めて実施に及ぶ。
 城壁構築建設工事の作業者らの陣容が600人超に増員が成る、幕舎ができて建設工事が進展し始める、工事進捗のスピードが加速する、作業が進展して工事が進んだ。
 ぺリオスは、イピロス王の暦によって日々を送っている、アエネアスの暦とは3日の差がある、アエネアス暦の8月1日が7月27日である。
 アエネアス暦8月4日の朝が明ける、作業員らの休日あけである。
 作業者らがぺリオスの館の門前の広場に集結して、作業現場に出発していく、アエネアスも同道している。
 工事現場の幕舎においてアエネアスはぺリオスと話し合う。
 『おう、ぺリオス領主、工事のほうだが、はかどっているな、重畳このうえなしだな!この分だと工事が完了するのは、いつ頃と考えている?』
 『おう、そうだな、想定していた完了日より1か月は早く終わる。イピロス王へ報告したら大変に喜ばれた。お前には大感謝だ。ありがとう』
 『それはよかったな!ところで話だが、そろそろ出航しようと考えている。このプトロトウムから、西への航海について、できるだけ詳しく知りたい』
 『なに出航!?そうか、お前にはお前の都合があるわな。ここに引き止めたいが、そのようなわけにはいかないのか』
 『お前、そのようなことを考えていたのか』
 『そうだ!出来ることなら、そのようにしたいと考えている』
 『俺がそれに応じると考えていたのか。それはできない相談だ』
 『俺の想いでは、お前が起つように考えている。アエネアス、考え直せ』
 『それはだめだ。俺は、380人の命と希望とその運命を預かっている。ぺリオス、お前の要望には応じられない!そういうことだ』
 『解った。応じられないお前の事情が解る。望みを達成しろ。引き止めたい!それをあきらめる。何かがあったらここに戻って来い!この俺がいる』
 『了解した』
 『航海についての詳細は、俺が語って聞かせる。また、航海事情に詳しい者がいるから、その者にも説明させる。あれこれ他人に聞く必要はない。俺に任せろ。出航日を決めたら言ってくれ』
 『おう、それはもう決めている俺の暦でいうと、8月13日から15日までの空模様のよき日に出航しようと考えている』
 『えらい急ではないか』と言って、ぺリオスは空を仰いだ。