テムノス浜頭がオキテスに声をかける。
『おう、おはよう。オキテス隊長!』
『おはようございます、とってもいい朝です。出航の準備ができています。乗艇ください』
水夫頭がオキテスに声をかけてくる。
『オキテス隊長、おはようございます。元気でしたかな?』
『はい、元気です。水夫頭殿も元気そうで何よりです。新艇の具合に変わりはありませんか?』
『はい、彼奴も元気に私らと一緒に海原を駆けています。安心ください』
『ありがとうございます。それを聞いて安堵しました』
二人が再会のあいさつを交わす。
テムノス浜頭から声がかかる。
『オキテス隊長、出航しよう!』
水夫頭がテムノス浜頭に声をかける。
『頭領、行ってらっしゃい!相手方に話を通しておきます。帰着は、明日の夕刻ですね』
『おう、その予定だ』
テムノス浜頭が艇に乗る。
オキテスが出航を告げる。
凪いでいる海を泡だてる、イラクリオンを目指して波を割り進む。
レテムノンの係留岸壁を離れて一刻半、今様時間で3時間、ジエロポタマスの沖に差し掛かる、イラクリオンへの中間とおぼしき地点である。
陽を浴びて輝く、イデー山(2456メートル)の山頂を眺める。漕ぎかたらが感動を覚える一瞬である、見とれている余裕がない。
艇はひたすら東への航走をゆるめない。
テムノス浜頭がオキテスに声をかける。
『オキテス隊長、岸を離れて沖へ出てみよう。この頃合いの風具合を見る』
『解りました』
オキテスがダックスに指示をする。艇を北東に進ませる、沖へと向かう。
風を感じる、風に艇を押す力があるとは思えない、だが、ダックスは帆張りを指示する。
艇は櫂漕ぎをやめることなく、東へ航走する、そして、小1時間後、西から風が吹き来る、いい風である、帆が風をはらむ。
ダックスが『お~お、これなら、いける!』と断を下す、イラクリオンを目指して帆走する。艇上の者らが海の状態を眺める、波頭が風に飛び、舞い飛ぶ、海上の各所に白ウサギが跳んでいる。
テムノス浜頭がつぶやく。
『これでおちつける!オキテス隊長、話でもするか』
『はい!』
『レテムノンでも、イラクリオンでも船舶の展示試乗会を開催するとなると、いささかながら、少々、話が違ってくる』
『そのあたりの事情については、私らは全くわかってはいません。その件は、白紙にして、話を起こしていただいてよろしいです』
『話の切り出しとしてだな、船舶の展示試乗会を開催してはどうかと話題提起で話を進めるが』
『解りました。テムノス浜頭に話の一切をゆだねます』
『了解した。エドモン浜頭には、そこから話をする』
『解りました』
二人は顔を見合わせ、うなずき合った。
『おう、おはよう。オキテス隊長!』
『おはようございます、とってもいい朝です。出航の準備ができています。乗艇ください』
水夫頭がオキテスに声をかけてくる。
『オキテス隊長、おはようございます。元気でしたかな?』
『はい、元気です。水夫頭殿も元気そうで何よりです。新艇の具合に変わりはありませんか?』
『はい、彼奴も元気に私らと一緒に海原を駆けています。安心ください』
『ありがとうございます。それを聞いて安堵しました』
二人が再会のあいさつを交わす。
テムノス浜頭から声がかかる。
『オキテス隊長、出航しよう!』
水夫頭がテムノス浜頭に声をかける。
『頭領、行ってらっしゃい!相手方に話を通しておきます。帰着は、明日の夕刻ですね』
『おう、その予定だ』
テムノス浜頭が艇に乗る。
オキテスが出航を告げる。
凪いでいる海を泡だてる、イラクリオンを目指して波を割り進む。
レテムノンの係留岸壁を離れて一刻半、今様時間で3時間、ジエロポタマスの沖に差し掛かる、イラクリオンへの中間とおぼしき地点である。
陽を浴びて輝く、イデー山(2456メートル)の山頂を眺める。漕ぎかたらが感動を覚える一瞬である、見とれている余裕がない。
艇はひたすら東への航走をゆるめない。
テムノス浜頭がオキテスに声をかける。
『オキテス隊長、岸を離れて沖へ出てみよう。この頃合いの風具合を見る』
『解りました』
オキテスがダックスに指示をする。艇を北東に進ませる、沖へと向かう。
風を感じる、風に艇を押す力があるとは思えない、だが、ダックスは帆張りを指示する。
艇は櫂漕ぎをやめることなく、東へ航走する、そして、小1時間後、西から風が吹き来る、いい風である、帆が風をはらむ。
ダックスが『お~お、これなら、いける!』と断を下す、イラクリオンを目指して帆走する。艇上の者らが海の状態を眺める、波頭が風に飛び、舞い飛ぶ、海上の各所に白ウサギが跳んでいる。
テムノス浜頭がつぶやく。
『これでおちつける!オキテス隊長、話でもするか』
『はい!』
『レテムノンでも、イラクリオンでも船舶の展示試乗会を開催するとなると、いささかながら、少々、話が違ってくる』
『そのあたりの事情については、私らは全くわかってはいません。その件は、白紙にして、話を起こしていただいてよろしいです』
『話の切り出しとしてだな、船舶の展示試乗会を開催してはどうかと話題提起で話を進めるが』
『解りました。テムノス浜頭に話の一切をゆだねます』
『了解した。エドモン浜頭には、そこから話をする』
『解りました』
二人は顔を見合わせ、うなずき合った。
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